蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「よそおう」の微妙な使い方

2008年11月26日 | 解字から見る、言葉の微妙な違い
【 よそおう 】
装・裝・妝・粧・扮・靚・娤・捒

《まず、先に》
390-2


爿(ショウ)と言う台の上に肉を供え戦勝祈願の祭りをした後、
その祭肉を携えて軍を率いる人 ⇒ 將・将
 ◎将軍

王家出身者で戦士集団の中核の存在 ⇒ 壯
  「中心的に力をふるう→さかん」の意味
  「さかん、つよい、おおきい」の意味に

 ●將(将)・壯(壮)は、王家出身の身分を示す

◎將(将)・壯(壮)どちらの“男”の事がら


《本題に入って》
397-3
裝・装

形声。元の字は、裝。音符は、壯。
衣裳の外形を整えること ⇒ 裝 装
 「よそおう」の意味
 ●将軍の衣・身なりを整える=装う

用例 装束:身なりを整える~元は、旅支度
装甲:鎧(甲・冑)を身につけること


317-2


形声。音符は、庄。米と庄との組み合わせ。
元の字は、妝。音符は、爿(ショウ)。

金文の字形は、妝 の女の脇に曲線を書いており、
その曲線は、保・安の古い字形にも加えられてるので、
新しい霊を乗り移らせる衣であろう。

外面を飾って新しい霊を迎える ⇒ 粧
  「よそおう=他の人格になること」の意味
  ●化粧をする為に“米”の粉を用いた ⇒ 粧
   と言うより、『粉状のモノ全般』か?

◆元々、神降ろしの行為は、神がかった巫女(若い女)がする事が多かった
∴“女”の文字が必要

◎庄と壯(壮)は、zhuangの音が同じで通用する

▲粧≒妝≒娤


扮:扮装する

字統・漢語林とも
分が通用して粉に通じて「打ち扮る=打ち飾る」~扮装する
 粉を用いて面を整えること
  ●男にも女にも適用か?
  ◎宋・元時代以降に用いる用法




字統
粉白黛黒(フンパクタイコク)の色の明るいさま ⇒ 靚
中国語の異民族=匈奴に嫁いだ妃を「豊容靚飾」と表し、
輝くばかりの美しさの例えにした。
    ↓
儀礼の時の容飾の美しさ ⇒ 靚
  ●女専用か? 蜻蛉推測=80%
 
 用例 靚粧・靚妝 化粧して美しく飾る

▲漢語林では「よそおう」の意味の解字はない


(捒)
漢語林
解字はないが、漢字の組み合わせから、
手(扌)で何かを束(たば)ねて整える ⇒ 捒
 ◎もちろん、訓読み変換は出来ない~「よそおう」


<結論>
男性・物:装・裝  ※武器・用具にも適用
女性専用:粧・妝・娤・靚・妆(簡体字)
事象全般:扮
物・不明?:(捒)

∴「よそおう」は“爿(ショウ:zhuang)”の音に従う

これホント、チュ~ 


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