かやのなか

あれやこれやと考える

漫画残酷物語

2022-01-30 23:15:10 | 日々のこと
映画キングスマンの1、2をU-NEXTで鑑賞。広告の雰囲気から自分の苦手なマーベル系かと思っていたが、超能力や超人は出てこなかった。でもほとんど魔法に近いスパイ道具がたくさん出てくるし、登場人物の身体能力は人間をやめている。あと、人が簡単に、バンバン死ぬ。いかにもレギュラーぽい、大物のキャラクターがあっさり中盤とか、なんなら序盤とかで死ぬので気が抜けない。ガンツや進撃の巨人みたいだ。人の死がお祭りになっている。
快活クラブに出向いて、弐瓶勉の人形の国を最終巻まで読んだ。もともと近所のTSUTAYAで1冊ずつ、新刊が出るたびに借りて読んでいたが、TSUTAYAが閉店してしまったので読めなくなった。快活クラブの本棚に9巻まで出ているのを見つけ、ああ、読まなきゃ読まなきゃ、どこまで読んだっけ・・・確か6巻くらいかな?と、いそいそと7〜9巻を抜き出しスペースに篭って読み出した。この作品を知っておられる方は既にご存知かと思うのでネタバレするが、9巻の途中で突然主人公の仲間が、いかにも死亡フラグとしか考えられないようなセリフを言い出した。ものすごく嫌な予感がしてページをめくったら、案の定あっさり体が溶けていた。(この漫画は、頭を潰されたら体が溶けて死ぬ。それ以外の部位の負傷なら、なんとかなる)ええ? ここで? と戸惑っているうちにもう一人の仲間が特攻をかけて、主人公に、敵もろとも自分を撃ち抜かせて死ぬ。まじで。まじなのか。そうなのか。何度も読み返すが、「実は生きていました〜」といって出てこれそうな伏線はどこにもない。そのくらいストレートに死んだ。そして次の1話で、名前のある登場人物の8割が死んだ。そして9巻のラスト1話の冒頭では、名前のない登場人物たちもほぼ全部死んだ。なんということでしょう。最後のページをめくると、完結していた。ツイッターで「人形の国」「打ち切り」で検索した結果、「打ち切りだ派」と「打ち切りじゃないよ派」が観測されたが、真相は謎のままである。
2,000年代か2,010年代ごろからか、いつ始まったかわからないが、モブキャラが必要以上に凄惨な死に方をしてゆく漫画が増えたのではなかろうか。調べたことはないが。しかし、もちろん私がりぼんで姫ちゃんのリボンやマーマレードボーイを読んでいた時代にもそういった漫画は存在していたんだろう。だから、単純に大人になって目にする機会が増えたのだろうか。
私が子供の頃に読んでいた漫画の中で圧倒的に残酷だったのは、手塚治虫、次が藤子不二雄だった。デフォルメされていた分、子供の持ち前の想像力が働いて、より恐ろしさを感じられた気がする。そういえば、子供の頃、家の二階になぜか一冊だけ、古い少年ジャンプが置いてあった。確か北斗の拳が連載されていて、その中のどの話なのか全く覚えていないのだが、敵キャラの顔が醜く膨れ上がって爆発するコマを読んで、ふるえあがった記憶がある。そして同時に、何度も何度もそのページを開けたり閉じたりしてチラチラみて、とんでもないものを見てしまったという背徳感にもふるえていた。そのふるえが「あかんやつ」だということだけは本能で察しており、わたしは誰にも言わなかった。

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