さて
もう51話
はやいですねー
100話ぐらいには終わるんでしょうかねー?
俺達は菱元との戦闘の後、即座に連絡を入れた。
糸江が岡部のいるチームのリーダー格の盾村に電話を入れてみる、だが電源が切られているようで、全く繋がらない状況に不安がよぎった。
俺達が次の行動を模索している最中に、岡部から連絡が入ってきた。
『もしもし!?皆・・・、よかったぁ・・・』
感じからするとかなり焦ってるようだ、何があったのかを聞こうとする前に岡部は状況を説明し始めた。
自分が少し席を離れている間に3人は何者かに連れ去られたという、相手の数は数えてはいないらしいが、10人以上はいたようだ。
「とりあえず・・・俺達と合流だ、どこにいる?」
『今・・・尾行中なんだよね』
尾行中という言葉に一瞬ピンと来なかった、だが考えてみると尾行が得意なのは何も白川だけじゃない、岡部も向いているのだ。
変化の能力の長所は無機物にもなれる事、戦闘に長けてない分の部分を補って余る程の精密さが特徴である。
「やっぱり・・・・、俺達と合流したほうがいいんじゃないか?」
『大丈夫、やってみるよ!』
「お前ならやれると思うが、やっぱり何かあったときに1人じゃ危険すぎる!」
岡部の勇気は買いたかったが、それでもこの作戦は少し危険すぎる。
『わかった・・・、少しでも違和感を感じたらすぐ逃げるよ』
ぶっちゃけ岡部は、覚醒者のワリに足は早くはない。確かに一般人よりは多少早いが、それでも圧倒的ではない、追いつける一般人だっているはずである。
「・・・・よし、状況は把握した」
斗麻さんが俺達を集めた。
「相手は恐らく強敵だ、だが盾村と大神が簡単に捕まるなんて事はそうはない」
「ええ、私もそう思うわ。それにジェシカの力は私よりずっと上だし」と糸江は珍しく他人の実力を褒めた、それ程ジェシカの力は飛び抜けているのだろう。
という事は・・・。
「何か、トラブルを抱えている可能性があると?」
「岡部が連絡をくれたって事は・・・、岡部が人質になった可能性だけはないな」
だが人質というワードに引っかかった、ジェシカの話が本当なら、人質の数は多い。
これは俺が思ったよりも、ずっと厳しい戦いになるのかもしれない。
「よし・・・もう一度こちらの戦力の確認だ」
斗麻さんに一通り能力の説明をしていたが、相手の出方によって陣形を変える戦法で行くらしい。
俺達の能力を聞いた後、少し考えて白川、糸江を前衛の置いた。
強力な接近戦の相手なら俺や斗麻さんでは相手にならない、俺の能力は相手を飛ばす能力だが、着地できる力のある相手には意味がない、あくまで相手の陣形を狂わす程度だ。
糸江なら、西条さんとの戦いでもわかったがパワー負けはよほどの相手じゃない限りしない、それに技術で返されても即座にやられるという事もないだろう、それはこの前の俣滝さんとの戦いでわかった。
次に白川が前衛な理由だが、目視可能なら相手の飛び道具を同化して吸収可能だ、爆発物は流石に危険だが、銃弾やナイフ程度なら防げる。
その防いだ時間を使い、俺と斗麻さんの能力で相手を倒すつもりらしい。
「かなり大雑把に組んだが、自分と相性が悪いと思ったら即座に俺の後ろに下がれ」
恐らくこの指示は、自分なら多少なり苦手な相手でも対処できるという自信だろう。それほどのキャリアがあるのかもしれない。
「場所が出ました・・・・、最初にいた場所からちょっと移動してるようですね」
「ここから少し距離があるな」
敵の数がわからない今、糸江と白川だけで行かせるわけには行かない。多少は到着が遅くなるが全員一緒に行く為にタクシーを捜すことにした。普通こんな辺鄙な場所にはあまり居ないはずのタクシーだが、不自然にも1台ある。
俺達は助け舟だと思いそれに駆け込んでしまった。
「運転手さん!大至急車をだして!」
糸江が言うと、運転手だと思ってた人間が銃をつきつけながらこう言った。
「このタクシーは、地獄行きだぜ」
拳銃ぐらいでは確かに覚醒者相手に致命傷は難しいだろう、だが近距離で連発さえすればダメージにはなる。最悪の場合戦闘不能状態になることも考えられる、それに拳銃を向けた先が偶然なのか、故意なのか水口だった。
水口はこのメンツで唯一の非覚醒者である。
「私に銃を向けるのですか?」
「んぁ? まあな」
「なら私の勝ちですね」
その言葉で男の表情が曇る。どうやら水口の言葉に引っかかるものがあるようだ。
「解りませんか?先手を打っておきながら決め切れなかった、貴方の負けだと言ってるんですよ」
「そうか・・・・、死ぬ前にご忠告ありがとうよ」
「リフレクション・・・・それが能力です」
引き金を引こうとしていた指が止まる、能力という言葉に警戒心が出たらしい。少し余裕の表情があった相手が厳しい顔に変わった。
「なら引き金を引いた瞬間避ければいい」
「残念ですね、私の力はダメージを直接返す物です、そして貴方は条件を満たされています」
突如、何かが割れる音がした、それはタクシーについてる防弾のプラスチックである。それは犯罪などから運転手を護る為に設置されている物なのだが、何事もなかったかのように、穴が開いていた。
糸江の仕業である、水口が注意をそらしている一瞬の隙に攻撃をした。引き金を引かれるかもしれない状況だったが、水口の嘘に対して無意識に引き金から指をはずしてしまった。その一瞬で勝負が決まった。
「ぐぁ・・・うっ・・・」
男はフロントガラスを突き破り、外に飛ばされていた。その状態から見て確実に無事ではない、そんな男の近くに水口が駆け寄った。
「すみません、私は一般人でした、そんな能力があればいいなーって思いましてね」
そして爽やかな笑顔を振りまく、この男の実力は単純な戦闘ではなく、こういった交渉や嘘、そして相手の状態を読み取る能力なのかもしれない。
「ぐ・・ぐぞ・・・、ゆるさねえ・・ぞ」
フロントガラスは割れてしまったが、何はともあれ車は手に入れた。運転はもちろん斗麻さんがする。まるでハリウッド映画のように、きついタイヤ音を上げて車が走り出した。
次回予告
西崎「相変わらずお前は、人間離れしてるな」
糸江「当然でしょ?」
西崎「まあ・・・、それにしても今回は水口の功績でもあるな」
水口「そうですか? 西崎君に言われると励みになりますね」
西崎「お前ってあんなにハッタリをかましてくる奴だったなんてな」
水口「え? まあ、交渉は私の仕事ですからね」
糸江「そうよ、水口君はアンタなんかとは頭の出来が違うの」
西崎「へいへい・・・じゃあ次週の予告頼んだ」
水口「ジェシカさん達がピンチ!?」
糸江「ま、ジェシカなら楽勝だと思うけどね?」
もう51話
はやいですねー
100話ぐらいには終わるんでしょうかねー?
俺達は菱元との戦闘の後、即座に連絡を入れた。
糸江が岡部のいるチームのリーダー格の盾村に電話を入れてみる、だが電源が切られているようで、全く繋がらない状況に不安がよぎった。
俺達が次の行動を模索している最中に、岡部から連絡が入ってきた。
『もしもし!?皆・・・、よかったぁ・・・』
感じからするとかなり焦ってるようだ、何があったのかを聞こうとする前に岡部は状況を説明し始めた。
自分が少し席を離れている間に3人は何者かに連れ去られたという、相手の数は数えてはいないらしいが、10人以上はいたようだ。
「とりあえず・・・俺達と合流だ、どこにいる?」
『今・・・尾行中なんだよね』
尾行中という言葉に一瞬ピンと来なかった、だが考えてみると尾行が得意なのは何も白川だけじゃない、岡部も向いているのだ。
変化の能力の長所は無機物にもなれる事、戦闘に長けてない分の部分を補って余る程の精密さが特徴である。
「やっぱり・・・・、俺達と合流したほうがいいんじゃないか?」
『大丈夫、やってみるよ!』
「お前ならやれると思うが、やっぱり何かあったときに1人じゃ危険すぎる!」
岡部の勇気は買いたかったが、それでもこの作戦は少し危険すぎる。
『わかった・・・、少しでも違和感を感じたらすぐ逃げるよ』
ぶっちゃけ岡部は、覚醒者のワリに足は早くはない。確かに一般人よりは多少早いが、それでも圧倒的ではない、追いつける一般人だっているはずである。
「・・・・よし、状況は把握した」
斗麻さんが俺達を集めた。
「相手は恐らく強敵だ、だが盾村と大神が簡単に捕まるなんて事はそうはない」
「ええ、私もそう思うわ。それにジェシカの力は私よりずっと上だし」と糸江は珍しく他人の実力を褒めた、それ程ジェシカの力は飛び抜けているのだろう。
という事は・・・。
「何か、トラブルを抱えている可能性があると?」
「岡部が連絡をくれたって事は・・・、岡部が人質になった可能性だけはないな」
だが人質というワードに引っかかった、ジェシカの話が本当なら、人質の数は多い。
これは俺が思ったよりも、ずっと厳しい戦いになるのかもしれない。
「よし・・・もう一度こちらの戦力の確認だ」
斗麻さんに一通り能力の説明をしていたが、相手の出方によって陣形を変える戦法で行くらしい。
俺達の能力を聞いた後、少し考えて白川、糸江を前衛の置いた。
強力な接近戦の相手なら俺や斗麻さんでは相手にならない、俺の能力は相手を飛ばす能力だが、着地できる力のある相手には意味がない、あくまで相手の陣形を狂わす程度だ。
糸江なら、西条さんとの戦いでもわかったがパワー負けはよほどの相手じゃない限りしない、それに技術で返されても即座にやられるという事もないだろう、それはこの前の俣滝さんとの戦いでわかった。
次に白川が前衛な理由だが、目視可能なら相手の飛び道具を同化して吸収可能だ、爆発物は流石に危険だが、銃弾やナイフ程度なら防げる。
その防いだ時間を使い、俺と斗麻さんの能力で相手を倒すつもりらしい。
「かなり大雑把に組んだが、自分と相性が悪いと思ったら即座に俺の後ろに下がれ」
恐らくこの指示は、自分なら多少なり苦手な相手でも対処できるという自信だろう。それほどのキャリアがあるのかもしれない。
「場所が出ました・・・・、最初にいた場所からちょっと移動してるようですね」
「ここから少し距離があるな」
敵の数がわからない今、糸江と白川だけで行かせるわけには行かない。多少は到着が遅くなるが全員一緒に行く為にタクシーを捜すことにした。普通こんな辺鄙な場所にはあまり居ないはずのタクシーだが、不自然にも1台ある。
俺達は助け舟だと思いそれに駆け込んでしまった。
「運転手さん!大至急車をだして!」
糸江が言うと、運転手だと思ってた人間が銃をつきつけながらこう言った。
「このタクシーは、地獄行きだぜ」
拳銃ぐらいでは確かに覚醒者相手に致命傷は難しいだろう、だが近距離で連発さえすればダメージにはなる。最悪の場合戦闘不能状態になることも考えられる、それに拳銃を向けた先が偶然なのか、故意なのか水口だった。
水口はこのメンツで唯一の非覚醒者である。
「私に銃を向けるのですか?」
「んぁ? まあな」
「なら私の勝ちですね」
その言葉で男の表情が曇る。どうやら水口の言葉に引っかかるものがあるようだ。
「解りませんか?先手を打っておきながら決め切れなかった、貴方の負けだと言ってるんですよ」
「そうか・・・・、死ぬ前にご忠告ありがとうよ」
「リフレクション・・・・それが能力です」
引き金を引こうとしていた指が止まる、能力という言葉に警戒心が出たらしい。少し余裕の表情があった相手が厳しい顔に変わった。
「なら引き金を引いた瞬間避ければいい」
「残念ですね、私の力はダメージを直接返す物です、そして貴方は条件を満たされています」
突如、何かが割れる音がした、それはタクシーについてる防弾のプラスチックである。それは犯罪などから運転手を護る為に設置されている物なのだが、何事もなかったかのように、穴が開いていた。
糸江の仕業である、水口が注意をそらしている一瞬の隙に攻撃をした。引き金を引かれるかもしれない状況だったが、水口の嘘に対して無意識に引き金から指をはずしてしまった。その一瞬で勝負が決まった。
「ぐぁ・・・うっ・・・」
男はフロントガラスを突き破り、外に飛ばされていた。その状態から見て確実に無事ではない、そんな男の近くに水口が駆け寄った。
「すみません、私は一般人でした、そんな能力があればいいなーって思いましてね」
そして爽やかな笑顔を振りまく、この男の実力は単純な戦闘ではなく、こういった交渉や嘘、そして相手の状態を読み取る能力なのかもしれない。
「ぐ・・ぐぞ・・・、ゆるさねえ・・ぞ」
フロントガラスは割れてしまったが、何はともあれ車は手に入れた。運転はもちろん斗麻さんがする。まるでハリウッド映画のように、きついタイヤ音を上げて車が走り出した。
次回予告
西崎「相変わらずお前は、人間離れしてるな」
糸江「当然でしょ?」
西崎「まあ・・・、それにしても今回は水口の功績でもあるな」
水口「そうですか? 西崎君に言われると励みになりますね」
西崎「お前ってあんなにハッタリをかましてくる奴だったなんてな」
水口「え? まあ、交渉は私の仕事ですからね」
糸江「そうよ、水口君はアンタなんかとは頭の出来が違うの」
西崎「へいへい・・・じゃあ次週の予告頼んだ」
水口「ジェシカさん達がピンチ!?」
糸江「ま、ジェシカなら楽勝だと思うけどね?」