ええ
そろそろ尾張なんでってなったんですよね
これじゃ電車乗ってるみたいじゃないかーい!
さて
微妙な突っ込みをいれたところで 34話
あいさつ はじまるよぉ~
「雉島に連絡がつかないんだが」
部長がいきなり俺に言ってきた。恐らく怒った事が原因だという情報が耳に入ったのだろう。それに関して怒った事は事実だが、仕事場に来るか来ないかは雉島の問題だと思った。
「まあいい、さっさと来るように言っておけ」
「・・・わかりました」
かなり投げやりな言い方をした、本音を言えばどうでも良いと思ってるのかもしれない。
部長は仕事に対して熱心ではない、むしろ仕事をすると怒るような節もある。最近は横田が近くに居なくなった事に苛立っているのか、機嫌がよろしくない。それに対する八つ当たりなのかと思ってはいるが、どうやら違うようである。
「よう、お前が落ち込む事じゃねえよ」
肩を叩きながら谷中さんが俺にしゃべりかけた、どうやら俺の心境を察しているのだろう。
「まあ・・・・、俺なりに全部伝えたはずです。悔いはありません」
「ふぅ~ん・・・、まあ、少しは立派になったじゃねえの」
そう言い2度ほど肩を叩いた、そして直ぐに自分の席に戻る。
「まあ、詰まるところアイツ次第だな」
一人欠けた事務所内で資料の整理をしてから営業に向かう、そういえば一人で出かけるのはかなり珍しい。久しぶりなのでちょっと緊張した。
俺は順調に仕事をこなし、4件目に向かう途中だった。突如電話が鳴った、着信からしてお客では無い。
雉島
発信者の名前が表示されていた。
「ん・・・、どうした?」
『すみません・・・、本当はもっと早く電話するべきでした・・・』
声のトーンが低い、反省をしているというより怯えている感じである。
『自分・・・・責任を取って辞めます』
やはり、この言葉を言う為に電話をしてきたのだと思っていた。俺もこれをやろうと思った事があったから、よくわかった。
だが、今は学生ではない。立派な社会人、今後もずっと同じように過ごす訳にはいかない。
もし本気で責任を取る為に辞めるならなおの事である、谷中さんなら怒鳴ってくれたかもしれない、だが俺は谷中さんにはなれない。俺の言える言葉を精一杯伝えるしかなかった。
「・・・もうちょっと、冷静に考えても良いんじゃないか?」
『・・・・・』
「別に俺はお前の事嫌いになった訳じゃない、皆だってそうだし。それに失敗は誰だってするさ、谷中さんだって宮内さんだって」
『・・・・・・』
「今日は風邪って事にしておいてやるから、明日ちゃんと顔を出せ、わかった?」
『・・・はい』
少し鼻水を啜るような音が聞こえる、恐らく泣いてるのかもしれない。
『す・・・すみません・・・、自分・・・、一人で出来ると思ってました・・・。仕事を甘く見てました・・・、自惚れてました・・・・』
「わかったって、とりあえず次の所行かなくちゃならないからさ、電話・・・ありがとうな」
最後の最後までずっと謝り続けていた、当然謝って済むような問題ではない、然るべき処分を受けるベキだ、しかし雉島君は謝った。たとえそれが俺にだったとしても、謝罪の気持ちがあると言うことだ。
それならやり直せる。
俺は手早く仕事を終わらせてから会社に戻った、そして電話があったことを谷中さんにだけ伝えた。
「・・・・そうか、お前がそれで良いと思うなら俺は口出さねえよ」
「はい、きっと明日来ると思います」
谷中さんはまた肩を叩いた、今度も2回、それだけしてから自分の席に戻った。
次の日、少しオドオドしながらではあるが雉島君が姿を現した、当然部長には怒られたがしっかり謝った。俺も一緒に頭を下げて謝った、谷中さんも一緒に謝ってくれたおかげなのか、ただ面倒だと思っただけなのか部長はもう良いと言い不機嫌そうに喫煙室の方へと向かったのだった。
次回予告
ナレーション:あれ・・・? 今日は雉島君だったのにいないな・・・?
携帯電話:ピピピピピ・・・
ナレーション:・・?? もしもし
雉島:『あ・・・、すみません。電話ですみません』
ナレーション:・・・・あれ、べ・・・別に来てくれてよかったんだけど
雉島:『なんか顔向けできないんで』
ナレーション:そうか・・・・(なんかズレてるっていうか、極端な子だなあ・・)
雉島:『じゃあ・・・この辺で失礼します』
ナレーション:・・・ええと、次回! 意外なあの人が活躍するかも!?