芦原やすえの気まぐれ便り

原発のない町つくりなど、芦原やすえの日々の活動をご紹介します。

今日の島根3号機をめぐる動き

2018-06-29 22:33:01 | 原発
今日は、島根原発3号機をめぐって様々な動きがありました。

午前中には島根県議会総務委員会が開かれ、賛成多数で適合性審査を申請することについて了解しました。(TVニュース)

午後、えねみら・とっとりの皆さんたちが松江市に申し入れに来られました。
 「周辺自治体の意見に耳を傾けて、拙速に事前了解をしないでください」という申し入れです。

米子や境港から来られた方たちから、・30km圏外に住んでいるが、30kmで線引きをされても困る。動かさないでほしい。
米子の住民の意見も踏まえて検討して欲しい。といった意見がありました。

松江市は、「原子力規制委には厳格な審査をお願いしている。福島の事故については国も反省している。被ばく線量を抑えることが大切。」
などと答えていましたが、この松江市の考え方について、「私たちは被ばくを抑えるのではなく、被曝しないように動かさないでほしいと言っている。」と、強く否定。

皆さんからは他にも様々な質問がありました。

①安全協定について
 鳥取県と松江市は同等なのか?どこが違うか?
 福島原発事故後も立地自治体と違うことについてどう思うか?
 周辺自治体が稼働に反対の場合、どのように対応するのか?
松江市の答え
 →立ち入り調査権については、周辺自治体にはないが、県や松江市が立ち入り調査を行う時には、周辺自治体にも呼びかけて同行しているので、実質的に同じになっている。
 →事前了解件について、松江市が言うのは「5km圏を抱えているので、立地市の意見を尊重してほしいということ。」
 →安全協定についてはたくさん意見を聞いている。周辺自治体については、松江市はものを言う立場にはない。
 →周辺自治体から意見を聞く仕組みは県が行っている。(覚書)

*今日は、松江市議会全員協議会が開かれ、意見を聞いている(松政は賛成。真正と市民クは意見が分かれたことを発言。公明は賛成<1人は反対>。共産は反対)市長は、近日中に総合的に判断をすると言っている。まだ、意見を伺っている途中

皆さんから、ぜひ住民の意識調査を!との要請

②宍道断層評価について
 鳥取県沖の断層と本当に繋がらないのか調査をするべきだ。
松江市の答え
 専門的なことは市ではできない→原子力規制委には専門家がいて厳正に審査が行われる。

③使用済み核燃料を新たに排出することについて
 新たに稼働させれば、核のゴミが溜まり、松江市が核のゴミ置き場になるのでは。
松江市の答え
 使用済み核燃料の早期の搬出を求めている。
 再処理工場の早期稼働等について国に要請している

同席した私からは、次点を指摘しておきました。
①安全協定について、「周辺自治体についてはものをいう立場にない」というのは、その通りだが、市長の発言は事実上、周辺自治体の事前了解権を求めることに介入している結果になっている。事故が発生した場合に5k圏内が一番線量が高くなることや、真っ先に5km内の市民を守らなければならない責任があるのもわかる。
しかし、それは30km内の周辺自治体も同じこと。例えば5km圏内住民を守らなければならないのに、周辺自治体が稼働させろ!と言ったり、その逆もありうる。
その場合には、安全を最優先に判断することを協定に明記しておけばいい。」

②アメリカからプルトニウムの削減を求められているのは承知のことと思う。
再処理工場が仮に稼働することができても、100%の稼働をすることはできなくなると考えるのが現実的。
松江が核のゴミ置き場となるのはあり得ること。市長の国への要請は単なる願い事だ。

ざっと、こんな感じでしたが、すでに安来市が了解することを表明。出雲市も了解することを表明しています。
「審査に申請することのみの是非を判断するので、稼働の是非についての判断ではない」と、どこの自治体も軽く考えているようです。
適合性審査は稼働の手続きの一つであり、これを進めることは稼働に向かって進むことです。本当に3号機を動かす必要があるのか、今、立ち止まって考えなければなりません。本当に、今が大切なのです。
残りの自治体が立ち止まってくれることを願って、働きかけを続けます。
皆さんからも「3号機はいらない」一言を各自治体へ送ってください。

里山の挑戦と怒りの島根原発3号機説明会

2018-06-16 22:11:38 | 原発
今日は、午前中は雲南市の山間で島根県産業技術センターと高専、サンエイト、地域の里山照らし隊の皆さんが共同で開発した竹炭蓄電器TANDENを見学に行ってきました。
 中山間地に行くと、山の木々の間伐ができず、竹林も拡大し、荒れたままの状態となっているところが目につきます。その竹や木々を切り、炭にして電気エネルギーを貯め蓄電器を製造することで、景観や森林の保全に取り組もうというものです。敷地の中には街灯と電源となる蓄電器つきの太陽光パネルがいくつか並べてありました。日中は太陽光発電で発生した電気を貯めておき、夜間になると貯まった電気を使って照明をつける仕組みで、どれもコンパクトなものでした。この蓄電器は特許も取り、販売も始められましたが、まだ手作り状態で、お値段も1つ40万円程度で。雲南市が街灯用に購入し、松江市も総合運動公園の照明に購入したとのことです。他にも用途はスマホの充電や防犯カメラ用に使えるなど、今後、アイデア次第で利用が広がっていくのではないかと期待していらっしゃいました。お話しでは、ここで製造を拡大して全国に広げるというよりは、各地から製造のノウハウを学びに研修に来ていただき、各地で取り組んでもらいたいとのことでした。お話しを聞いていて、巨大な収益を生むわけでもなく、この蓄電器では家庭の電気すら賄うことはまだできない状態ですが、巨大でない分は、地域の中で人びとが環境の保全や小さな経済の循環を試みていて、まさに地域密着型だと思いました。これからも、研究しながら、少しづつ広げていってほしいと思いました。里山の小さな光のようでした。感謝!



 さて、午後ですが、くにびきメッセの会場で、中国電力による島根原発3号機の適合性審査申請について住民説明会がありました。今日から、松江市内で2回の説明会と周辺5市での説明会の始まりです。
 説明内容は、前回、島根県の安全対策協議会と安全顧問会議での内容とほとんど同じです。それをわずか1時間程度で済まそうとするわけですから、示された数値がどのようにして導き出されたのかまるでわかりません。例えば、中電は老朽火力を止めるために3号機が必要だと言うのですが、40年以上の運転年数がある火力が502万KWあると図を示します。しかし、この中には他社受電分が含まれていて、自社分がどれだけあるのか示されていません。その自社分のうち、石炭、石油、LNGがそれぞれいくらあるのかもわかりません。一番CO2排出の多い火力は石炭ですが、その石炭をどれくらい止めるのかはっきりしません。なにより、石炭火力の三隅火力100万KWの2基目を建設しようとしているのです。環境省から厳しく批判され、代わりに老朽火力を止めることなどが条件とされ、ようやく認可が下りた発電所です。いったい、中電に本気でCO2排出削減に取り組む気があるのか疑ってしまいます。また、各発電方法ごとに発電コストが示されているのですが、2014年のモデルプラントを使った試算が掲載されています。原発の発電コストが10.1円~とされ、一番安いということを示そうとしているのですが、これらの数値は何を条件としてどんな数値を使ってどう計算したのかなど、詳細がわかりません。これで、誰が信用するというのでしょう?一応、事故対応コストも入っているようですが、そもそも、福島原発事故の処理はまだ終わりが見えません。最終的にいくらかかるのかすらわかりません。
 会場からは、次々と質問と意見が出て、このおざなりな説明に対してもっと丁寧で詳細な説明を求める声が相次いでいました。また、活断層の評価に関しても詳細説明をせよとの声が上がりました。そして、3号機は一度も核燃料を装荷していない。いったん動かせば汚染してしまう。動かさないという選択があるのではないか?命に関わる問題だ。こんな説明でいいのか?などの意見も!周辺自治体と結ぶ安全協定の問題についても、鳥取の知事は立地自治体と同様の対応をしていただくことになっていると見解を述べているが、立地自治体と同等と、協定にはっきり明記せよ!との質問に続き、仮に一市が反対を表明したら、審査の申請はしないのか?はっきりさせて欲しいと、問う意見が続きました。これにも中電は「そんなことが起きたら大変なので、そうならないように理解を得るよう努力します」としか答えません。逃げないで、はっきり答えて欲しいと、再度聞き返すも、中電の姿勢は変わりませんでした。
 会場からは、終始ヤジが飛び、1時間半の予定が2時間近くまで延長となりました。皆、不満な顔で帰って行ったのが印象的でした。もう一度、開催させなければ!と思いました。


島根原発3号機適合性審査に向けた手続きをストップし、周辺自治体に事前了解権を!

2018-06-11 22:37:49 | 原発
5月22日に、中国電力が島根原発3号機の適合性審査申請のために事前了解願をもって来てから、島根県や松江市、そして周辺自治体に対して様々な市民グループが事前了解を認めないよう要請し続けています。
 島根原発・エネルギー問題県民連絡会では5月24日には鳥取県に対して要請に行ってきました。6月4日には、境港市議会、米子市議会、雲南市議会、松江市議会に、それぞれ島根原発3号機の適合性審査申請に関する陳情書を提出してきました。
 境港と米子にはそれぞれ9件の陳情、雲南には7件、松江には1件と数は多いのですが、1件の陳情の中に複数項目を入れると、その中の1項目に対して反対が多くなった場合に、他の項目も含めて全て不採択となる可能性が高く、1項目づつの陳情としましした。
 主要な内容は、「松江市と不平等の安全協定を改定すること。改定できるまで、3号機の適合性審査に関する判断を行わないこと。島根県と鳥取県に、それぞれ原発に係る専門家も交えた「検討委員会」を設置することを求めていただきたい。その結論が出るまで、同じく判断を行わないこと。市民説明会を中電に求めること。市民の十分な理解が得られるまで判断をしないこと。実効性のある「避難計画」ができるまで、適合性審査申請を行わないように中電に求めること」です。
 安来市と出雲市については、陳情受付の締め切りが過ぎていましたので、出せませんでしたが、市長との面談を求めています。雲南市議会は議長がいらっしゃいましたので、少し説明をさせていただきました。議長は、私たちの説明に対して「その通りで、趣旨は良くわかります」と言われ、安全協定の改定を求めることについては、強く興味を持たれました。松江市に対して、「財政的な面だけで決めていただきたくない」と述べ、立地自治体の意向を優先するような判断に向けた動きに、大きな不満を持っていらっしゃるのが良くわかりました。また、提出した陳情項目に対して「核のゴミ問題はないのか」と聞かれ、かなり原発が抱えている問題について把握されているようでした。

 この日、1日をかけて回り、かなり疲れましたが、今、手を尽くさなければ、3号機は稼働の方向に加速的に動いてしまいます。これらの自治体に対しては、さらに市長との面談を求めていますので、適合性審査にかける前に、本当にこれ以上の原発が必要なのか、実効性のない「避難計画」のままで稼働に向けた手続きを進めていいのか等、十分な検討を行い、市民への説明も含めて時間をかけて議論すべきだとうたえて行きます。
 
皆さんにお願いです!

私たち島根と鳥取の市民に手を貸してください。

各自治体に働きかけて欲しいのです。

電話をかけてください。

”もう、原発はいらないから、3号機の審査申請を認めないでください!”と

”住民の命を守るために、これ以上原発を動かすことがないように頑張ってください”と、伝えてください。


島根県原子力安全対策課 0852-22-5931
松江市原子力安全対策課 0852-55-5615
雲南市総務部危機管理室 0854-40-1027
出雲市防災安全課    0853-21-6268
安来市総務部防災課   0854-23-3074
米子市防災安全課    0859-23-5337
境港市総務部自治防災課 0859-47-1070