かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

鳥が選んだ枝、枝が待っていた鳥

2006年06月25日 | 
 以前、小鹿田焼きの集落を紹介したことがあります。小鹿田(大分)と黒谷(京都)の集落の風景がよく似ています。焼物と和紙という違いはあれど、その営みが似通っているせいでしょうか。黒谷の人にその感想を説明したら、うれしそうに喜んでくれました。
 まず山深い澄んだ川沿いに集落は生まれる。
 原料を山から調達する。
 川の水を引き込む。
 その水を利用して、原料をよくタタく。
 (写真上2枚)
 タタく音は集落に響いている。
 不純物を除き、細かな粒子にする。
 (写真下2枚)
 焼物はろくろを廻す、和紙は漉く。
 そして天日に干す。
 焼物なら窯に入れるが、和紙は出来上がる。
 水と木と土と日と風と火と。
 金と月があればほとんど一週間の歌が歌えそうな営みなのです。

 思い出すのは河井寛次郎の言葉。
「鳥が選んだ枝、枝が待っていた鳥」

 風景と人間の関係の幸せが、小鹿田にも黒谷にもある。