蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

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「まこと」

2009年08月07日 | 「語句」「言葉」~名詞編(は行~わ行)
【「まこと」】

≪辞書で調べてみました≫
まこと:真、実、誠
〔「ま(真)こと(事・言)」の意〕
①うそやいつわりでないこと。本当。
 「―を言えば」「―の英雄」
②いつわりのない心。人に対してよかれと思う心。
③まごころ。誠意。真情。
「―を尽くす」


≪「まこと」と訓読みする≫

真 眞
シン/* zhen1
まこと まことに <生まれつき><もと><みち>
<すがた> ま 
≪さね、まさる、まさし、ただし,まさと、あつし≫
0919/07814・07815

<解字(常用字解)>
元の字は、眞。匕(カ)と 県 とを組み合せた形。
匕(カ)は、人を逆さまにした形。死者の形。
県は、首の逆さまにして懸けている形。
顚死者・不慮災難にあった行き倒れの人 ⇒ 眞 真
現世は仮の姿で、死ぬ事によって本当の姿になる。
「真実・まこと」



①②チュウ/* ①zhong1 ②zhong4
うち まこと
1171/10599

<解字(常用字解)>
音符は、中。衷は、衣+中。
衣裳の下に着込んだ肌着 ⇒ 衷
∴衣の下に甲(よろい)を着用することになる。
内に有って外に表れない、「こころ、まごころ」の意味
 ▲折衷案



①②リョウ/* ①liang4 ②liang2
あきらか まこと すけ
0061/00148

<解字(字統)>
京の省略形と人(儿)の組み合わせ。
京・高は、アーチ形の凱旋門の形。そこには、戦場での多くの死者を塗り込めたものでかたちづくられる。
亮は、その凱旋門の場で誓約し、神明に告げる儀式。
 「真実を告げる・まこと」
●亮は本字 [:口→儿]は俗字



イン/* yun3
まこと まことに ゆるす <あたる> じょう~判事
0122/00660

<解字(字統)>
後ろ手に縛られた人の形。囚われ人の姿。
神に誓って真実を述べる⇒「まこと」


実 實 实(簡体字)
シツ/ジチ 慣用:ジツ shi2
(みちる)(みたす)みのる み さね <とみ>
 まこと まことに ジツに げに ≪みのり≫
0357/02558・02559

<解字(常用字解・蜻蛉)>
元の字は、實。宀(ベン) と 貫 とを組み合せた形。
宀は、祖先の霊を祭る廟の形。
貫は、貝の貨幣を貫いて綴り合わせた物。
ぜにさしに通した貝貨を廟に供える形 ⇒ 實 実
商売の時、お金(貝)を差し出して取り引きを求める・偽りではない⇒「まこと」
●実・實は本字 实は俗字



シュン/ジュン chun2
(あつい)まこと <すなお><大きい><ひたす>
<そそぐ><塩辛い><ひとそろい>≪きよい≫
0771/06275

<解字(字統・蜻蛉)>
音符のジュンは、よくこなれていて濃密なことを意味する。濃密な液体~詳しい~本当の事~まこと?
●淳・湻は同字


<“こころ”が含まれる「まこと」>


シン/ジン chen2
まこと <まごころ>
0486/03577



①②シュン/* 慣用:ジュン ①xun2 ②shun4
まこと <おそれる><きびしい><にわか><またたく>
0490/03635
◆畏れつつしむさま・温和でまじめなさま



コウ/ク kong1
まこと <つつしむさま>
0493/03677

◆まことらしく見えること
 空には、「空虚」の意味を含む



セイ/ジョウ qing2
(こころ)まこと <おもむき> なさけ 
<男女の愛情>
0494/03685

◆物事に感じて起こる心の働き(感情) ⇒ 情
「こころ」「なさけ、おもいやる」→「まこと」
●情は常用字体 ?(03686:[忄])は旧字体



シン/ジン chen2 xin4
まこと <熟語:斟愖:ためらう>
0496/03720



ヒョク/ヒキ 慣用:フク bi4
むすぼれる(=気がふさがる) まこと(=まごころ)
0497/03731


愼 慎
シン/ジン shen4
つつしむ まこと(つつましい)≪まき≫
0498/03751・03752

<解字(常用字解)>
元の字は、愼。音符は、眞(シン)。
眞は、匕(カ、死者の形)と首を逆さまにかけている形の“県”とを組み合せた形。
不慮の災難に遭った行き倒れの人の事。
行き倒れの人を丁重に扱う時の心情 ⇒ 愼 慎



ソウ/* 慣用:ゾウ zao4 (cao4)
まこと <せわしい> たしか
0500/03775



チュウ/* zhong1
(まごころ)まこと <忠義><まめ、まえやか>
<ただしい>
≪ただす、ただし、きよし≫
0468/03418

<解字(漢語林)>
中は、「かたよらない」の意味。
「片寄らない心・まごころ・まこと」
▲判り難い



カク/* que4
つつしむ まこと ≪つとむ≫
0480/03501
●愨は本字 ?([殻/心]03510)は俗字


<言葉に出す「まこと」>


セイ/ジョウ cheng2
まこと まことに まことにるす 
≪まもる≫≪まゆと≫≪あきら≫≪たかし≫
1208/10967・10968
<解字(常用字解)>
成は、作り終えた戈に飾りを付け祓い清める事。
祓い清められた心の時、言葉に出して神に誓う時の心



①②リョウ/* ①liang4 ②liang2
まこと(まこととする)まことに <あきらかにする>
<思いやる><よい><わるい>≪あきら≫
1219/11054

<解字(字統・蜻蛉)>
音符の京は、アーチ形の凱旋門の形。
色々な呪儀が執り行われた。
祈りが行われる言葉のことで、「偽りはない・まこと」
の意味。



シン/ジン chen2
まこと まことに
1222/11079

◆言葉によって「まこと」を尽くすこと



シュン/* 慣用:ジュン xun2
はかる(とう)<ひとしい> まこと まことに
1208/10965


<あまり見かけない>


フ/* fu2
<卵をかえす><はぐくむ><つつむ><から、もみがら> まこと ≪たかし≫
0346/02513



カン/*
kuan3
<のぞむ><よろこぶ> まこと <まじわる> よしみ <いたる><たたく><きざむ> しるす <むなしい><ひろい><ゆるやか><なげく><ひとまとまり>
0706/05815
●款は本字 欵は俗字


≪なぜか「まこと」と読む≫


タン/タン dan1
あか に あかい <まごころ><精製した薬>≪たみ、たな、にわ、あかし、まこと、あきら≫
0035/00055


全 全
セン/ゼン quan2
まったく すべて(まったし)まっとうする<あらゆる>≪あきら、たもつ、まこと≫
0079/00222・00223



シン/* shen1
のびる のばす(のべる)のす のし ≪のぼる、のぶる、まこと、ひろむ、おさむ≫
0085/00260
●は伸の俗字



メイ/ミョウ ming4
いのち <いいつける>(なづける)<運命、さだめ>
<誓いの言葉><めあて、目標> みこと ≪まこと、あきら≫
0095/00340



リ/* li4
つかさ <役人>(おさめる)≪ふみ、まこと、のり≫
0225/01310



セン/ゼン shan4
よい いい よく よみす (よくする)
≪よし≫≪まこと≫
0248/01571
●善は本字 譱は古字


塡 填
①テン/デン ②③チン/* ①tian2 ②chen2 ③zhen4
うずめる みたす ふさがる <太鼓の音><従う> ふさぐ <ひとしい><しずめる>
 はまる はめる ≪うずまる≫≪みちる≫≪まこと≫
0288/02048・02049
●塡(02048)は本字 填(02049)は俗字



ショク/ジキ shi2
まことに<=まさしく><この、これ>≪まこと、さだし≫
0367/02614


専 專
セン/* zhuan1
もっぱら(もっぱらにする)<あつい><ひとえ>
≪あつむ、まこと、あつし≫
0372/02657・02658



トク/* de2
<身に持っているもの><品性を向上させる為習得すべきもの><本性><徳を積んだ人><めぐみ>(トクせしむ)8トクとする)<行為><教え><よい><利益>
<国名:徳意志:ドイツ~国>
≪のぼる、いさお、まこと≫
0476/03474
●悳は本字 徳・・?(03475:[-彳])は俗字



ゲン/ガン yuan2
つつしむ <まじめ><よい>≪すなお、まこと≫
0480/03502



シ/ゼ・シ shi4
これ この (ここ、かく) 
≪つつみ≫≪すなお、まこと、ただし、 なおし≫
0597/04608
●昰は是の本字



キ/ゴ・ギ qi1 (ji1)
(あう)<ちぎる><きめる><あてにする>(とき)
<ひとまわり><百歳><限度><死ぬ時>
≪もとむ、まこと≫
0633/04931
●期・朞は同字



キン/コン qin1
<あくびするさま> つつしむ うやまう <たれる>
≪よろこぶ、まこと≫
0707/05819



セイ/ショウ 唐:シン qing1
きよい きよらか さやか きよめる すむ
きよまる すます <すずしい><しずか><きびしい>
≪きよし、みつる、きよみ、まこと、やすし≫
0773/06285



①メイ/ミョウ ②モウ/ミョウ ①meng2 / ming2 ②meng4
ちかう ちかい <約束><集落区分><熟語:地名>
≪あきら、まこと≫
0912/07773



①②バ/マ ①mo2 ②mo4
みがく とぐ(する)<すりへる><ひきうす>
<ひく、碾き臼ですり潰す>
≪みがき、こよみ≫≪まこと、おさむ≫
0941/08088



①②バ/マ ①mo2 ②mo4
みがく とぐ(する)<すりへる><ひきうす>
<ひく、碾き臼ですり潰す>
≪みがき、こよみ≫≪まこと、おさむ≫
0941/08089


節 節
セツ/セチ jie2
ふし・ぶし みさお <きまり><くぎり><わりふ>
<はたじるし><とき><いわいの日><かぎる><ますがた>
ノット ≪まこと、せつこ、ひとし、ただし、たかし≫
0986/08572・08625
●節は新字体 ?(08573)は旧字体 節は俗字 莭は節の俗字



①②シュン/* 慣用:ジュン ①zhun1 ②***
ねんごろ <たすける> くどい <つつしむ>
≪あつし、まこと≫
1214/11028



ギ/ギ yi4
はかる <あげつらう><いさめる><そしる><意見>
<文体>≪まこと≫
1229/11157



コウ/ク gong4
みつぐ みつぎ <夏代の税法の一つ><すすめる>
<ついえる>
≪つぐみ、みつる、とおる、たくみ、すすむ、まこと≫
1241/11280


≪文字数の加減で仕方なく“漢字”だけ≫

≪意味合いが「まこと」≫

信 ●信は本字 訫は古字
訫 ●信は本字 訫は古字

単 單





欵 ●款は本字 欵は俗字

湻 ●淳・湻は同字


精 精





請 請


質 ●質は本字 貭は俗字


≪関連≫
固 ●怘は固の古字

苟 ●かりそめにも・いやしくも:草冠が離れている


≪総評≫
今から64年前、忌まわしき“原子爆弾”が、世界で初めて実戦で使用されました。
その哀悼週間に因んで「まこと」を取り上げました。
『哀悼のまことをささげます。』とわが国の首相が、幾ら唱えたところで、亡くなられた御霊は、癒されようもありません。 
怨み辛みを叫ぶのではなく、黙して心の中で秘めた魂が、二度と悲劇を起こさない誓いとなるでしょう。

文字に込められた「願い」を噛みしめて言葉を発し文字に認めたいと思います。


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