かやのなか

あれやこれやと考える

原監督がいつまでも巨人の監督でい続けたりワンピースがまだ連載を続けていたりするせいで我々はまだ年を自分がそれほど年をとっていないと錯覚するのだ

2020-09-11 02:32:11 | えっせい
だから原監督や尾田栄一郎氏は言わずもがな、EVANGELIONを完結させられない庵野秀明氏、いつまでもフィールドに立ち続けるキングカズ氏などの各位は現在三十代後半から四十代にかけての我々世代に対して謝罪して欲しいし、我々がまだ自分は若いと錯覚したために失ってきた数え切れない大人になるタイミングを漏れなく賠償するべきである。

ところで先日NHKの深夜に放映していたエヴァンゲリオンの新劇場版を観て、このくらいの時間にこの程度のマニアックで異様に凝っていて意味不明に難解げなアニメをゲリラ的に放映されていることに「世界のバランスが正常に作動しているぞ、ヨシ!」とまるで世界を闇で牛耳る悪の組織の幹部のような安心感を覚えたのでもっとやってほしい、いや、言ってる私も安心感の意味がわからないが、とにかくよくわからないが安心したのだ。ちなみにQで14年経過している設定が世間では非難轟々らしいが私は全然大肯定派で、だってエヴァの呪縛ってのも良いじゃないですか、まさしく1999年頃から精神年齢が止まってしまった我々のことでしょうか、いやしかしそれは庵野秀明氏お前のせいだろうと思うわけですが。

アカデミー作品賞の受賞条件が改定されたニュースには中々のショックを受け、それって結局自分が権威主義の権威厨だったというだけかもしれないが、幼い時分にいっときでも本気で憧れた最高峰の賞に、作品の質とは全く関係ない規定が盛り込まれるなんて、じゃあもう我々はこれから一体何を目指したらいいんですか、という今風に表現すると激渋いお気持ちになり、例えるなら、会ったことはないが遠い異国の地で暮らしている憧れの生き別れの父親に裏切られたような気分である。いやいや別にキィーっと噴き上がるような大した条件じゃないんで落ち着けや、という意見も散見されるが、私は自分がかつて逆差別による逆贔屓を受けた経験から、まずこういう社会的弱者救済ルールを作りたがる体で、弱者を己のステータス上昇に利用する連中の自己満足が大嫌いであるのと、作品の質の評価にそれと関係ない要素が一個でも入る矛盾に我慢がならんのとで、もう生理的にムリである。

いや、しかし、芦田愛菜も言っている、「あなたは裏切られたのではない、相手の新しい一面を知っただけよ」と。そう、私は裏切られたのではない。アカデミー賞の別の一面を知っただけだ。視点を変えてみて、そう考えてみることにより、怒りの気持ちは収まり、世界を一つ遠い視点から俯瞰し、かつすぐに怒りで噴き上がる凡夫たる己の身を顧みて反省し、小さな功徳をひとつ積むことができるではないか。功徳を積み上げたその先にはきっと、芦田愛菜の待つ涅槃への道が広がっている。それにしてもテレビ、CM、広告などで芦田愛菜氏を見かけない日がないのだが、実は彼女はもう政府によってAI化されているのではないかという疑惑を密かに抱いている。

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