あるタカムラーの墓碑銘

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南アルプスに熊はいない (単行本版p22)

2007-10-09 23:59:54 | マークスの山(単行本版改訂前) 再読日記
予告どおり本日9日から、単行本版(改訂前)『マークスの山』(早川書房) を読んでいます。
メインの物語の時期は、10月ですからね。秋に読むのがふさわしいと思うのですよ。願わくば、物語が終わる10月20日までには読了したい。じっくり、ゆっくりと、読む醍醐味を味わいたいのです。

実は・・・「改訂前」(確認出来ている範囲では、初版から28版まで。目安はp193~194の「お蘭には負けたぜ」の有無。詳細は、こちらをご覧下さい)をまともに読むのは、これが初めてだったりします。おほほほほ(笑ってごまかせ)

では「改訂後」はいつ読んだのかと記憶を遡ってみますと・・・。文庫版『マークスの山』 (講談社文庫)の発売が、2002年夏から秋にずれ込み、2002年も残り1か月になるかならないかの頃・・・「もう発売が待ちきれーん!」と、単行本版を再読した以来・・・になりますか? (読了直後に「2003年1月下旬に発売」の情報が出た)

ええええー! 約5年間も読んでへんのー!? うっそーん! (愕然)

その間、文庫版は3回は読んでいるのに・・・何という体たらく。どうりで本日読んだ部分が、初めて読んだように感じられたわけだわ(笑)


皆さんすっかりお忘れでしょうが、マークスの山(文庫版) 再読日記 を凍結状態にしているのは、「やっぱり単行本版を先に仕上げるべきよね~」と思い直したからです。
出来るなら「読むのは秋!」と決めていた理由は、冒頭にあるとおり。

ま、「読む」だけならいいんだ。問題は「再読日記の記事」なんだよなあ。いくつ溜め込んでいるんだね、私?(数えるのが怖い)

まあ、ぼちぼちやっていきますわ~。気長にお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

***

それではいつものように、単行本版『マークスの山』について、簡単に述べておきましょう。

言わずと知れた、第109回直木賞第12回日本冒険小説協会大賞をダブル受賞した作品。
恐らく日本の推理小説・ミステリ史上で、十指に入ることは間違いないと断言してもいい、刑事・合田雄一郎が初登場する作品でもあります。

後に映画化もされましたが、R指定というとんでもないものに。(だから深夜放送の時間帯でしか再放映しない)
ストーリーも変わってましたし。主演のあの人は、パンツ一丁で風呂場でスニーカーを洗ってましたし(苦笑) 七係の面々は、2人カットされてましたし。おまけに義兄は、いないことになってましたし。
怖いもの見たさの興味本位であれば、ぜひどうぞ。(本音を言えば、観ない方が幸せかも、です) ただ、山の映像には助かりました。こういう時、映像は強い。


それではいつものように、注意事項。
最低限のネタバレありとしますので、未読の方はご注意下さい。よっぽどの場合、 の印のある部分で隠し字にします。

***

2007年10月9日(火)の単行本版(改訂前)『マークスの山』 は、一  播種のp46まで読了。当然、合田さんはまだ出てきていません。明日には登場。

【主な登場人物】 は、やりません。悪しからずご了承下さい。


【今回の警察・刑事や、検察・検事に関する記述】
「本格警察小説の金字塔」と謳われているからには、取り上げてみてもいいでしょう。だからといって、私は「警察小説全般」には少しも明るくありませんので、自分の首を絞めることには、変わりないのですが。

★犯罪の被疑者は、お縄にした限りは少々頭がおかしくなろうが何だろうがまず送致だ。 (p17)

「刑事」なら誰もが考えること、なんでしょうね。


【今回の名文・名台詞・名場面】

★鉄格子のはまった磨りガラスの窓から、夜陰の明かりが射していた。闇が光るものだというのを知ったのは、週一回この部屋に通うようになってからだ。その輝く闇の中で、ベッドの寝具から首だけ出している一人の若者の目が恒星のように光った。 (p31)

「闇が光る」という表現が、どうやら私は気に入っているみたいです。




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