人生ブンダバー

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第18回OB四連CD スカラ座(La Scala) 昭和天皇 堀文子etc.

2011-09-26 05:00:00 | 音楽

9月23日(金・祝) 今年8月7日(日)のOB四連は大阪開催だったので、残念な
がら本番を聴くことができなかった。そのライヴCDをワグネルHさん(先日のHさ
んとは別人)から拝借した。

ライヴといっても録音に入りきらないものはたくさんある。(「レコード、CDは缶詰
ですよ」といっておられたのは宇宿允人さんだ。大自然を写真で見るようなもの
かしらん。こうしたものはどうしてもやや大味な録音、かな。)ということを大前提
として、このライヴCDを聴いた。


8月7日(日) 東西四大学OB合唱連盟演奏会 ザ・シンフォニーホール
エール交歓
1.稲門グリー 「四つの仕事唄」(指揮;佐藤 拓、和太鼓;原田祥吾)
2.新月会 黒人霊歌(指揮;広瀬康夫)
3.ワグネルOB 「尾崎喜八の詩から」(指揮;仲光 甫)
4.クローバークラブ 「水のいのち」(指揮;山下裕司、ピアノ木下亜子)
5.合同 「岬の墓」(指揮;当間修一、ピアノ;木下亜子)


私なりの感想 あくまでCDを聴いた印象だが  ( )内はプログラム記載メンバー
1.稲門グリー 「四つの仕事唄」(指揮;佐藤 拓、和太鼓;原田祥吾)(57人)
 「四つの仕事唄」を作曲した小山清茂さんは大正3(1914)年生まれ、一昨年の
平成21年に95歳で亡くなっている。指揮者の佐藤さんは現役時代いわゆる学生
指揮者を務めた方で平成15年卒というから30代前半だろう。

稲門グリーにまことに合った選曲だ。出だしの民謡調ソロ(民謡歌手?)からひき
つけられた。和太鼓も入って楽しそう。「仕事唄」らしいビビッドで、味のある演奏
だった。


2.新月会 黒人霊歌(指揮;広瀬康夫)(69人)
関学のレパートリーはミッションスクールとしてのミサ曲、多田武彦の男声合唱作
品などがあるが、忘れてならないレパートリーの一つに黒人霊歌がある。黒人霊
歌の男声合唱版はいろいろな編曲があるようだが、今回はM. Bartholomewと
F. Heathによる編曲で演奏した。

さすが新月会、英語の発音がうまく、とくに速い曲は、一人ひとりが完璧になるま
で練習するのではないかしらん、一体となったリズム感がすばらしかった。(--
いつも同じ感想になっちゃう。)会場にいればppの伸びを味わえたことだろう。


3.ワグネルOB 「尾崎喜八の詩から」(指揮;仲光 甫)(94人)
明治生まれの詩人尾崎喜八は東京出身だが、「信州の詩人」といっても過言では
ないだろう。信州の自然を歌い上げた。この多田作品は昭和50(1975)年の関
学リサイタルで初演された。(初演を聴いたかな・・・・・・。)
指揮の仲光さんは平成15(2003)年度の学生指揮者。彼は新入生の時から「優
秀」というウワサを聞いていた。今やjammmin'Zebのメンバーとして有名だ。

1曲目「冬野」から厳しい、しっかりした演奏。もしやと、すぐにHさんに電話したら、
はたして暗譜による演奏だった。小二田さんのリリックなソロもなかなかよかった。
この秋のOB合唱団定期演奏会で演奏されないとは残念だ。


4.クローバークラブ 「水のいのち」(指揮;山下裕司、ピアノ木下亜子)(108人)
指揮の山下さんは昭和51(1976)年度の学生指揮者で、第4回世界大学合唱祭
の参加メンバーだという。私の少し下の年代かな。

録音で聴くかぎりでは、恣意的なことをしない、いい意味でオーソドックスな演奏。
同志社らしい、いい声を出し、ピアノもうまかった。


5.合同 「岬の墓」(当間修一、ピアノ;木下亜子)
当間さん(私とほぼ同年代。)といえば大阪ハインリッヒ・シュッツ合唱団で有名だ。
おそらく300人以上の大合唱。300人ともなると選曲が難しいかもしれないが、團
伊玖磨らしい骨太の、感動的な演奏だった。

どのステージも甲乙付けがたい、生で聴いてみたかったと思わせる演奏だった。
現役の少人数化とは逆に各校のOB合唱団は全盛期を迎えているといえるかもし
れない。






スカラ座
プレミアムシアター(VTR)をまとめて観た。
1.「熱狂 ミラノ! オペラの殿堂 スカラ座の秘密」
 バレンボイム指揮 楽劇「ワルキューレ」 
 スカラ座2010年12月7日(聖アンブロジウスの日)
練習風景では「そんなんじゃないっ」という、歌手とオケに対するバレンボイムの
指導が厳しい。ワーグナーを聴きながら、ワグネルの木下先生、畑中先生の練
習の厳しさを思い出した。
「スカラ座にはイタリア物では?」--「ノー、絶対に違う!」(バレンボイム)

2.ヴェルディ「椿姫」 スカラ座2007年7月
ロリン・マゼール指揮
ヴィオレッタ;アンジェラ・ゲオルギウ
アルフレード;ラモン・ヴァルガス
ジェルモン;ロベルト・フロンターリ
ゲオルギウ(Sop.)のヴィオレッタとフロンターリのジェルモン(Bari.)がすばら
しかった。マゼールも力の入った指揮。スカラ座自体とその観客もすばらしかっ
た。



        *        *        *        *

昭和天皇
今年は昭和天皇ご生誕110年だ。このところ昭和天皇に関する本を読んだ。


升味準之輔『昭和天皇とその時代』(山川出版社)平成10年5月刊
大正15年生まれの著者の同時代史 
『現代日本の政党と政治』(岩波新書)の著者でもある


豊下楢彦『昭和天皇・マッカーサー会見』(岩波現代文庫)平成20年7月刊
昭和天皇とマッカーサーの11回の会談内容に迫った本
こうだったのではないかとの仮説と検証を行うだけでなく、推測した会談内容を
<批判的に>記述している
事実と慎重な推測のレベルにとどめれば、もっとよかった、カモ・・・・・・

(注)著者豊下さんは本書の「はじめに」(約5,000字)にこう書いておられる。
  こうした差し迫る脅威に直面した昭和天皇にあっては、非武装を規定した憲
  法九条によっても、機能を失った国際連合によっても日本を守ることは不可
  能である以上、天皇制の防衛は米軍という「外国軍」に依拠する以外にない、
  という結論に至ったことはきわめて自然の成り行きであった。かくして、米軍
  駐留に基づいた安全保障体制の構築は、いかなる政治勢力や政治家にとっ
  てよりも、昭和天皇にとって文字通り至上の課題となった。ここに、「象徴天
  皇」となって以降も、なりふり構わぬ「天皇外交」を展開した決定的な背景を
  見出すことができるのである。つまりは、安保体制こそ戦後日本の新たな「国
  体」となったのである。

以前にも書いたが、歴史とはつまるところ「何が事実なのか」、「何を事実として
取り上げるか」と「それをどう見るか」ということである。

著者が、昭和天皇とマッカーサーの会見内容に迫ろうとした努力は多とするもの
の、上記のような「物の見方」、問題提起の仕方には(私は)賛成できない。

当時は、「天皇制防衛」以前に、ソ連共産主義から日本をいかに守るかというこ
とが重要なことだった。

スターリンは、我が国の北方領土を占拠するだけではなく、北海道(の分割統治
--東ドイツのような)を要求していたし、こうした流れは少なくとも朝鮮戦争ま
で続いていたのである。
分かりやすくいうと、そういう「時代」だったのである。

        *        *        *        *

9月19日(火・祝) 真夏日。まさしく真夏だ。日頃、中央線の沿線はなじみがない
が、何年ぶりかしらん、立川へ行った。大きく変貌しているのに驚く。



立川駅改札口



南口 正面はモノレール



立川駅北口  昭和記念公園へ



昭和記念公園 コスモスまつり開催中
(台風15号でコスモスにもかなり被害が出たようだ)





都道153号線


公園より立川駅方面を眺める


公園入口方面  あまりの暑さに入園を断念、引き返す


昭和天皇記念館





昭和天皇記念館入口


昭和天皇ゆかりの品、映像が展示・放映されている



        *        *        *        *


画家・堀文子
9月19日(月・祝) 午後8時15分、NHK TVのドキュメンタリー「画家・堀文子 
93歳の決意」を観る。堀さんは、私の亡父と同じ大正7年生まれ。「群れない 
慣れない 頼らない」生き方に感動する。「この歳になると知らないことがどんど
ん増えてくる」など堀さんの一言一言に感動した。

9月20日(火) 9~19日の11日間続いた真夏日。この日、がくんと涼しくなった。
昨年の「がくん」は9月23日だった。


台風15号
9月21日(水) 午後2時ごろ大型台風15号が浜松に上陸。5時過ぎまで仕事を
していたら、東急、小田急など電車が止まってしまった。渋谷、新宿などは大混
乱。3.11の再現だ。開き直って、会社で待機する。

8時も過ぎ、空腹に我慢できず、会社の近所でチャーハンを食べる。1軒目は満
員で入れなかった。9時過ぎになっても地下鉄千代田線はストップしたままだ。帰
路、淡路町まで歩き大手町に出たら、運よく半蔵門線~田園都市線「中央林間
行」が来た。渋谷のプラットホームは超満員。ほとんどの人が乗車できなかった。


細谷千博さん
9月23日(金・祝) 新聞に国際政治学者細谷千博さんの訃報が載っていた。21
日に老衰のため91歳で死去。細谷さんは大正9(1920)年生まれ。日本国際政
治学会のメンバーとして活躍。日本国際政治学会の一大プロジェクト『太平洋戦
争への道』(朝日新聞社)にも参加した。'60年代の研究成果だろう。



日本国際政治学会編『太平洋戦争への道 開戦外交史 1満州事変前夜』
(朝日新聞社)昭和38(1963)年2月


「究極の選択」
午後10時、NHK TV「M.サンデル 究極の選択」を観る。日本、米国、中国の
「若き頭脳」(大学生~大学院生レベル10人ずつ)にサンデルが質問を突きつ
ける。サンデルは答えをいわない。

①「ビン・ラディン殺害に正義はあるか?」

②「4人の(米国)兵士は(アフガニスタンの)やぎ飼いを殺すべきか?」

③「(あなたは)自爆テロ目的の旅客機を撃墜できるか?」など。

①に「正義はある」と答えるものが多いなど中国人がリアリストであるのに(私
は)あらためて驚いた。聴いているうちに私の頭の中も整理されていく。大変お
もしろかった。



奥穂高岳
家内が奥穂高岳に登頂した。天気に恵まれた。


ザイテングラードのモルゲンロート 2011/9/18  5:29撮影



奥穂高岳 3190m  富士山、北岳に次ぐ高さ
写真中央の岩場を登っている人びと   2011/9/18 8:47撮影

上の写真を拡大すると



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2 コメント

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OB四連 (和地村 藤村)
2011-09-26 17:00:58
OB合唱団全盛でしょうか・・・、では現役はとなると、やはり我々の30年前よりは感性も変わってきているように思います。その中で「水のいのち」だけは不朽の名作として歌い継がれているようですが。
多田武彦も最近なにわコラリアーズが最近取り上げ注目を集めています。CDも発売されています。伊東恵司さんが指揮すると魔法に掛かったようにハモリます。

尾崎喜八の詩よりは難曲でなかなか歌う合唱団は少ないようです。見事暗譜で歌い上げました。平均年齢65歳?にしては驚異的です。

リハーサルでは新月会を聴きましたが、実にリズム感があり、英語が上手い。北村先生の伝統を受け続いているのでしょうね。

稲門のソリストも素晴らしい声でした。昔の木下先生のようなソロをされた方はどなたでしょうね。

地元の合唱団の方にCDを聴いてもらったらワグネルが一番いい声でした、との感想、おせじ半分かもしれませんが、嬉しかったです。

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Re;OB四連 (katsura1125)
2011-09-26 19:41:08
和地村さん、コメント有難うございます。
本番にオンステされたんでしたっけ?お疲れさまでした!
ppのすばらしさは録音に入らないですね~。
返信する

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