よりみち文化財

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里程標のさきに

2007年08月03日 | 建築
鹿児島県 霧島市 横川町 大隅横川駅

肥薩線横川駅まで行く途中に里程標があります。
凝灰岩製でかなり風化が進み、文字も非常に判読しづらいのですが「鉄道大隅横川停車場九町三十間」と書かれています。反対側には「鉄道栗野停車場□□…」とあり栗野駅までの距離を示しているようですが、その下は風化で読めません。
肥薩線の線路沿いの道の脇にあります。

1町は60間でこれをメートルに換算すると約109メートル、ということは9町30間は約1㎞程になり、ここから1㎞先に大隅横川駅があることになります。
「停車場」という表記から、大正時代か昭和のはじめ頃のものでしょうか。



大隅横川駅の駅舎の造りは嘉例川駅と非常によく似ています。
ただ待合室の中央には、嘉例川駅にあったような椅子が置かれていません。利用者が多いからでしょうか。待合室は広く感じられます。

ホームの柱には、第二次大戦中に米軍の艦載機による機銃掃射があった時のの弾痕がまだ残っていました。20㎝角ほどの柱を貫通しており、直径は3㎝以上あります。もともとは屋根を貫通して柱を直撃したものであるとのことです。ホームの軒を支える柱で、案内板が付けられています。

肥薩線嘉例川駅や大隅横川駅には、古い駅舎や線路など、昔の景色を観るために多くの人がここを訪れます。長い時間、人々がずっと守ってきたものを観るために。







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