かやのなか

あれやこれやと考える

GOTO伊豆

2020-10-09 02:28:59 | 
伊豆旅行初日。朝起きてから乗る電車を検索する情弱。11時に家を出てJRで北千住から上野へ。上野からは上野東京ライン乗りっぱなし。人生初の普通車グリーン席を利用。パスモを頭上のセンサーにかざしたとき、文明開化の音がした(気がした)。しかしグリーン車は、普段電車で喋らない関東民がしゃべるわしゃべるわ、密だった。お金を払って券を購入しているから良いやろ的な発想なのかなと意地の悪い話をする関西人。隣の父一人兄弟二人の親子が、お弁当を食べて楽しそうだった。「久しぶりの旅行だな!」とか言ってた。Gotoなのかな。みっつくらい前の席に、ハーフっぽくて微妙に小汚い美少女が座っていて、自分の顔の幅ほどもあろうかという巨大なサンドイッチを頬張っていた。熱海で三島行に乗り換え。熱海でほとんどの人が降りた。三島でさらに伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換え。ICカードが使えなくなりそうだったので一度改札を出る。ちょうど来た踊り子に飛び乗った。三島から修善寺間は特急料金いらないと聞いてラッキーなお気持ちになる。車窓からの景色はどんよりしていて、朝からの雨で山に霧がかっていた。ワンチャン、車窓から韮山反射炉が見えるかと思ってかじりついていたがムリだった。台風14号が太平洋上を通過しており、後で知ったが伊豆諸島には特別警報が出ていた。修善寺に14時すぎに着く。駅前の蕎麦屋で遅めの昼ごはん、私は軍鶏そば、連れはわさびそば。注文するときに軍鶏をグンケイと読んで恥をかいた。わさびそばを食べさせてもらったが美味しかった。貧乏性なのでわさびは全部擦って、蕎麦湯にして2杯ぶんほど飲んだ。お昼を食べても時間がやや余ったので、急遽修善寺温泉街にGoすることに。バスを調べて飛び乗ったが、着いた先のバス停で帰りのバスの時刻を調べるとなんと20分後だった。修善寺と、独鈷の湯だけでも拝みたくて早歩き。しょっぱな迷って貴重な時間をロスしながらもなんとか修善寺の門をくぐる。くぐって、写真を数枚とって、すぐにUターン。独鈷の湯は茶色い濁流にのみこまれかけた小島だった。帰りのバスに乗り込むとなんと運転手さんがさっきと同じ人だった。行きのバスが折り返してきたのだ。さんざん修善寺温泉に止まるか聞いたり、降りるバス停を間違えかけたりしたので、こちらの顔は割れている。恥ずかしかった。とにかく駅に戻って、15分程のスキマ時間でお土産を物色。おばあちゃんへのお土産の茶を探すも、聞き慣れない”ぐり茶”なるものしかない。犬へのお土産もあった。そういう世の中なのね。
時間がきたので河津駅ゆきのバスに乗り、本日の宿がある湯ヶ島温泉へ。川沿いをひたすら南下するが、どんどんと谷が深くなっていって、そしてバス停ごとに別の温泉名が読み上げられて、すごい場所だと思っていたら連れに「youの地元に似ているne」と言われる。そういえば。なんとなく景色が似ている。宿に着く前にもうひと悶着。蕎麦屋で宿に電話を入れていて、最寄りのバス停まで迎えに来てくれるという話だったのが、バス停の名前を間違えて降りるべき「湯ケ島」を通過し、次の「湯ヶ島温泉口」で降りてしまった。湯ヶ島は大きなロータリー駅で、湯ヶ島温泉口は道端の小さなバス停。不安になって宿に電話すると、すでに出発したという。連絡を入れてくれるよう頼んで電話を切ってすぐに白いバンが近づいてきて停車した。宿の主人だった。我々が降りてこないのでもしやと思ってここまで来てくれたらしい。携帯は持っていなかったと。バンの中で平謝り。バンは急峻な坂道を下って谷底へ。googlemapでは平面に見えていたが、バス停から歩くと結構な運動だろう。ましてやこの雨。ようやく入り口について、写真でみた古めかしい玄関口に出迎えられる。検温とアルコール消毒などをこなし、投宿。
川端康成の占拠していた部屋は、四畳半の窓のない畳敷きで、今は彼の書や初版本が並べられていた。我々の部屋の名はやまざくらといって、若山牧水が好んでここを指定したらしい。とにかく建物の装飾が地味ながら豪奢で凝っていて、またキレイに使われている。欄間の木細工の模様は初版本の表紙に使われている。そして天井が高い。机も赤と黒の、なんと呼ぶのか渦巻き模様で彩られていて、しゃれていた。こんな居心地のいい部屋は初めてかもしれない。温泉まんじゅうとお茶をいただいて、少し休んだらすぐに風呂に向かった。まずは内風呂。湯船は三人くらいで入るのが丁度なサイズで、外の景色は見ることができなかった。これは、後で外風呂に回ったときにわかるのだが、中庭に突き出た建物の中に拵えてあるので、窓を透明にすると、庭とそれを囲む客室から中が丸見えになるからだ。幸い誰もいなかったので貸し切り状態だった。この時間帯の男湯からは中庭の様子が見える。実は外風呂へ行く道中に、男湯の湯船が見えてしまう瞬間があった。

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