今回は☳(震しん・雷)と☴(巽そん・風)について説明いたします。
乾が父、母が坤であれば、☳(震しん・雷)は長男、☴(巽そん・風)は長女にあたります。
三つの爻(こう)ですが、陽は陽爻、陰
は陰爻と呼びますが、震(しん・雷)は下に陽爻が、巽(そん・風)は下に陰爻があるのが特徴で、その意味を表しています。
☳ ☴
震(しん・雷)と巽(そん・風)
「震は動くなり」、下にある陽爻が上に昇ろうとして活動しているのです。自然では雷で、陽の気を盛んに発動するのです。家族では長男、動物では竜、身体では足にあたります。「極まりては健と為す。」ともあります。時には「乾」にも勝る勢いを表します。新しい世界を開く、始める、そのエネルギーを感ずるのは震(しん・雷)でしょう。
「巽は入るなり」、一方の巽(そん・風)は自然では風で、風の如くどこにでも入ってきます。家族では長女、動物ではニワトリ、身体では腿にあたります。従順に従うことから、木や縄にもたとえられます。「利に近づきて市三倍す。」ともあり利には敏い。「極まりては躁卦と為す。」ともあり、時には手がつけられないわがままぶりを発揮します。
六十四卦での震(雷)と巽(風)の組み合わせを見ると、その特性が良く解ります。震(雷)が上、巽(風)が下の卦は、「雷風恒」となります。「恒」とは久しく変わらない。安定した状態を表しています。働き者の長男が上で、従順に従う長女が下にいる、「夫唱婦随」の円満な家庭を想像されます。
又、巽(風)が上に、震(雷)が下にくる卦は、「風雷益」です。利益の益ですから良い卦になります。巽(風)の性質に「利に近づきて市三倍す。」とありますから、夫婦で商売をして夫が懸命に働き、妻がしっかりと儲けているお店を想像させます。このように、震(雷)と巽(風)は対立するとともに、相性が良いと言えます。
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