カタスミ

『魔術はささやく』宮部みゆき著

不可解な死を遂げた3人の若い女性。
みんな何かに追われるように走り、
一人はビルから落下、
一人は電車に飛び込み、
一人はタクシーにはねられた。
みな自殺や事故として処理され、
業務上過失致死罪で逮捕された
タクシー運転手の甥が事件の真相に迫る。
以下ネタバレあり。
















ん~、まぁまぁかなぁ…
面白く読めましたが、なんかまとまりがないというか
とりとめがないというか…
3人の女性の死、というのがメインですが、
主人公守の父親が公金横領して失踪した話、
守のバイト先で不可解な事件がサブリミナル効果で起こる話、
守の学校のいじめ話…などなどの話も絡んできて
とっちらかっちゃった印象。

サブリミナル効果が話題として出てくる辺り
ちょっと古さを感じました。
実際古い話なんですけどw
平成元年の作品らしく
この辺の出来事調べてたら
サブリミナル効果問題のあった
オウム真理教事件がどんぴしゃだったので
時代的には最新の話題って感じだったのかもしれない。

結局3人の女性は全員催眠術師によって催眠術かけられてたという事でした。
そしてもう一人のターゲットの女性も見事に催眠術にかかっていたと。
いや、都合良すぎるのでは??
更に守の父親は公金横領して失踪したのではなく
公金横領した後にひき逃げで殺されていて(公金横領はしとるのかい)
その犯人が死体を隠し、その罪悪感から
守達母子を影から見守っていた…と。
そしてその犯人もなぜか催眠術師の催眠術にかかって意のままに操られていた!
そんなあほな!
その催眠術師最強やないですか!
なんでもありやないですか!

まぁ、実際催眠術で犯罪って調べてみたら結構あったのですが。
これで罪の意識を認識させられるなら
テレビ画面で『罪人のあなたは今すぐ自首したくなる~!』
みたいなの流したら未解決事件とか解決するかもよ?
とか思ったりしました。

そもそもなんで催眠術師は守を巻き込んだのかよく分からないんだけどw
分かり合えるとか言って
自分の父親ひき殺した犯人を殺すように守を誘惑するし
何がしたいのだろうか。
そして、女性を守る、犯人逮捕みたいな単純構造にならず
女性を守る、憎き父の敵~!という流れのせいで
ちょっと心が付いていかない…^^;
展開がコロコロするからすごい地に足が付かない感じがする…

話は飽きなく読めたんですが
そういう感じでなんだか全部のエピソードが宙ぶらりんな感じで
しっくりこないまま終わってしまった…
感情を理解する前に終わったので、話に入り込めなかったなぁ…
星は3つです。
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