新刊を買ったまま、長年積ン読状態だった、長部日出雄『天皇はどこ
から来たか』を読んだ。
おもしろい。古代史を中心とした、「歴史空想紀行」(著者)である。
三内丸山遺跡-諏訪大社-出雲大社ー津田左右吉-伊勢神宮-
霧島神宮-神武東征-卑弥呼-天照大神-日本経-象徴天皇
と著者の発想力は尽きない。
戦時中弾圧された津田左右吉が岩波の雑誌『世界』(昭和21年4月
号)「建國の事情と萬世一系の思想」という論文で、読者(--どちら
かと言えば左翼[別の表現で言えば、「天皇制」を認めない人々])の
期待を裏切った話はまことに興味深かった。
その論文はまた、『世界』の編集者もおおいに戸惑わせたものだっ
たようだ。
長部日出雄『天皇はどこから来たか』(新潮文庫)★×5。
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