芦原やすえの気まぐれ便り

原発のない町つくりなど、芦原やすえの日々の活動をご紹介します。

ようやく島根原発1号機を廃炉

2015-03-18 21:11:50 | 原発
 今日は、ようやく、中国電力が島根原発1号機を廃炉にすることを島根県、鳥取県、松江市をはじめとする関係自治体に伝えました。廃止の日は4月30日です。
 私自身が全ての原発廃炉を訴えてから、すでに30年以上が過ぎます。この原発が計画された時の新聞記事はわずか数行の記事でした。「原子力」という言葉に一抹の不安を抱いたことを覚えています。ですが、この時、ほとんどの市民は何のことかわからなかったのが実態でした。それは、鹿島町の漁師さんたちも同じでした。すでに、その時代から漁獲高は減少し、若い世代が漁業を引き継ぐことは期待できない状態でした。頑張った漁師さんたちもいらっしゃたのですが、徐々に目の前に積まれたお金に心を奪われていく方が多くなっていきました。先日上映した映画「シロウオ」に登場した原発を断った和歌山県日高町の漁師さんたちのことが改めて目に浮かびますが、目の前に積まれるお金より、豊かな海の恵みを糧に生活することを選択されたことは本当に賢明だったと思います。その選択の違いを生じさせたものを考えると、豊かな海の恵みが十分に漁師さんたちの生活を成り立たせていたのだろうとも思います。鹿島の海で漁業で生活が成り立つよう、もう少し知恵を絞ることができなかっただろうかと悔やまれます。
 しかし、現実に原発を受け入れてしまったのですから、早く原発を廃絶し、安全な暮らしを取り戻すよう努力を重ねるしかありません。その島根原発1号機は、営業運転開始から40年が経過し、事故を起こした福島第一原発1号機と同じマークⅠ型でアメリカの技術者からも欠陥が指摘される原発でしたから、福島原発事故後は、なおさらのこと、早く廃炉にしてほしいと願ってきました。40年も経過してからの廃炉決定は遅かったとも思いますが、とりあえず歓迎したいと思います。
 今後、中国電力は「廃炉計画」をつくり、設置変更許可申請をすることになるため、その時点で安全協定の事前了解事項になり、自治体に申し入れを行うことになります。先行する浜岡では、「廃炉計画」をつくるまでに4~5か月かかっていることから、島根でも同様に時間がかかりそうです。
 先日、松江市長は「使用済み核燃料は敷地外へ持ち出すことが条件だ」と言っていましたが、今日は、現実的にそれはムリと考えたのか、「当面、敷地内で管理するのはやむを得ない」と語ったそうです。
 夕方からは、さよなら島根原発ネットワークの共同代表と共に島根県庁内記者クラブで記者会見を行いました。
簡単に言えば、次のようなことを述べさせていただきました。
①廃炉決定は歓迎だが、もっと早く決定されるべきで、遅かったと思う。
②40年はかかると言われる今後の廃炉工程には、使用済み核燃料をどうするのかという大きな問題が存在する。国、電力会社、自治体はもちろんだが、住民も交えての議論を経て、一番適切な方法を選択しなければならない。
(現実的に、核のゴミをお金を山積みにしても引き受け先があるのでしょうか?できたものは、処分するにしても保管するにしても、どこかに決めなければできません。国や電力会社の責任でどこかに決定したとしても、計画を持ち込まれた自治体の住民は歓迎するでしょうか。その自治体の住民は原因となった原発建設にノー!ともイエスとも言う権利がありませんでした。その結果を引き受けるいわれがどこにあるのでしょう!国や電力会社が責任を持って行うべき問題ではあっても、国民が関与しなければ各地で混乱が生じるのは目に見えています。今後解決していかなければならない大きな問題です)
③廃炉工程における作業員の被曝を避けることや安全管理を徹底しなければならない。
④1号機だけでなく、全ての原発を廃炉とすべきである。
 
そして、今後も、これらの問題を追及しながら2号機、3号機の稼働をストップさせていく運動を展開していくことを表明しました。