蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「ちまた」

2010年01月14日 | 「語句」「言葉」~名詞編(あ行~な行)
【「ちまた」】

≪辞書で調べてみます≫
<巷・岐・衢>
〔「道股(ちまた)」の意〕
(1)道の分かれる所。分かれ道。辻(つじ)。
(2)物事の境目。分かれ目。
「生死の―をさまよう」
(3)町の中の道路。また、町中(まちなか)。
「紅灯の―」
(4)世間。世の中。
「―の声」「不況の風が―に吹く」
(5)物事の行われる場所。
「戦いの―」


≪「ちまた」と訓読みする漢字≫

巷 巷
コウ/ゴウ xiang4
ちまた <門の外側><道の分かれる所><町の中><場所>
字統:308
0407/03007・03008

<解字(字統)>
正字は、“邑”を二つ、背中合わせにした形。
説文では、「里中の道なり」とある。
篆書体では、“邑”を二つ、背中合わせにした形の間に、“共”が挟まる形。
今の“巷”は、一つの“邑”の上部を省略した形。
“巷”は、村の門の外で儀礼を行う所の事。
● 巷・衖は本字同字 巷は俗字



キ/ギ qi2
(わかれる)<分かれ道>≪ちまた、えだみち≫ 
字統:145
常用字解:091-3
0391/02781

<解字(常用字解・蜻蛉)>
“支”は、木の小枝(十)を手(又)に持つ形。
∴すべて“枝分かれしたもの”を言う
山のわかれ路 ⇒ 岐
そこから、“岐”は、山間部の別れ道のこと。
● 岐は本字 ?(02859:[枝/山])は古字



ク/グ qu2
ちまた <えだ、別れ道>
字統:227
0464/03398
<解字(字統)>
“瞿”は、「傍らにはみ出ること」を言う。
鳥が左右をきょろきょろして、「おそれる」の意味。
“衢”は、両方の道が交わるところのこと。
 ∴「辻(国字)」にあたる


≪意味合いが「ちまた」の漢字≫


カイ/ケ 慣用:ガイ jie1
まち(ちまた)<よつまた>
字統:104
常用字解:062-1
0459/03364

<解字(常用字解)>
“圭”は、土を長方形にした土板の形。
その上に占いの結果を書いた。行は、十字路の形。
“街”は、通路が土板のように整然と区画される所 



コウ/ゴウ xiang4
(ちまた)<門の外側><道の分かれる所><町の中>
<場所>
字統:308
0460/03369

<解字>
“巷”参省
● 巷・衖は本字同字 巷は俗字
  篆書は、“彳”、“亍”共に、“邑”の形



トウ/ドウ tong2 / dong4
<ちまた><下痢する>
0460/03371

<解字(蜻蛉)>
“衕”は、筒のように同じ幅の十字路か?



コウ/ゴウ hong4
<ちまた> とき <ときの声>≪かちどき≫
1379/12724
<解字(漢語林)>
“共”は、“巷”に通じ「村中の道」のこと。
“閧”は、門から入る村中の道。
∴ “かちどき”とは、戦さに勝ち門をくぐり、村中の道を堂々と闊歩することか?


閻 閆 [門三]
①②エン/* ①yan2 ②yan4
<村里の門><ちまた><うるわしい>
1380/12736-1374/12696

<解字(漢語林・蜻蛉)>
“臽(カン)”は、「おちこむ」の意味。
崩れかけた門の意味から、“閻”は、「村中の門」の意味。また、門から続く村中の道か?
● 閻・閆[門三]は同字



コウ/*guang1
<ちまた、市中の道>
0278/01916


≪総評≫
<漢字の要素からすると・・・>
巷 : 岸辺の町中の「別れ道」 ⇒ 港
岐 : 山間部の「別れ道」  ⇒ 山が添えてある
衢 : 平野部の「別れ道」  ⇒ “行”の間に〝瞿:きょろきょろする何か”が入っている

以上のように、推測が可能となる。
お役に立てだでしょうか?



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