kananagaの日記

音楽したり絵を描いたり紙芝居したりするkananagaの暮らし

P-ブロッ 「鍵盤ハーモニカアンサンブルP-ブロッの超不定期公演2010」

2010-08-06 | 日記
P-ブロッライブ@門仲天井ホール。

とうとう8ヶ月妊婦(ちょっと前までなんか勘違いしてたわ、もう8ヶ月入ってたのね)のkananagaは思案の末今日も車で。ええい、妊婦の間は駐車料金しょうがねえ!公共交通機関怖いし疲れるし!

今日の曲順。

P-ブロッ「微分帖作曲」新曲(宮田篤の微分帖に基づく)(世界初演)
しばてつ/エリントン「Take The A Train」(世界初演)
野村誠「Melodica Stopwatch Quintet」(世界初演)
吉森信「せみになりたい(仮)」(世界初演)
鈴木潤「名称未設定」(世界初演)
林加奈「傷だらけの妊婦」(世界初演)
しばてつ「深く、まばらな森」(世界初演)

(休憩)

野村誠「ベルハモまつり」
鈴木潤「2音のバラード」
野村誠「カギはどこにある」
ロシア民謡/しばてつ「トロ イカ」
野村誠「あたまがトンビ」

(アンコール)
レゲエ曲「アンサー」にのせたメドレー。「笑点」「UFO」、その後、思い切ってお客さんからリクエストを聞いてみるコーナーをやってみたらちゃんとリクエストが出たので、武満徹作曲の「遮られない休息」冒頭部分、野村誠作曲「幸福な短い生涯」の冒頭部分を経由して「この道」。

どれも面白かったし、ひじょうにリラックスして演奏できたなー。楽しゅうございました。お客さまも喜んでくれていた、と思える感想を色々頂いたので、よかった。

「微分帖作曲」のプレゼンは、丁寧にしてよかった。やっぱある程度説明しないと楽しめないよねえ。この曲、作った自分たちは間違いなくだいぶ面白いんだけど、この面白さがお客さんにどんな感じに伝えられるのかなあと心配してたので。(見てないひとにはなんのこっちゃわからないだろうが)途中で外に入るのを演奏前に説明するのを忘れてしまったので、お客さんはそこが楽しみづらかったのでは、と思ったが、どうだったかな?「微分帖」は、基本的に外はなく、中にどんどん増やしていくので。外無し「微分帖作曲」経験者の友人は、ちゃんと途中で外に入ったのに気付いたらしい。他にも意見を聞いたひとたちは、みんなそのひとなりの楽しみ方で、結構楽しんでくれていたみたいだった。よかった。

前半のストップウォッチの曲は、本当にみんなタイプが違って面白いと思った。これらの譜面にお客さんは興味津々。休憩時間にずっと説明していたので、休憩をしそびれてしまった。

ちなみに、kananaga作曲の「傷だらけの妊婦」について軽く解説を。身体が傷ついているわけではなく、胎教に気を払いたい妊婦だというのに、心が傷だらけになる出来事が最近立て続けに4つも起きたのだ。なので「だいぶ頑張ってるけどそこから傷ついた顔になる」とか「もうどうやったって産めるんだ!という達観の表情」だとかが重要な曲なのだ。最後のあたりでは、出産をどうやっても経験できない男性メンバーたちにも陣痛をイメージしてもらって演奏に反映させるようにした。途中、kananagaが歌うところが出てくるので、その歌詞を紹介。

糖尿怖いし糖分減らそう 貧血怖いし鉄分とろう
高血圧防止には減塩 五分づき米を100回噛もう

スクワット スクワット 毎日 100回
ヨガだって ヨガだって 毎日60分

実話だ、kananagaはスクワット浅め50回と一番下まで下がるのを50回の合計100回、7月下旬から毎日やっている。その頃からヨガの時間も60分に伸ばした。kananagaの行っている助産院は厳しいんだけど、でもこれをやると後々いいのは自分たち。

というのはまあ、この曲の背景の一部でした。
はい、それはおいといて。

後半もアンコールも、いい感じだったのではないかしら。

いいコンサートにできたと思う~。よかった~。
ご来場の皆さん、門仲天井ホールの皆さん、P-ブロッの皆さん、ありがとうございました!

8/6,8/8,9/5などの告知

2010-08-04 | 日記
ええと、近々の宣伝を。

8月6日(金)は東京の門仲天井ホールで、鍵盤ハーモニカP-ブロッライブ。
8月8日(日)は大阪のポコペンで、怖い紙芝居。たぶん、「くまのオッタマ」を怖くやってみようかと。
9月5日(日)は大阪のしんかなホール行われる縁日イベントで、西成の紙芝居劇集団「むすび」との共演。
9月25日(土)/10月2日(土)はテレビ放映。ちょっぴりだけどね。あ、演奏してるところのバックに、kananagaのイラストが使用されることになったらしい。


kananagaの出産予定は10月半ばでして、このへんの告知のあとはしばらく本番自粛となると思うので、どうぞお見逃しなく!!!


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◆8月6日(金)(東京)

「鍵盤ハーモニカアンサンブルP-ブロッの超不定期公演2010」(次回超未定)
~ストップウォッチと微分帖作曲の巻~

鍵盤ハーモニカ・アンサンブルP-ブロッのリーダー野村がインドネシアに1年在住になり、林はこの秋には出産になります(なので、5人全員での演奏は次回超未定です~)。
ストップウォッチを使った演奏と、宮田篤の微分帖をベースに行う微分帖作曲などを行います。

開演:19時30分
出演:P-ブロッ(野村誠、しばてつ、鈴木潤、林加奈、吉森信)
料金:前売¥2000 当日¥2500(もんてん会員¥200引き)
予約・問い合わせ:門仲天井ホールhttp://www5f.biglobe.ne.jp/~monten/index.html

Eメール:acn94264@par.odn.ne.jp
電話:03-3641-8275・平日(火曜休館)の13~17時
ファクス:03-3820-8646
住所:〒135-0048 東京都江東区門前仲町1-20-3-8F

営団地下鉄「門前仲町」駅 3番出口から徒歩3分
都営地下鉄大江戸線「門前仲町」駅 6番出口から徒歩1分

上演演目:
しばてつ「深く、まばらな森」(世界初演)
野村誠「Melodica Stopwatch Quintet」(世界初演)
吉森信「せみになりたい(仮)」(世界初演)
鈴木潤「名称未設定」(世界初演)
林加奈「傷だらけの妊婦」(世界初演)
しばてつ/エリントン「Take The A Train」(世界初演)
P-ブロッ「微分帖作曲」新曲(宮田篤の微分帖に基づく)(世界初演)
鈴木潤「2音のバラード」
野村誠「カギはどこにある」
ロシア民謡/しばてつ「トロ イカ」
野村誠「ベルハモまつり」
野村誠「あたまがトンビ」

お待ちしてます!!


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◆8月8日(日)(大阪)

大阪のポコペンで行われる「怖い日」に出ます。

出演:
林加奈
露骨に怪奇[キキ花香+蔭山徹(子供鉅人)]
しんせき(コスプレ)

19時開場19時半開演
料金:1500えん(1ドリンク+すいか+線香花火つき!!!)
場所:ポコペン
http://www.poco-pen.net/index.html
542-0062 大阪府大阪市中央区上本町西1-4-19
地下鉄谷町線谷町六丁目駅1番出口から徒歩数分。楓ギャラリー右となり路地入る。
google地図はこちら
↓   ↓   ↓
http://maps.google.co.jp/maps/ms?msa=0&hl=ja&ie=UTF8&ll=34.675112,135.518589&spn=0.003926,0.007296&z=17&om=1&msid=103595196775378791583.00043d61f4e0c6329fd2c

林加奈の出番は19:30からです。
紙芝居を怖くやります。
お待ちしてます!


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◆9月5日(日)(大阪)

えんにちあそびDeあそぼう

堺を基盤に音や表現活動を中心にあそんでいるあそびっこくらぶです。
縁日!であそびましょう。西成のおじさんたちの「むすび」さん、そして絶叫紙芝居、手作りおもちゃづくりなどあそびのブース 、こんな手作りおもちゃづくりやさんをしたい、とか、これを売りたい、という専門店も募集中。
ハーブソルトやさんとか、アロマやさん、子どもが店長のお店、短時間開店のお店、絵本やマジックのお店などなど、アイデアで儲けてください!参加者、出店者、ボランティアさん、いろいろ募集中。

出演:紙芝居劇団むすび、林加奈、ジャンジャンシアターちゃんこ隊 

日時:9月5日〔日〕13時開始、15時半くらいまで出入り自由です。
場 所:しんかなホール (地下鉄御堂筋線新金岡下車すぐ)
参加費:1人500円(11枚綴りの縁日の買い物チケットになります。お店によって、必要枚数が違ってきます)追加購入もできます
あそび:①おじさんと林加奈さんの紙芝居で抱腹絶倒する
    ②手作り工作遊びブース、お店屋さんであそぶ
    ③お店をだして稼ぐ!

(出店者も参加費が必要ですが、チケットで販売し、売り上げは材料費等に充ててください、換金します。お断りする内容もありますので、お問い合わせ、内容によってチケットの必要枚数を決めてくださいね。)

お店予定:ポップコーンやさん、ボーリング、スーパーボールすくい、工作、輪投げ、わりばしてっぽう、おばけやしき、足湯、など随時増加中!!

お申し込み・お問合せ
 あそびっこくらぶ 近藤 072-320-8334(TEL・FAX)
 平成21年度大阪府社会福祉振興助成金の交付を受けて実施しています。

お申し込みは以下の項目をご記入の上ファックスで!

FAXもうしこみ
・代表の方のお名前(大人/子ども~年生)         
・住所
・tel/fax
・一緒に参加される方のお名前(大人/子ども~年生)  
・お店出店希望(する/しない)
(する場合以下も記入/後日連絡します)
・内容
・価格(チケット~まい)(チケット一枚につき、50円相当)


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◆9月25日(土)/10月2日(土)(テレビ放映)

7月8日にNHKで、P-ブロッだけの演奏と子どもたちと一緒の演奏を収録しました。その番組が以下の日時で放映されますので、ぜひ観てみてください。

「ヒミツのちからんど」~実はすごい!鍵盤ハーモニカ~
放送:2010年9月25日(土)18:50~19:15(ETV)
再放送:2010年10月2日(土)13:30~13:55(ETV)

ちなみに、P-ブロッの演奏の様子がこちらで観られます。
http://www.youtube.com/watch?v=8b3U3bWF9XQ
2008年12月3日に六本木スーパーデラックスで4人でやったライブです。


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大紙芝居展@横浜市歴史博物館

2010-08-03 | 日記
大紙芝居展@横浜市歴史博物館を観にいった。

入場料は大人でも400円だし、博物館は小さいのかな?と思ったら、結構な見応え。紙芝居がだーっと展示されてて、大体全部読んじゃったよ、疲れた~。勉強なるし参考になるなあ。

カタログ?パンフレットって呼ぶのかな?そんなに厚くないけど800円で、展示されてた絵が小さいけどかなり載ってるし、テキストもちゃんと載ってるし、資料としてかなりいいよ、これ。買いますー。

残念なのは、国策紙芝居の絵やテキストは、ちょこっとしか載ってなかったこと。紙面に残すと色々まずいのかな?展示はされていたので、行けば読めるし観れるけど。

国策紙芝居を観たの初めてだけど、kananagaの感想は「げー。。」作品としてのクオリティはもちろん低い。低いのに、これに洗脳されてしまったりしてきたのか、と思うと、結構虚しい。

見抜けなきゃ。もし、なんか違うと気付けたんだったら、なんとかしてとめなきゃ。ひとりじゃ無理だけど、ひとりじゃ無理だと言ってひとりも始めなければ本当に無理だ。

紙芝居がこれに利用されてきたんだということが、紙芝居というメディア自体の強さを物語ると同時に、なんていうか、業のようなものをまとってるよなあとも感じる。

何かを見なかったことにしてしまったり、ひとりひとりが自分の意思と責任で判断し行動できるようにならなければ、地球上の戦争はなくならない。自分のことを棚にあげて、ただ文句を言える立場のひとなんて、誰ひとり、いない。でも、このことを課して受け止めきれる強さとしなやかさを持ったひとは、残念ながらきっと多くはない。だから、戦争がなくなる、という夢は、恐らく一生叶わない。

kananagaは大丈夫か?地球に対して、人に対して、自分に対して。この自問をするとき、少し前までの長い間kananagaには、「自分に対して」が抜けていた。そんなで、よく生きてこれたよなあ。

ああ、いけない、またちょっと悲しくなってしまった(別にマタニティーブルーではない。kananagaのいつもの出て来やすい思考だ)。胎教に悪いね、ごめんね、お腹の子。

今日の展覧会は母と二人で観に行った。帰りに母が「バッグを買いたいから一緒に見てほしい」という。最近すっごく節約してたし、自分が買うのでなくひとの買い物を一緒に考えるのでも楽しいなあ!kananagaも母もブランドのことを全然知らないが、なんか、どんな年齢層のひとでもしっくりきそうな素敵なバッグを見つけられた。家に帰ってきてネットで調べたら、そのブランドの商品は、雑誌やテレビでも様々な年齢のタレントさんやモデルさんによってばんばん紹介されているものだったことがわかり、なんか、気分アゲアゲになった!一緒に見立てたバッグが一般的にも高評価だったので、安心~。よかったね、母。

P-ブロッ、超不定期公演2010(次回超未定)のリハ

2010-08-02 | 日記
8月6日(金)に門仲天井ホールで行われる「鍵盤ハーモニカアンサンブルP-ブロッの超不定期公演2010」(次回超未定)~ストップウォッチと微分帖作曲の巻~ のリハ。

kananagaが前回参加できたリハは7月13日。そのときは、美術家の宮田篤くんが考案した「微分帖」作曲をずーっとやっていた(他の曲も練習するはずだったのにね)。これ、他のひとが作曲してる間みんな談笑して待って、できたら最初からやってみて「おお~面白い!」ってなって、のくり返しで、スタジオ借りてるのに、ひとりずつしか音出してないし、この音量なら潤さん家でよかったじゃん!という、ゆる~い感じのリハだった。今日は一変、新曲も旧曲も、次々合わせ。うーん、P-ブロッもやればできるのだ。

kananagaの新曲は遅れに遅れたが、(吉森・鈴木も)今日提出。kananagaのストップウォッチのための新曲のタイトルは、「傷だらけの妊婦」。メンバーからなかなかの高評価。自己肯定感とか自尊心の低いkananagaは、ひと安心&大喜び。

残り30分のところで宮田くんが来てくれたので、できあがった「微分帖」作曲の曲を聞いてもらい、色々意見を言ってもらった。ありがとう!本番は広島にいて、観に来れないんだって、残念。


5人揃っての演奏は、少なくとも1年は聴けなくなりますし。8月6日(金)、皆さんぜひ来てね~!!

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「鍵盤ハーモニカアンサンブルP-ブロッの超不定期公演2010」(次回超未定)
~ストップウォッチと微分帖作曲の巻~

鍵盤ハーモニカ・アンサンブルP-ブロッのリーダー野村がインドネシアに1年在住になり、林はこの秋には出産になります(なので、5人全員での演奏は次回超未定です~)。
ストップウォッチを使った演奏と、宮田篤の微分帖をベースに行う微分帖作曲などを行います。

日時:2010年8月6日(金)
開演:19時30分
出演:P-ブロッ(野村誠、しばてつ、鈴木潤、林加奈、吉森信)
料金:前売¥2000 当日¥2500(もんてん会員¥200引き)
予約・問い合わせ:門仲天井ホールhttp://www5f.biglobe.ne.jp/~monten/index.html

Eメール:acn94264@par.odn.ne.jp
電話:03-3641-8275・平日(火曜休館)の13~17時
ファクス:03-3820-8646
住所:〒135-0048 東京都江東区門前仲町1-20-3-8F

営団地下鉄「門前仲町」駅 3番出口から徒歩3分
都営地下鉄大江戸線「門前仲町」駅 6番出口から徒歩1分

上演演目:
しばてつ「深く、まばらな森」(世界初演)
野村誠「Melodica Stopwatch Quintet」(世界初演)
吉森信「せみになりたい(仮)」(世界初演)
鈴木潤「名称未設定」(世界初演)
林加奈「傷だらけの妊婦」(世界初演)
しばてつ/エリントン「Take The A Train」(世界初演)
P-ブロッ「微分帖作曲」新曲(宮田篤の微分帖に基づく)(世界初演)
鈴木潤「2音のバラード」
野村誠「カギはどこにある」
ロシア民謡/しばてつ「トロ イカ」
野村誠「ベルハモまつり」
野村誠「あたまがトンビ」

お待ちしてます!!

ほぼ日刊イトイ新聞創刊12周年記念MONEY IS お金のことをあえて。

2010-08-01 | 日記
ほぼ日刊イトイ新聞創刊12周年記念MONEY IS お金のことをあえて。矢沢永吉×糸井重里素人社長会議、(の、再放送)でお二人が言っていることに、あれこれ共感。多くのひとに聞かせたい。このページにしゃべったことがだーっとのっているので興味のある方は全文をぜひ。
↓   ↓   ↓
http://www.1101.com/okane/event/index.html

でもいつかこのページがなくなっちゃうかもしれないし、kananagaは自分の備忘録的に、ひとまずより気になった部分を以下に抜き書きペースト。

↓   ↓   ↓

■糸井■
「お金について『困ってる』というふうに考える機会は多かったんですか?」

■矢沢■
「うん。でも、それは僕だけじゃないと思う。いまの若いロックバンドはわからないけど、僕の場合はね、ビートルズがやってきたときですよ。あのメロディー、あの出方ナニ!とてもセンセーショナルですよ。ビートルズが、どうやって出て行くか、というのがもう、物語になってるわけです。
マネージャーとの出会い、取り分との話‥‥あのマネージャーって、いろんなことをやってた人なんです。プロのマネージャーだったわけじゃなくて、家具屋さんとかレコード屋さんもやってたんじゃないかな。そのレコード屋さんに、1日に5人8人、いろんな人がビートルズありますか、ビートルズありますか、って
レコード買いに来たんですって。そこで、ビートルズって何?ってことになって、ステージを見に行った。なんかわからないけどすごいな、とすぐ思った。そして、これ、金になるんじゃないかな、って彼はすぐ思った。金になるんじゃないかな、というアンテナは、彼はあるんだよね。
おれ、マネージャーやるよ、って話をすぐにジョンレノンにしたんだよ。そして、そこですぐに、お金の取り分の話やってるんだよね。取り分、35にしようよ、30にしてよ、っていう折衝です。
ジョンレノンだって、マネージャーだって、お互いによく金のことなんてわかってないくせに、お互い、最初にもう、金の話になるってわかってるんだよ。
ビートルズのよさって、どこにしびれたって、そこです。彼らの伝記がものすごくぼくに教えてくれたのは、こんなに、何もない俺たちでもロックという武器で
一発あてたら世界変えられるかもしれないということ。それがいっぱい込められてるわけですよ。
権利をとられちゃいけない、っていっぱい書いてあって、そこにぼくはつかまえられたわけ」

■糸井■
「スターが大爆発するかどうかっていうのは、そこだよね」

■矢沢■
「うん。ミュージシャンは、音楽がすき、もてたい、きもちいい、うまくいきゃ、メルセデスに乗れるかもしれない、ていうことで音楽やってるでしょ。そこに権利関係をどうするか、というのがビートルズの伝記に埋まってる」

■糸井■
「永ちゃんが日比谷の野音で、キャロルで出たとき、山下達郎さんも、大滝詠一さんも、矢野顕子さんもが100人くらいのライブハウスでやってた時代。永ちゃんも含めてね」

■矢沢■
「食えないよね、ぜんぜん」

■糸井■
「やっぱり」

■矢沢■
「当時のロックバンドは『アドバンス』って言ってつまり『前借り』ね。ギャラの。それか、彼女に食わせてもらってるか。さっきのビートルズの成功話とぜんぜんちがうわけ」

■糸井■
「うん」

■矢沢■
「音楽という武器で、なにかおこせるかもしれない。そう思って東京に出てきたから、そんなんじゃだめだと思ったね」

■糸井■
「でも、あの時代は、金の話なんてしてなかったでしょう、みんな」

■矢沢■
「だから、ふたつにわかれたよね。矢沢、おもしろいなという人と、矢沢、嫌い、金の話ばっかりして、という人と」

■糸井■
「おまえ、この業界でやってけなくなるぞっていってくれるやつもいたでしょ」

■矢沢■
「‥‥オレに直接言ってくるやつは、いなかったな」

■会場■
(笑)

■糸井■
「ああ、こわいから(笑)」

■矢沢■
「いや‥‥あのね、オレ、真面目なんです」

■糸井■
「はい(笑)」

■矢沢■
「でもね、思い出すと、そう言ってくる人が、ひとりだけいたんです。お前、つぶされるぞって」

■糸井■
「いましたか!」

■矢沢■
「そのとき、ぼく、その人に言ったんです。ぜったいに上行くし、そのときに、ぼくがこの業界をつぶしますからって」

■糸井■
「はー‥‥。でも、そういうセリフをさ、永ちゃんの真似してつぶれてった人はいっぱいいそうだよね」

■矢沢■
「そうなの?」

■糸井■
「そのちがいがどこにあるのかを考えると、やっぱり、永ちゃんの『まじめさ』じゃないかな。他の多くの人は、その『まじめさ』に耐えられないんだと思う」

■矢沢■
「ふーん」

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■糸井■
「さまざまな人がYAZAWAをモデルにしているように永ちゃんは、ビートルズをモデルにしてたんだ」

■矢沢■
「そうだね」

■糸井■
「生真面目さ、モラルを感じるときがあるんです。なんなんだろう、永ちゃんが変な人にならなかったのって」

■矢沢■
「まぁ、性格もあるんじゃない?ズルイことや卑怯なことは、したくないというね。まぁ、無意識では、そういうことしてたかもしれないけど、すくなくとも、意識の上では、したくなかった」

■糸井■
「無意識では卑怯なことをしたかもしれない‥‥って自分の話にまぜるでしょ?
そこが永ちゃんらしいんだよね。政治家の話には、ぜったい混ざってこないと思うよ」

■矢沢■
「でもさ、正直な話、20代の終わり、30代の頃なんてまわりを踏み台にして、上に行きたかったから。こいつにとられるくらいなら、オレがとるって。60代のいま、思い返すと、そういう意図はなかったにしろまわりを、傷つけてたのかもしれないなぁって」

■糸井■
「40をすぎたころ、あらゆる借用書がまわってくるってことに、気づいたんです。ああ、あのひと、道端でちょっと突き飛ばしちゃったことがあるなって。かならず、あとから返ってくる。ごめん、わかいころのことって。」

■矢沢■
「そういうものなんだと思う、それは。そんなことも、あんなこともあって、こんな歳に、なっちゃったんだよな」

■糸井■
「金欲しいなあって、あんなに欲しがってた時代からすると、そんなことでもないな、って思い始めたのは、いつごろですか」

■矢沢■
「やっぱり、50入ってからかなぁ。オレが人間に、ほんとになったなぁっていうのは、50入ってからだと思うの。だって、僕は50になるまで、自分の立ってる位置もわからなかった。50になってから、自分のことがじわじわじわじわ見えて来た。
あれだけ、あの位置に行きたい金が欲しい、って言ってたけどね。
でも、20代30代で、オレがもし「大事なことは金じゃありません」って、もし言ってたとしたら、それは、そうとうな、クソです、そうとうな嘘つきですよ。

■糸井■
「永ちゃんは、お金の使い方がとってもわかってるなぁ、と僕なんかが思うのは、コンサートでバーンと使ったりすることです。チェコから50人のオーケストラをステージのうちの2曲のために武道館に呼ぶのはケチなことを考えたら、よしたほうがいいことです。その、『やりたいんだよ』のためにお金を使うのが、
すごく上手に見えたんです」

■矢沢■
「ひとりのアーティストとして、制作会社にステージをお願いしていた場合、
何も考えなくていい。楽ですよ。矢沢とは、契約してこのくらいギャラください、それを話せばいいわけであってね。だけど、ぼくがなんで自分で制作会社をはじめたかというとね‥‥

あるステージが終わったとき、今日のライブ、照明がしょぼい。あれじゃまずいよ、ってスタッフが言ってきたわけ。
でもそれはぼくが言うことじゃない。矢沢にアーティストとしてのギャラを
払ってたらどこかでしぼんなきゃいけないでしょう。オレは、相応のギャラを
もらってるわけだから、制作会社には制作会社の言い分があるだろうし、そこはとやかく言うわけじゃない。
だけど、それは違うんだ。パフォーマンスというものは、照明も何もかも、すべて含めたものなんですよ、そこを自分でやるのとやらないのとでは、先に待ってるものが大きくちがっていく。
金じゃないんだよ。金というのは回ってるもんですよ。だから、制作会社をはじめたんです。
そこでやっていくことが次に繋がっていく、それは繰り返しなんですよ。
その繰り返しはけっこうハードな作業です。だけど、これはどこでやめてもだめなんです。やめたらフェードアウトしていくだけです」

■糸井■
「うん、うん」

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(その後、矢沢は側近のスタッフの三十億円を持ち逃げされる)

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■矢沢■
「30億円の事件のとき、『矢沢は、もう終わったな』と思って、やけ酒飲みまくってたの」

■糸井■
「うん」

■矢沢■
「酒は便利がいいもんでね。なぐさめてくれました。でも、1週間で飽きるんです。こんなことやってても、何も解決しない」

■糸井■
「うん、うん」

■矢沢■
「ぼくが有名人だから、マスコミは、おもしろおかしく書き立てるんです。被害者なのにね。そうしたら、腹立ってきたんですよ。こんなことしてらんない、マスコミの連中のさせっぱなしにさせない。そうしないためには、「借金を返す」ってことだけだったんです」

■糸井■
「ああ」

■矢沢■
「家族に、言われたんですよ。お酒もいっぱい飲んだでしょ?飽きたよね?たしかにタイヘンな額だけど、矢沢永吉が本気になったら返せない金じゃないから‥‥って。そんなことないんですよ、本心は」

■糸井■
「30億だからねぇ」

■矢沢■
「でもオレは『マジ?』って聞いたの。3回くらい聞いたの、『マジ?』って。
そしたら『マジ』って、返ってきた。おれは、その「マジ」っていう言葉に、すがりたかった。ほっとしたんだよね」

■糸井■
「ああ‥‥」

■矢沢■
「『マジだよね?』『マジ』『‥‥オッケー』って。それから、本気で走った。
よし、マスコミの野郎にぜったい、おもしろおかしくさせないぞって。もう、怒っちゃおうって」

■糸井■
「若返ったんだ」

■矢沢■
「仮想的というか、敵にしちゃったんだよね。そう思い込んだら借金の返済に向かって、一気に走ったよ」

■糸井■
「ははー‥‥」

■矢沢■
「真正面に、解決したんです。借金を返済した。そしたらね、まわりで拍手が起きたんです。ざわめいているのが見えたんだ。これが『解決』ってやつかと。『ケツを拭く』ってやつかと。そしてマスコミは、解決してるやつを、おちょくれないんです」

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■矢沢■
「今だとね、鳩山さんがいなくなりましたけどってメディアに聞かれるんです。
オレには、よくわかりません。わかりませんが、ひとつだけ、言いたいことがある。それはね、野党もメディアも一億数千万のわれわれ国民も鳩山首相に丸投げして、それでチャラにしようと思ってんの?‥‥ってこと。あの人ひとりにおっかぶせて、リングに彼を放り込んで、寄ってたかって、言いたいこと言って。
こんなの、あり?次だれ? 菅さん? 時間の問題だよね。だって、その仕組みが変わらないんだから」

■糸井■
「その、よってたかっての仕組みが」

■矢沢■
「ずるいよ」

■糸井■
「オレ、ツイッターで、鳩山さんのイタコをおろしていろいろいわせればいいのにって書いたら‥‥」

■矢沢■
「よく、そんなこと思いつくねぇ」

■糸井■
「そしたら、みんなが、そうだと思うって。つまり、伝えてる側の人たちが
ワーワー言ってるだけでふつうのひとはけっこう、あんなによってたかって‥‥って、思ってるんじゃないかな」

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■糸井■
「子どもに、お金の話って教えてる?」

■矢沢■
「うん。子ども3人いるけど、かならず言うのはおなじことばかりなんだけど、
お前たちには敵がいるって。それは、苦労したことしたことないことだ。そいつは、牙をむいてくるぞって」

■糸井■
「はー」

■矢沢■
「おぎゃあとうまれてから、冷暖房完備でしょ。このまえも、息子に怒ったんですよ」

■糸井■
「おとうさんやるねぇ」

■矢沢■
「たまたまお父さんオフだったからね」

■糸井■
「オフでしたか!(笑)」

■矢沢■
「エアコンつけっぱなしだったぞ。座れ。正座だ。お前、このエアコン代、タダか?ペイしてんのは、お父さんだ。誰かが金払わなきゃなんないんだよ」

■糸井■
「エコか? よりタダか? だね」

■矢沢■
「とにかく一回キレイごとは言わないで、『だれが払ってるんだ?』って。
だから、役人も、寸法バッチリあわせて話さなきゃダメだよ。あらゆる問題はそこから。うちの40人の社員に、かならず言うの。あのね、会社のカネだったら、なんでもいいのか?自分のがま口から金が出ると思ってみてくださいよ。国だってそうじゃん。そのへんを考えたら答えは出ると思うよ」

■糸井■
「うちはそのへん、大丈夫かもしれない。というのも、初期のころから、あらゆることをタダでやってきたんです。それ、どうにかタダでできないかなって。はじめにそこを考えてからだと、お金を払う意味もきちんとしてくるし、できないことって、あんまりなくなるんです」

■矢沢■
「それは、自分のがま口から、というのとおなじことだね」