kananagaの日記

音楽したり絵を描いたり紙芝居したりするkananagaの暮らし

ワンデーガムラン・ピクニック本番

2007-09-16 | 日記
ワンデーガムラン・ピクニック、昼の1時から夜の8時まで、観るのと出るのと、とっても楽しんだー。ほんとに、どれも面白かったなあ。

映像上映「音楽ノ未来」(2006)より野村幸弘の3作品、面白いなあ&懐かしかった~。

マルガサリによる、ガムランの古典曲。聞けず。しかし、今日の古典曲がここだけ、という展開が、実はすごい。日本におけるガムランが、古典をやる以外の語彙もすごく持ってきてる、ということだ。

地域で活躍するグループその1は、ティルト・クンチョノ。碧水ホールのガムラングループだ。日本の、水口の民話なのかな?を、影絵で。ガムランと、このとっても日本的なものの組み合わせが、面白い。

地域で活躍するグループその2は、スカル・ムラティ。岐阜のグループ。坂野嘉彦さんの曲、きれいなフレーズが聞こえてくる。メンバーに藍染めをやってるひとがいるそうで、きれいな白~藍へのグラデーションの衣装が、また、演奏に華を添える。今尾真琴ちゃんの曲は、準備で聞けず(昨日も)、また、録音で聞きますー。

地域で活躍するグループその3は、野村誠+林加奈によるワークショップの参加者の皆さん。野村誠と林加奈は、演奏はせず、ビデオ撮影に走り回る。我々が抜けての初めての演奏、ちょっと心配、をよそに、いや、ある意味予想通りに、本番、すごくよかった。やはり、子どもたちのやる気がすごいので、昨日まである程度(表面的には)グダグダにやってても、本番が、ピシッといくねえ(なんていうんだろう、これは、グダグダっていうものなのではないのかもしれないかな、こういうものなのかもしれないな)。大人たち、もちろん、すごくいい。普段ガムランなんてやってないひとたち、でも、ひじょーに、音が、いい、という、ミラクルが、普通のことになっている。

三輪眞弘、野村誠、本間直樹によるトークショー「ガムランの作曲について」。kananagaはこのときは、ワヤンのスクリーンのかげでメイクしながら聞いていたので、あまりしっかり覚えていないー。また、録音を聞こうと思う。でも、確か面白かったように思う。

新しいワヤン(影絵芝居)「ピンス」HANA & JOSS、林加奈、井上信太、中川真。今日、kananagaが唯一出演した演目。お、面白かったよお~~~。んで、もっと発展させたい気分が、メンバー全員にありあり。ワヤンとガムラン、そこに、ティンパニとシンセとおもちゃ楽器が入り、衣装や美術がヘンテコ素敵で、照明も凝ってて、パフォーマンスもあって。んで、ローフィの語りがまた、ひじょーにいいもんで。次に向けて、は、kananagaとしては、もう少しパフォーマンス時間がとれるなら、音楽の分量というか、音楽だけで聞かせるようなところをもっと増やしたいなあ。あと、もちろん今日も面白かったが、昨日のゲネのほうが、より、だらだら感というか、いい意味の気楽さ満載で、それがおかしかったと思うので、そういうところ、より推し進めてみたい。

野村誠、佐久間新、寺内大輔、鈴木悦久による、インプロヴィゼーション。鈴木さんのこういう即興は初めて観たが、守備範囲が広く、どうでるかわからない感じ(この4人は全員そうだが)。鈴木さんは、まあまあ最近に、首の骨を骨折されたそうで、首に、あれ、なんていうの?固定しとくためのやつを巻いていた。本番前に、それをはずすのかどうか、ということについてだいぶ話し合ったが、鈴木さんは「なんか考えます」と言っていた。んで本番、ロビーで売っていたジャワの素敵な柄の布をあれのうえから巻いて、まるでマフラーのようにして登場した。そしてそれが、途中ではずされて、パフォーマンスにひじょうに面白い形で使われることとなる。佐久間さんは、お客さんとの境界線にほとんど常にちょっかいかけるアプローチ。それでいて、なんていうか、空間を大きくキープできている、とでもいうのだろうか、それが見事だなーと。寺内くんは、今日は、前に出るというよりも、中間地点あたりに居を構え、ときどきおいしい出方をするような感じ。野村誠が、割と(表面的には)おとなしめで、黒幕的にマニアックに場をいじっていた。後半、WSメンバーの子どもたちが、思いっきりパフォーマンスに参加。その場面は、観ているときは、ちょっと完成度が落ち、間延びした感じにもなっていたと思ったが、最後までいくと、ああ、これでよかったな、と思った。言葉でまだうまく言えないことが、何年かすると、言葉でも言えるようになる、たぶん、そういう種類のものなんだと思う。そういう、貴重なことが起こっていたと思う。

ガムラン音楽の最前線その1は、詩人の上田假奈代さんと、マルガサリのコラボ。假奈代さんのWSで、メンバーには、事前に誰かにインタビューをして、それをもとに詩を作る、というミッションが出されていた(kananagaは、本間さんと、まりちゃんに、インタビューされていた)。まず假奈代さんが中川真へのインタビューをもとに作った詩の朗読からスタートし、色々なメンバーが色々なひとにインタビューした詩を朗読しながら楽器も鳴らしながらウロウロする。演奏前の假奈代さんのコメントに、「ガムランがそもそも詩だ」というのがあったが、声と楽器の関係が、そんな感じになっていた。途中、はいはいする赤ちゃんが客席からゆるやかに乱入、ばっちりだった。最後のほうで、佐久間さんと假奈代さんがデュオでゆるやかに踊る場面があって、そこが妙に色っぽく、ときめいた。

ガムラン音楽の最前線その2は、作曲家三輪眞弘さんの曲をマルガサリが演奏。kananagaは元々、三輪さんの作る音楽が大概好きなんである。40分の大曲、超、美しい、音も、動きも。衣装は、インドとかのお坊さんのような感じで裸の上に赤い布を巻いている。衣装も、踊りそのものも、とってもよかった。ずっと、ストイックに音が鳴り、重なり、機械的に踊りは進行するのだけど、すごく有機的に感じられる。歌が入ると、丹田のあたりから食道のあたりを刺激される感じがする。ガムランは、セットによって音がみんな違うので、その都度音選びに微調整が生じる。ゲネと本番は、音が違っていた。昨日のゲネで充分美しかったが、ゲネのあと三輪さんが選びなおした今日の音のほうが、更にいいと思った。なんていうのだろう、毒が入ってより美しさが増したというか、リアリティが増したことで、より根本的なところを揺すぶられる感じになった。


夜、温泉で足ツボマッサージを受け、疲れをとる。