かやのなか

あれやこれやと考える

短編集の感想(前半)

2017-04-17 23:06:39 | 
集英社文庫の「短編工房」を読む。
前半の感想。

○かみさまの娘/桜木紫乃・・・母の葬式に幼馴染のイケメンがやってきて、昔君のことが好きだったとか言い出すなんてそんなうまい話あるわけが、、と読み進めていたらやっぱり。現実がじわじわと夢幻の住人に侵食されていく。現代版雨月物語みたいな話だった。
○ゆがんだ子供/道尾秀介・・・これはちょっとよくわからなかった。子供が提示してくるストーリーが浮きすぎてるんだけどそれが狙いのような気もする。
○ここが青山/奥田英朗・・・水戸黄門の脚本のような話だった。パラパラとしか読んでない。
○じごくゆきっ/桜庭一樹・・・桜庭一樹を読むのは初めて。なるほど目線が女性作家だった。主人公も最後にはいわゆる、一見はつまらん女として人生を送りながらこの話を語っているのがバランスだなと。
○太陽のシール/伊坂幸太郎・・・捻くれているのせ登場人物たちが出来すぎた嘘のように読めてしまうんだけど、心地よい加減の、ありうる範囲の嘘ではある。
○チヨ子/宮部みゆき・・・一番単純に楽しんで読めた。

全体的にバランス重視型だなぁという感想だけど、一般向けのオムニバス作品集となったら、あんまり尖ったものは入らないんだろう。

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