かやのなか

あれやこれやと考える

ねじれた家

2020-09-16 01:00:59 | 映画
休日に「ねじれた家」という映画を観ました。アガサ・クリスティは、中高生の頃にハヤカワのあの真っ赤な背表紙の文庫本を相当数読んだ記憶があり、このタイトルも聞き覚えがありますが、ラストまで観て普通に真犯人に驚いてしまいました。というか、もう一冊の有名ミステリ小説(Y)のほうを思い出しましたが、クリスティもこういうの書いてたんですね。ねじれた家の方が出版年は新しいようです。
とはいえ作品のテイストは全然違います。クリスティは登場人物の人間模様に重きを置いているため、陽気な空気の中に闇がスッと差し込んでくるのに対し、Yの悲劇はサイコホラー小説のような、冷たい屋根裏部屋の湿気のようなものが通底して感じられます。
探偵役が、地味な上に探偵としての仕事もあまりしないために、映画としてはあまり締まりのない出来で、前半は眠気をこらえるのに苦労しました。
存在感においては大叔母役の女優が全部持ってった感じです。
小説がどうなっているかわかりませんが、屋敷の家族たちは狂人ではなく実はみんな普通の人々だった、死んだ老人の生前の支配力により彼らは変人を演じなければならなかっただけなのだ・・・みたいな構図を、構成ではっきり明らかにしていけたら、いろいろと面白かった気がします。

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