芦原やすえの気まぐれ便り

原発のない町つくりなど、芦原やすえの日々の活動をご紹介します。

松江市議会住民投票条例案否決と再稼働了解判断

2022-02-15 20:59:05 | 原発
なぜ民意の把握を拒否し、性急に再稼働判断を行うのか?



本日は、10時から松江市議会臨時議会が開催され、私たちが求めた「島根原発の再稼働に関して、住民の意向を問う松江市住民投票条例」案は、反対26・賛成6で否決されました。
元々、自民党系議員が圧倒的に多く、この間、再稼働推進を求める商工団体からの陳情8件を採択し、慎重審議及び再稼働に反対の陳情21件をことごとく不採択にしてきた松江議会でしたから、結論は予め予想できたことですが、改めて民意を丁寧に把握することを拒否した議会にはがっかりです。
以下、長文で申し訳ありませんが、概要です。
 
今日は、各会派による討論と採決でしたが、反対会派の言い分は、おおむね、以下のような内容でした。
・長い間、松江市は島根原発と共存してきた。
・議会はこれまで議論を重ねてきた。陳情も丁寧に審議してきた。
・住民説明会を4回行っており、その様子は今も視聴できるようになっている。充分であった。
・署名は50分の1以上であったので、議会で審議したが、多くの市民は動かなかった(署名しなかったとの意味)。
・市長と議会の判断を市民は理解して欲しい。
・日本エネルギー資源に乏しく、確保しなければならない課題に取り組まなければならない。
・カーボンニュートラル実現のために原発は必要。
・避難計画は国において確認された。
・条文に不備を指摘
・選択肢に「保留」を設けたことに対して、曖昧だ!市民も責任を持って勉強し判断しなければならない。賛否をはっきりさせるべき。(2択なら賛成とも)
*市民が再稼働について選択したいと求める条例に対して、議会は複雑な問題について説明を聞き、視察にも行って議論してきたので、市民には任せられない!と思っているような印象を受けました。

なお、共産党と民主ネットワークは、それぞれに賛成の立場から討論をされました。
共産党議員は、新潟県の4年に亘って検討委員会を開催してきた取り組みを紹介し、国にエネルギー政策の転換を求めていくべきと訴えてくださいました。
民主ネットワーク議員は、昨年の自治労が行ったアンケート調査において、市民が避難計画に不安を抱き、計画すら知らない人が47%もいた例を挙げ、民意の把握が必要と訴えられました、また、再稼働判断は尚早とも!
*お二人を含めて起立し、賛成の意を表してくださった6人の議員の皆さんには、感謝申し上げたいと思います。

この議会が終了した後、午後からは全員協議会が開催され、各会派から再稼働に対する事前了解について意見表明がありました。
容認する自民系会派および公明会派は、これまで同様に安全確保が大前提としながら、「・カーボンニュートラル実現のために原発が必要・避難計画は現時点で最善・電力の安定供給が必要で、再エネは安定供給のためには技術開発が必要・核ゴミ問題は国の責任で行われるべき」といった意見とともに、再稼働容認を表明しました。
民主ネットワークは、賛否が分かれたため、会派としての統一見解は示せないとし、反対は共産党会派のみとなりました。

議員も私たちも、聞いていた予定はここまででしたが、市長は、休憩を取って市長判断を示したいと言いました。
報道でお分かりのように、その後、市長は、再稼働に対して以下の4つの観点から了解する旨を示しました。

・安全性について
福島の事故後、安全性について対策が取られてきた。
事業者が信頼を得られなければならないが、今後も取組みの改善を求めていく。
・使用済み核燃料搬出について
大臣から、核燃料サイクルを推進していくとの回答を得ている。
・エネルギー問題について
エネルギー資源については脆弱性がある。再生可能エネルギーに関しては、安定供給には時間がかかる。
当面の間、原子力を使っていくしかない。
・避難対策について
国から確認を得た。市民には理解を得たい。
現時点では最善であるが、普段の見直しをしていく。
・地域経済への影響
コロナ禍において、電力需給がひっ迫している。
エネルギーコスト上昇が経営を圧迫する。
低迷する地域経済改善に効果がある。

以上ですが、市長が、議会会派の意見が出た直後に、ここまで急いで判断を示したことには怒りしかありませんでした。


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