人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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日中戦争はいかにエスカレートしたか ウクライナ情勢

2022-03-05 05:00:00 | 近現代史

今から85年前、昭和12(1937)年7月、盧溝橋事件は日中戦争
(当時の日本側の用語では、北支事変~支那事変)に発展した。

当時の首相は、大変人気のあった近衛文麿だった(第一次近衛文
麿内閣、45歳で組閣)。
*彼は若かりし頃(1918年)、「英米本位の平和主義を排す」という論文を書
 いていた。



<1930年代の中国>
1931/9 満州事変
1932/1 上海事変
1932/3 満洲国建国(執政溥儀)
1933/5 日本軍(中国)華北に侵入→塘沽(タンクー)停戦協定
1933/9 上海で反戦・反ファシスト大会開催
1934/5 抗日救国六大綱領発表
1935/11 冀東防共自治委員会成立
1936後半 中国各地で日本人や親日中国人が襲われる。

1936/12 西安事件
1936/11 綏遠事件


1937年
7月
7/7 盧溝橋事件が偶発的に発生

7/11 (盧溝橋事件の)現地停戦協定

7/11 日本政府、事件が中国側の計画的な武力抗日であると非難
 し、「北支事変」と命名

7/17 蒋介石、廬山談話会における「最後の関頭」演説

7/19 中国は、国家主権に反する現地停戦協定は認めないと言明

7/20 再び現地で衝突

7/25 廊坊事件→こちら
7/26 広安門事件→こちら

7/27 日本(近衛内閣)は3個師団の派兵を決定

7/29 通州事件→こちら

8月 
8/9日 上海大山事件~第二次上海事変へエスカレート(日中戦争へ)
 *大山勇夫は海軍中尉。ほか1名が中国保安隊に殺される。

8/12 南京の英米仏伊大使は日中両軍の原状復帰を軸に調停に乗
 り出す

8/13 上海で本格的戦闘開始(日本海軍陸戦隊×中国軍)

8/14 中国(国民政府)は「自衛抗戦声明」を発表
 日本側はこれを事実上の宣戦布告と受け止める

8/15 松井石根大将を司令官とする上海派遣軍が編成され、第3、
 第11両師団を上海に急派
 日本政府声明「支那軍に暴戻を膺懲し、以て南京政府の反省を
 促す」

8/17 近衛内閣の閣議は、従来の不拡大方針を放棄

8/29 南京駐在の米英など5カ国の外交団が、日本軍による南京
 無差別爆撃に抗議し、即時停止を要求

9月
9/2 「北支事変」を「支那事変」と改称

9/23 第3、第11師団が強行上陸

9/28 国際連盟、日本空軍の都市爆撃非難。

9/31 松井司令官は中国側が最強部隊を投入していることを報告、
 派遣軍を最小限5個師団に増強することを要請

10月
10/5,6 国際連盟総会以下を決議
  ・中国に対する日本の軍事行動は紛争の原因となった事件と
   は比較にならぬ大規模なものと認めざるを得ない。
  ・連盟の採るべき措置として、連盟国たる九カ国条約署名国
   の会議をなるべく早く招集することを勧告

10/5 ルーズベルト米大統領、シカゴにて伝染病が流行する時は
  病人を隔離しなければならないと演説。


トラウトマン和平工作(~1938年1月)→こちら

11月
11/3~ 九カ国条約会議(於ブリュッセル)

11/5 日本軍の第十軍は杭州湾に奇襲上陸

11/13 蒋介石は遷都して長期抗戦を決意→11/20 正式に重慶遷
 都を発表

11/15 第十軍は「独断追撃」の敢行を決定し、南京進撃を開始

12月
12/1 日本の大本営は南京攻略を下命。上海派遣軍と第十軍は競
 うように南京に向かって進撃を開始
 
12/7 蒋介石、南京を離陸

12/9 松井司令官は中国軍に南京城を引き渡すよう勧告、中国の
 唐司令官は拒否。

12/10 松井司令官、南京総攻撃を命令

12/13 中国軍の組織的抵抗は終了。日本軍は南京占領
「南京事件」発生(外務省「歴史問題Q&A」問6参照→こちら

12/14 東京では40万人の提灯行列

1938年
1月
1/16 近衛首相声明「爾後国民政府を対手とせず」
 和平交渉打ち切り



戦争は、軍と軍の戦いでは済まない。
ザポリージャ原発までがロシアから攻撃、占拠されている。

一刻も早くウクライナに「真の平和」(傀儡政権などではなく。)
が戻ることを祈って止まない。


最後はプーチンの敗北となるだろうが・・・・・・。


<参考書>

臼井勝美『新版日中戦争』(中公新書2000)
波多野・戸部・松元・庄司・川島『決定版日中戦争』(新潮新書2018)
北岡伸一『政党から軍部へ』(中公文庫2013)昭和戦前史の決定版


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