この前友達に
「お前の書く小説の主人公に魅力が全くないんだよ」
って
言われました
よーし
次回までの課題だ!
主人公にもうちょっと特色をつけるぞー!
というわけで 6話です
6
私は仕方なく、外に出て急いでる従業員さんから事情を聞くことにした。
だが、従業員さんも、この事態をすべて把握しているというわけではないらしい。ただ、一つ聞けた事と言えば。
宿泊客の一人から、連れが殺されたという連絡が入ったとの事だった。
それが本当なら大変だ、一般人である私達が心配した所で、何か状況が変わるとは思えないが。私が心配しているのは、逃げてしまった桝谷である。
あのまま部屋に留まっててくれれば、事情聴取で済んだ事なのに、もし誰かに見つかってしまえば、現場に近い場所から逃げたという事で、確実に警察に目を付けられるだろう。
まさか、こんな大きな事件が起きてるなんて思わなかった、桝谷のミスである。
なぜ桝谷が逃げたかというと、探偵というと聞こえが良くないらしく何かにつけて警察に絡まれてきたからだが、絡まれた原因のほとんどが、桝谷の落ち着きのなさだという事は自覚がないようだけど。
「早く戻ってこないかな、もし逃げ出したなんて知れたら、怪しまれるよ」
などと独り言を言っていると、部屋にノックする音が聞こえた。
私は、桝谷が帰ってきたのかと思っていた。それはそうだろう、荷物なども全てここに置いてあるのだし。
「すみません、桝谷さんのお連れ様はいらっしゃいますか?」
男の低い声が聞こえた。最初はふざけているのだと思ったが、正気に戻ればそんな事ではないと一瞬でわかる。
「警察官の大友です。少しお時間よろしいですか」
ドアの外に居たのは、長身の怖そうな男。第一印象としては、屈強な特殊部隊といった感じである。
「桝谷が・・・、どうかしましたか?」
「ええ、先ほどですね、駐車場で怪しい行動をしているのを見つけまして、注意したら逃げたんですよ」
逃げれば追いかけられる事ぐらい、馬鹿でも解るだろう。
しかし、あの男ならやりかけない、なぜならあの男は馬鹿ではなく、身のこなしからして猿だからである。
「言動が怪しいので、取り敢えず拘束させていただきました。身元を引き取って欲しいので、是非ご同行願います」
私の保護者役の男のハズなのだが、なぜ私に保護されないといけないのか分からない。
重い足を無理やり動かして、私は桝谷のいる場所へと向かった。
「お、なんだ。連れというのは女かぁ、全く・・・、こんな平日に不倫旅行かよ」
私が到着すると同時に、毒を吐く男が居た。先ほどの男に身長を取られたのではないかと思うほど小さい、そして小太りのダサいおっさんが目の前に居た。
「不倫じゃないです、仕事で一緒に来ただけです」
「ほぅ?じゃあ、恋人同士か。かぁ~、お盛んだねぇ」
どうやら仕事というのに、同じ部屋という所にひっかるらしい。
「わざわざ出向いたんです、私の上司を返していただけませんか?」
「残念ながら、そういうわけにはいかなくなったんだ」
「なんでですか!」
身柄を引き取って欲しいというから来たのだが、何故か話が違う方向に進んでいるらしい。
「この男の行動は怪しすぎる、だから重要参考人という事になった。詳しい話は署で聴こうじゃないか」
「な・・・、桝谷は昨日の夜からずっと同じ部屋でした!」
「ほう、だけどな。親しい関係にある者の証言はアテにならんからな」
同じ部屋に泊まったのが悪かった、私の意見など刑事が聞いてくれない。
「それに、アンタも共犯という可能性もある。犯人じゃないというなら、大人しく同行してもらおうか、ええっ?」
「そんな、決め付けじゃないですか」
「言葉を慎むといい、これ以上抵抗するというのなら、公務執行妨害でしょっぴいてもいいんだぞ?」
「職権乱用です!」
私の損な性格だ、相手の挑発にすぐに乗る。
「まあまあ、二人ともやめてください」
私と小人刑事の間に、例の長身の大友さんが割って入った。
小人の部下のようだが、上司の脅しなど丸っきり耳に入らないといった表情だ。どうやら小うるさい上司の扱い方が上手いみたいだ。
確かにこんだけ小うるさい上司が常に近くにいたら、仕事になりはしないだろう。
私もこの人を見習いたいと思った。
「まあまあ、これ以上騒ぐと、ストレスで頭の毛がもっと薄くなりますよ」
「な・・なんだとぉ!?」
明らかに悔しがる小人だが、それ以上は言い返さなかった。
「それにお嬢さん、例え頭に来ても無意味な反論はしてはいけませんよ」
「・・・すみません」
「貴方達が犯人とは思えませんが。残念ながら我々は、可能性があるのを見逃す訳にはいかないんです」
大友さんの紳士的な対応に、私は声が出なかった。
「ふん、最初からそうやって素直にしておけば、余計な争いなどならんかったんだ」
「平賀さん、憎まれ口叩くのやめましょうよ。あんまりしゃべると、口が臭いのがバレますよ」
「うるさい! コイツ等が全部いけないんだ!」
雑魚らしい捨てセリフを吐き、私達の事を連れて行こうと近寄ったときである。あの馬鹿な男が突如、とんでもない事を言い始めた。
「ふふ・・・」
「なんだ、何がおかしいんだ」
「いえね、解っちゃったんですよ」
「え、何がですか?」
私は咄嗟に聞き返す。
「角に刀に牛と書いて、解けたって言ってるんですよ」
答えになってない、恐らく時間を引き伸ばす悪あがきだろう。警察も呆れた表情で桝谷の肩に手をかけた。
「犯人が解ったんです」
「は・・・はあ?」
気の抜けたような声だった、平賀という刑事は呆気にとられたままである。
「ただ・・・証拠などが足りません。時間をいただけませんか?」
「時間ですか?」
大友さんが質問をする、その問いにゆっくりと頷いた。
「ええ、トリックは頭に浮かんでるんですが。まだまだ見て固めないとならない事があるんでね」
「おい、それは本当か?」
「もちろんですよ、私の職業をご存じない?」
「勿体つけず早く言え!」
そう言われ、ポケットに手を突っ込む。アメリカだったら銃殺されてもおかしくない行動だが、すぐさま名刺ケースを取り出した。
「私立探偵をやっています、桝谷秋人といいます」
「探偵だぁ~?」
自信満々の表情だが、この男が事件の真相を解ったとは考えづらい。そうなると完璧にハッタリだろう、逃げる気満々なのが手に取るように解った。
「ちょっと、いい加減なこと言わない方が・・・」
「まあまあ、俺はいつでも真面目だよ」
冷や汗が額に浮かんでいるのが解った。
「ほう、ならその犯人ってのは誰なんだ?」
当然一番に気になる部分を聞いてきた。
「そこです、罪もない人にあらぬ疑いをかける訳にもいかない。あと30分でいいので時間を頂きたい」
2人の刑事は頭をひねった。
「30分ですか、どうします?」
「ふん、良いだろう。その代わりその茶番に付き合ったら、きっちり来てもらうからな」
「では、オレは部屋で少し考え事をするので、30分経ったら来て欲しい。ではな!!」
そう言い、逃げるように部屋に向かった。
そういえば
こいつ等にも魅力がねーなー