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人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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慶應ワグネル男声合唱団第145回定期演奏会

2020-12-23 05:00:00 | 音楽

いささか旧聞。12月13日(日)、慶應義塾ワグネル・ソサィエティ
ー男声合唱団(--いきなり余談だが、この名前を正確に書ける
人は少ない。「慶応大学」ではなく、「慶應義塾」。「ィ」は二
つで「-」が必要。本記事のタイトルでは慶應ワグネル男声合唱
団と略す。)が145回目の定期演奏会を迎えた。

私がワグネルに入団し、迎えた最初の定期演奏会(東京・名古屋・
大阪)が「第95回」だった。あれから50年になる。歳を重ねて幾
星霜?

今年は新型コロナウイルス感染拡大のため、前年から計画してい
た六連、四連、神奈川フィルへの客演なども中止となった。

過去何十年も続いて来た「当たり前の」練習が中断し、一時は、
練習場を確保して再開すること自体も危ぶまれたのではないか
しらん。

前例のない中、定期演奏会開催にこぎつけた第145代の「執行部」
諸君の努力にはあらためて大きな敬意を表したい。
*「ご来場の皆様」には、あらかじめ責任者名で16項目のお願い(--よくで
きていた。)が出ていた。


男声合唱を聴くのは今年初めてだ。


<プログラム>
慶應義塾塾歌
1.『トスティ歌曲集』
 編曲:北村協一、指揮:佐藤正浩、ピアノ:前田勝則
2.男声合唱組曲『わがふるき日のうた』
 作詩:三好達治、作曲:多田武彦、指揮:菊地 敬
--休憩--
3.男声合唱とピアノのための『5つのジュエル』(組曲初演)
 作詩:寺山修司、作曲:土田豊貴
 指揮:菊地 敬、ピアノ:和田太郎
4.男声合唱組曲『青いメッセージ』
 作詩:草野心平、作曲:髙嶋みどり
 指揮:佐藤正浩、ピアノ:前田勝則


以下、いつもながらまことにつたないコメントを少々・・・・・・

(参考)プログラム掲載のメンバー数は次のとおり。

  Top Sec. Bari. Bass
4年 3 7 3 4 17
3年 3 3 2 3 11
2年 2 5 5 4 16
1年 4 1 3 3 11
12 16 13 14 55


緞帳が上がる前に下手から佐藤先生が登場。例年にはない「挨拶」
があった。
--皆さん、こんばんは。ようこそお運びいただき、本当に有難
うございます。今年は大変な年になりましたが、今年のワグネル
の「音」を残すべく、定期演奏会を開催することになりました。
決して十分な練習ではありませんが、我々のメッセージ--「希
望」や「勇気」を聴いていただければと思います。
(これだけでジ~ン[笑])。


( )内は概算(=ざっとした)オンステ人数。

慶應義塾塾歌(52人)
TopからBassまで、重厚な男声合唱らしいワグネルの「音」にジ
~ンとなった。Topの最高音もすばらしく、伸び伸びとした声。

1.『トスティ歌曲集』(50人)
1年生(上級生も)は実質的に9月からの練習と聞いて心配してい
たが、見事に合唱としての「声」を作ってきた。

ゾリも含め、決して例年に劣ることはない印象。デュナーミクの
大きな合唱で、ここでもTopの最高音も見事だ。
終曲の「Addio」は、ロマン的なdim. et rit.や後半の高揚に惹きつ
けられた。


2.男声合唱組曲『わがふるき日のうた』(40人強)
男声合唱団のレパートリーとして定着している曲といっていいの
かしらん(--私も数年前に歌ったことがある)。
菊地さんは1曲目から構成感のある大きな指揮。音楽がウッとな
らずに流れ、ス~と入ってくる。
2曲目は、attaccaからフォルテだが、ボワ~ンと響き過ぎないホ
ールに活舌よろしく、アンサンブルが崩れない。

4曲目も、若い筋肉のせいか活舌よろしく、うらやましい。
6曲目「鐘鳴りぬ」は大きな集中力を発揮、ここでもオヤッとい
うところがなく、歌いきる。ここでステージがにじんだ。
終曲は、ソロもリリックに、まさしくしみじみと終わった。


3.男声合唱とピアノのための『5つのジュエル』(40人弱)
47歳で早世した寺山修司の詩ですべて「宝石」を題材にした作品。
作曲は桐朋学園大学音楽学部出身、30代後半の土田さんだ。
当初は宮本益光先生の指揮で六連目指して練習していたものだと
いう。

厚みのある男声合唱のよさを生かした演奏で、撥音の処理などよ
ろしく、「言葉」が生きていた。2曲目と4曲目はア・カペラだが、
ハーモニーが濁らない(--それにしても、最近は、個々の音楽
水準が高い?)。
終曲の最後は長いフェルマータで終わる。
演奏後に招待席の作曲者が紹介され、大きな拍手が続いた。


4.男声合唱組曲『青いメッセージ』(50人弱)
作詩の草野心平を見ると、明治36(1903)年生まれ。木下保先生
とまったく同世代だ。その活躍時期は戦前から戦後にまたがる。
詩を読むと、結構、「先進的」な人だったのかもしれない。

甘さのかけらもない、虚無的(ニヒル)や逆説的な詩と合唱(語
気鋭い「言葉」)がグサリグサリと突き刺さる。デュナーミクで
芯となる「太さ」を崩さない演奏だった。

ちなみにオンラインで視聴した妹は、趣味としては『青いメッセージ』が「最高
~」だったという。


カーテンコールでは佐藤先生から
--今年は、団員にとって本当に苦しい年でした。しかし、感染
者を一人も出さず、迎えることができました(拍手)。
アンコールはスピリチャルから”Soon-Ah will be done"--苦難は
すぐに終わる」
菊地さんのアンコールもア・カペラの英語曲。リズムに合わせて、
曲が揺れていた。

恒例のストームは、定番
1.若き血
2.我ぞ覇者(古関裕而作曲!)
3.丘の上
フィジカルディスタンスの「丘の上」--4年生がここぞとばか
りの立派な声を出していた。

今年は例年にも増して、「ジ~ン」のたくさんある定演であった。
定期演奏会のタスキを見事に繋げてくれた。


しばらく前、下田先輩が「今度、福島高校の後輩が入ってきた」
と言っておられたが、その菊地さんももう卒業だ。--光陰矢の
如し。


コロナ禍の演奏会。
誰とも口をきかず、足早に家路についた。






17:08 あざみ野


17:40 三軒茶屋


17:46 守衛さん、寒い中お疲れ様です。


17:46


17:48 入口で検温と消毒。


17:48


18:58


18:58


18:58


19:01 消毒液がたくさん置いてある。見つけるとすぐに。


19:01


20:10 肩を組まない「丘の上」


20:14 「分散退場」待機中


20:16


20:21


20:50 鷺沼で急行に


20:54 あざみ野着

帰宅後、遅くまで翌日のブログ作り。


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