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韓国映画「青燕」 合作映画は、やはり難しい!?

2006-10-28 01:19:02 | 韓国映画
東京国際映画祭で「青燕」を鑑賞した。制作費129億ウォン(約13億円)の韓国・日本の合作映画である。韓国では大ゴケした作品であり本当にそうなのか・・反日的な感情もありヒットしなかったのでは・・と色々な想いが鑑賞前に頭に過ぎった。
日本(アジア)での初女性パイロット誕生の話で、この女性パイロットが韓国国籍だったという視点から製作された作品である。
韓日の合作には、もってこいの企画だったのだが・・。

この作品の評価は個々の判断にお任せして、なぜこの作品自体が韓国で大衆に指示されなかったのかは映画を見終わり理解できた。

韓国人の立場で見れば、反日感情の激しい国民性から主人公には感情移入出来ないであろし、反対に日本人から見れば当時の日本の悪行?を見せ付けられているようでサクセス的なドラマだとしても感情移入出来ないのだ。(1930年代、朝鮮半島が日本の植民地だった時代の頃の話)

素材に着目した史実が、あまりにも日本・韓国のどちらの立場で描くとしても中途半端になってしまっているのだ。
それは主人公の女性パイロットは強制的に日本へ連れてこられたのではなく、自分の意思で日本で航空技術を学びに留学しに来ているので脚本的にも両国のどちらつかずになってしまっている。



やはり合作とは軸足を一方に決めた方が、話が分かりやすく喜怒哀楽も感情移入しやすく映画として楽しめるのだ。
クリストイーストヴッド監督の硫黄島の2部作のように自国から見た戦争・他国からみた戦争という感じで製作した方が、感情的に映画を見る観客にも意識せずに人間そのものの感情を理解出来 引き込める事が出来るのであろう。

(硫黄島の映画は世界1・2位の映画市場であるアメリカ・日本のマーケットを意識した戦略はどうなるか?公開前の現在ではわからないが・・この映画が成功する事で日本と他国との合作製作が、ある意味で意識的に変わる可能性を秘めていると言えるであろう。)




「青燕」は苦労して集めた複葉機を使った飛行シーンと一緒にCG合成した映像は一見の価値がありオープニングから期待させてくれるが、あとが続かない・・スピード感もあまり派手には表現出来ない旧型のプロペラ機が主体では^^。

ストーリー的にもう少し飛行免許を取得するまでを描くとか、ベタでもポイントを絞りこんだ話のほうが密になり感動的になったはずである。
あまりにも一人物の生涯に幅を広げてしまった事が全体的に薄っぺらい作品となってしまっている事は、韓日合作の大作でもあり非常に残念である。

なにはともあれ 日本からはアジア合作の常連である仲村トオル氏も共演している本作を公開時?ぜひ劇場で!

「青燕」韓国URLhttp://event.movie.daum.
net/tab/chungyeon/


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アジアの風新作パノラマ
青燕Cheung Yeon
インターナショナル・プレミア
「最優秀アジア映画賞」対象作品

Staff 監督:ユン・ジョンチャン
製作総指揮:キム・ジェヨン   製作総指揮補:イー・ドンジュ/キム・ジュヒ   製作:チェ・ソンス   脚本:ユン・ジョンチャン/ユイ・インハ   撮影ユン・ホンシ   音楽:マイケル・スタウダチャー   編集:ハン・スンウオン   美術:竹内公一

Cast チャン・ジンヨン/キム・ジュヒョク/笛木優子(ユミン)/仲村トオル(特別出演)

Story 1930年代、朝鮮半島が日本の植民地だった時代に実在した韓国最初の女性パイロットの短い生涯を描く900万ドルの予算を投じた大作。監督はホラー映画「鳥肌」(2001)のユン・ジョンチャン。主演は「菊花の香り」のチャン・ジニョン。子供のころから空にあこがれていた少女パク・ギュンウオンは日本に渡り飛行学校に入学する。日本人の女性パイロットとの確執と友情、そして帝国陸軍の将校となった恋人ジヒョクとの別れを乗り越え、キョンウォンは愛機「青燕」に乗って大空を飛ぶ。

by東京国際作品紹介