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お猿畠の大切岸

 『お猿畠の大切岸(おさるばたけのおおきりぎし)』とは、「名越の切通し」の項目で触れた切通しの「道」としての性質だけでなく、もう一つの性質である「防御構造の性質」を特に実感させてくれるものといえます。 

 逗子市側に向けて大きく垂直に人工的に削られた全長800m以上の*切岸は、まさに大切岸と呼ばれるのに相応しい大がかりなものであり、鎌倉時代の北条義時・泰時の時代(13世紀)に造成されたものといわれています。三浦半島を本拠とした仮想敵対勢力であった三浦一族に対する備えといえるでしょう。

*切岸・・・山の尾根の外側垂直に削って敵兵の登攀を妨げる防御施設

 『お猿畠の大切岸』の「お猿畠」とは、「新編鎌倉誌」によると、名越の切通しの北の山をお猿畠山といい、日蓮上人が鎌倉に来た時に、この山の岩穴に居を構えたところ、賤しみ憎んで誰もお布施をする者がいなかったと。その際、山より猿達が来て、食べ物を差し入れてくれたという故事からきております。(昔のお猿さんは心優しいんですな~^^)

 そして猿達に感謝した日蓮上人が、この山の南に創建したお寺が「法性寺(山号は猿畠山)」となり、この法性寺の墓地から『お猿畠の大切岸』を眺めます。

 

「お猿畠の大切岸」(法性寺墓地より望む)  

 

 「法性寺」のアクセスは下記にあるとおりですが、法性寺から行くと、かなりの階段を昇らないとたどり着けませんので、「名越の切通し」にハイキングに行った際に併せて行く方が行き易いので、そちらをお薦めしま~す^^  

 その際の行き方は「名越の切通し」の項目をご覧ください。途中に「法性寺」の墓地に行く道を載せております。そこからだと、数分で法性寺の墓地に到着しますよ。  

 

お猿畠の大切岸上を歩く

 
お猿畠の大切岸より法性寺を望む

 

 『法性寺』のアクセス

①JR逗子駅から 
京浜急行バス(1)29番系統の亀ヶ岡団地循環の逗子駅行きで、「法性寺」下車
(2)30番系統:鎌倉駅行きで、「法性寺」下車
②新逗子駅から 
京浜急行バス 30番系統:鎌倉駅行きで、「法性寺」下車
③鎌倉駅から 
京浜急行バス 鎌倉駅東口より30番系統の新逗子駅行きバスで、「法性寺」下車  

  「法性寺」のバス停から法性寺に入り、奥にある墓地から見ることが出来ます。  

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名越の切通し

 『名越の切通し』は鎌倉駅から徒歩30分ちょっとの距離にあり、昔からの雰囲気を感じさせてくれるばかりでなく、「パノラマ台」からの眺望も抜群のため、お薦めです^^
 あと、時間も掛からないので、是非、一度足を運んでみてくださ~い^^

 さて、『名越の切通し』について、少し説明しますと・・・
 『名越の切通し』は鎌倉七口(朝比奈・亀ヶ谷坂・化粧坂・巨福呂坂・極楽寺坂・大仏坂・名越)のひとつで、現在の逗子市と鎌倉市を結ぶ切通しとなります。地名の由来は「難越(越え難し)」からきており、また「名越の切通しは三浦へ行く道なり。この峠、鎌倉と三浦の境なり。甚だ峻険にして、道狭し。(新編鎌倉誌)」ともあるように、狭く曲がりくねった道が続き、途中には、置石や掘割り等も見られ、道としての役割だけでなく、三浦半島に勢力を誇る三浦氏に対する防御施設といった2つの性格を併せ持つことを感じさせてくれます。

 
 ①置石
 道の真ん中にこんな大きい石が・・・かなり通行人にとって迷惑ですね。



 ②急に曲がる道
 石も邪魔だなと思いますが、ここで急に道が屈曲します。




 ③掘割り



 入口から10分程で分岐点があります。左に上がる道は「パノラマ台」方面に、そのまま進むと「まんだら堂」、「大空峒」に行きます。

 分岐点                分岐点の目印です


 
 まず、まっすぐ進むと直に立ち入り禁止のフェンスがあります。
 ここを進むと、「まんだら堂」になりますが、現在は逗子市で調査・整備中のため入れませんが、気を落とす事なかれ^^!平成22年度には公開される予定だそうです^^
 ちなみに、「まんだら堂」は、自分も以前整備される前に一度だけ行ったことがありますが、やぐらが150以上存在する葬送遺構となります。

 まんだら堂(平成22年度になるのが待ち遠しい!がんばれ逗子市!)




 まんだら堂前から数分で、「大空峒(おおほうとう)」に到着です。
 「その峻険にして道狭し左右より覆いたる岸二所あり。大空峒、小空峒という。(新編鎌倉誌)」
 ここが大空峒といわれてます。ちなみに小空峒はいずこに・・?、もう無くなってしまったといわれています。う~ん、残念!

 「大空峒」





 さて、先ほどの分岐点を「パノラマ台」の方向に進むと、直にまた分岐点があります。

 分岐点(緑ルートがパノラマ台方面 赤ルートが法性寺)



 法性寺に進むと、そこの墓地から「お猿畠の大切岸」が眺められますが、ここでは、パノラマ台方面に進みます。
 *「お猿畠の大切岸」は近日、ブログにアップいたします!・・たぶん^^


 分岐点からパノラマ台に進む途中に「石廟」があります。鎌倉は土地が狭く、平地も少ないため、やぐらに埋葬されるなか、この様な「石廟」とは・・・身分の高い人のお墓なのでしょうか。

「石廟」



 さて、道(大切岸の上)を進んでいきますと、直にパノラマ台の案内があります。
 「パノラマ台」からの眺望はすばらしく、逗子~鎌倉~江ノ島、そして時には富士山も一望できます。ここからの景色は、自分のお気に入りの一つです。

「逗子方面」・・・逗子海岸が見えます。



「鎌倉市内方面」・・・稲村ガ崎の向こうに、かすかに江ノ島が見えます。



 天気が良いと富士山も見えます。ただし、これは携帯で撮ったのであまりよく写っていませんが・・・




 『名越の切通し』に行く場合、案内という物はほとんどないので、行くのにとても苦労するかと思いますので、簡単に説明しますので、ご参考にしてみてください。
 バスで行く場合は、鎌倉駅東口より緑ヶ丘入口・新逗子行きの30番系統京の浜急行バスで、「長勝寺」のバス停で降ります。
 徒歩で行く場合、鎌倉駅東口改札を出て正面に進み、「鎌倉駅入口」の交差点を右折して、①横須賀線に交差する所の交差点を左前方に進むと、しばらく真っ直ぐに進みます。②そのうちに踏み切りに着きますので、踏み切りを越えたらすぐに左折して、細い道に入ります。③数分程歩くと、また横須賀線の踏み切りに着きますので、それを越えて右折です。④1~2分歩くともう「名越の切通し」の入口です。ここを右のあがる道を進みます。⑤横須賀線を見下ろしながら道を上がって行きます。時間があえば横須賀線が走っている姿も見えます。


①横須賀線が高架している交差点を左方向に進みます。
 判りにくいですが、左手に「ローソン」があるので、それに沿うように進みます。
 


②横須賀線の踏み切り(名越踏切)を越えたらすぐに左折して、線路沿いの細い道に入ります。



③また横須賀線の踏切です。ここを越えて右折に進みます。



④最後の難関です。ここを右の上がる道を選びます。
 数ヶ月前までは、手書きの簡単かつ目立たない!案内があったのですが、今はないです・・・あれってどうしたのかな~^^



⑤タイミングが合えば、横須賀線の下り電車が見えます。


 





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