あるタカムラーの墓碑銘

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「お前が女の子だったら、可愛い服をいっぱい作ってあげられるのに」 (p92)

2007-04-09 23:19:16 | 李歐 再読日記
2007年4月3日(火)の 『李歐』 (講談社文庫) は、ナイトゲート のp59から守山工場 のp120まで読了。

今回のタイトルは、子供時代の咲子さんへ洋服を作っていたカズぼん母が、息子に吐いた台詞。そんなこと言われても、ねえ? それを聴いた子供カズぼんは、
       「ぼくも欲しい」 (p92)
と発言。子供だからそれがどういう意味か、どうせ分かってないでしょうけど(笑)


【主な登場人物】

守山耕三・・・姫里にある守山工場の経営者。一彰の因縁の男・その1。
田丸・・・大阪府警公安部の刑事。通称《田んぼのおまる》。下の名前、出てきてたっけ・・・? 一彰の因縁の男・その2。
吉田昭子・・・一彰の母。この人もある意味で、魔性の女。
守山咲子・・・守山耕三の娘。


【今回の音楽】

グノーの『アベマリア』・・・カズぼん母が買ったオルゴールの曲。


【今回の書籍】

『プルターク英雄伝』 『ロードス島戦記』 『ファーブル昆虫記』・・・子供咲子さんが守山さんの妻と家を出て行く時に、カズぼんにあげた男の子向けの絵本。
プルタークはプルタルコスの英語読み。
また、蛇足を承知でそえますが、『ロードス島戦記』というのは、水野良さんの小説やゲームやアニメのことではありません(こちらの方が有名かもしれないので)。カズぼんが小学校に入る前後は、1960年代前半ですから、まったく年代が合いません。推測ですが、塩野七生さんの『ロードス島攻防記』に近い内容だと思われます。地中海のロードス島をめぐってのオスマン=トルコと聖ヨハネ騎士団の攻防(←そのままやん)
『ファーブル昆虫記』は今さら説明するまでもありませんね。


【さくら桜】

★そして突然、守山は「ああ、見てみ」と言い、庭先の桜を仰いだ。一彰も、ああと声を上げた。昨日弾けそうに膨らんでいたつぼみのいくつかが開き、枝という枝が淡いピンク色のシミを散らしたようになっていた。 (p120)


【今回の名文・名台詞・名場面】

ありません。 ・・・ビックリします?

今回、再読している書籍は新しく買った文庫でしているのですが、最初に買った文庫でも、今回読了部分には、付箋紙が貼っていません。
私の視点では、ないんです。どうしても見つからないんです。
付箋紙を貼るのは、ちょっとでも気に入ったところや引っかかったところに、感覚的にパッパッパッと貼っていくものなので、目を皿のようにして探すというものではないんです。

・・・次回にご期待下さい。

『李歐』 の再読は、明日の10日(火)で終わりそうです。



4 コメント

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桜さくら (marimo)
2007-04-15 18:15:43
 お久しぶりです。あの暑い大阪地どりの日からもう八ヶ月、季節は秋冬春と移っていきました。地どりでは、お世話になりました。日常から離れて高村ワールドに浸ることができた一日、本当に楽しかったです。
忙しい毎日の中で、ふとあの日の暑さや訪れた場所の景色を思い出します。からなさんのプログは、ずっと楽しみに見ています。最近別プログへも時々おじゃまして、本を買う参考にしています。からなさんほど、読んではいないけど、私も西洋の歴史、ギリシャ神話、和歌には興味があり、少し!さて、桜も散ってしまいましたが、桜といえば李欧ですね。今日、桜の場面を、あちこち開けて拾い読みしました。
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桜色の季節 (からな)
2007-04-15 22:59:12
marimoさん、こんばんは。ご無沙汰しております。
地どりした日の暑さが思い出されますね。いつかは『わが手~』と『李歐』中心の地どりも企画したいと考えています。・・・あれほどのハードコースにはならないと思いますが(苦笑)

>別プログへも時々おじゃまして、本を買う参考にしています。

ありがとうございます! と感謝と同時に、あまり参考になっていないんじゃないかと、不安でもあります(苦笑)
欧米の作品を読む際には、ギリシア神話が分からないと、どうしてそんな表現がされているのか分からない部分がありますしね。(同様に「聖書」も)

>桜といえば李欧ですね。
>今日、桜の場面を、あちこち開けて拾い読みしました。

きっと同じことをしてらっしゃる方も、たくさんいらっしゃることでしょう。
本日は出かけていたのですが、今読んでいる書籍もたまたま「桜」に関するものでして、車窓から見える桜色を目にするのが、なかなかオツなものだなあ、と感じました。
今時分に咲く桜もありますから、まだまだ楽しめそうです。

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桜の歌 (marimo)
2007-04-16 20:29:31
むちゃ本プログで教えていただいて、最近「定家百首」を買いました。一昨年亡くなられた著者の塚本邦雄さんの家は図書館に行く道のそばにあり、何か親近感を覚えていました。塚本さんの短歌は難解だけど、この本は比較的わかりやすくて、言葉の力、言葉の命をひしひしと感じました。李欧と同じように、桜の歌を拾い読みしています。からなさんの、紹介がなければこの本に巡りあうことはなかったでしょう。ありがとうございます!
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藤原定家が好き。 (からな)
2007-04-16 23:55:54
marimoさん、こんばんは。

>最近「定家百首」を買いました。
>一昨年亡くなられた著者の塚本邦雄さんの家は図書館に行く道のそばにあり、
>何か親近感を覚えていました。

そうなんですか。これも何かの縁というものなのでしょうか。
恥を承知で述べますが、この方の業績は、『定家百首』を手に取るまでは、ほとんど存じませんでした。(本青史さんがご子息ということも)

『定家百首』を購読したのは、「藤原定家」という歌人に、昔から興味を抱いていたからです。
百人一首の「来ぬ人を~」の焦燥感や、『定家百首』にも取り上げられている「かきやりし~」の匂いたつ官能性に、惹かれます。

>桜の歌を拾い読みしています。

読了したのは半年前の引越し後なのに、記憶がない・・・(苦笑) 私も本棚から引っ張り出して、読んでみましょうか。
こちらこそありがとうございました!
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