かやのなか

あれやこれやと考える

苦痛の2時間

2021-10-16 17:09:00 | 
ロロのEverybody feat.フランケンシュタインという舞台を観に池袋へ。割と楽しみにして来たのだが、なんというか驚くほど心が動かず、2時間のうちの1時間半程度が苦痛の時間だった。役者の皆様のお声は美しいし台詞はリリカルだし装置も凝ってるし回転する。なのにセリフが全然頭に入ってこない。なぜなのだ。照明が終始暗めだから老眼に辛かったのか、前の人の座高が高く舞台の真ん中がピンポイントで隠れていたからか(これはあると思う。舞台の前半分の中央付近で低い姿勢でやる演技が多かったから)、月曜からじんわり続く右こめかみ付近の引き攣るような微頭痛のせいか。
まぁ、体調のせいなのはわりとあると思うけど、感性がまったくこの感じを受け付けなくなってしまった可能性もある。登場人物たちが常にウフフアハハと笑う芝居をしてるのが躁病にしか思えなかったが、本気でやってるのか、こんな上っ面なコミュニケーションしかとれないくらいこの子達は病んでますよという意味でやってるのか、話の雰囲気的には後者なのかな。構造が明らかになる終盤30分くらいはやっと集中してみられたけど、この、前半に情報をひた隠しにして最後に謎を明らかにする手法、演劇では多くて昔は素直におお!そうだったのか!と感動していたんだけど、そろそろ食傷気味になってしまった。なんならズルくないかとすら思ってしまう。お前は芝居に何を求めてるんだと言われそう。わたしにもわからん。十年二十年前なら感動していたかもしれない。が、今回は何か自意識が辛かった。自分が死ぬこと、相手が死ぬこと、描かれていたのは実際は肉体の死ではなく自意識の死に感じられて、いやそんなんいちいち大袈裟に騒がんでも日々みんな死んだり生き返ったりしとるわと思えて、舞台の上でみんなが問題にしている事に興味が持てなかった。それが敗因です。