よりみち文化財

ちょっと寄り道して出会える、遺跡や石仏、史跡や鹿児島の田の神さぁを紹介

木崎原合戦場跡

2007年06月27日 | 遺跡・遺構
宮崎県 えびの市

九州縦貫道をえびのICで出て国道221号を西へ向かうと、文化センター前の交差点にでます。文化センターとは逆の方向に右折して南へ向かうと、やがて木崎原合戦場跡にたどり着きました。
もともと他の用事でここを通りがかったので立ち寄るつもりではなかったのですが、道路の脇に偶然古い石塔が見えました。
近くに車を停めて調べてみると「元亀二年」の銘があり「三角田」と彫られています。元亀年間という古い年号の古石塔はなかなかありません。この古石塔が本当に元亀年間のものかどうかはわかりませんが、これは近くに何かあるのではないかと思っていたら、「木崎原合戦場跡」の案内板と、駐車場が目に入りました。

「木崎原合戦」といえば、薩摩琵琶に同名の曲があり、弾奏を聴いたことがあります。戦の様子を物語る、迫力に満ちた曲でした。
元亀三年(1572年)5月4日、伊東勢3000と島津勢300が南九州における天下分け目の戦いを繰り広げた、激戦です。
島津義弘公率いる島津勢の勝利となりましたが、戦死者も多数となり、この近くには六地蔵塔が建てられて供養とされています。

写真は、伊東氏が陣地とした鳥越城の近くから、合戦場の中心である現在の池島神社があるあたり(北方向)を向いて撮影しました。
北には平野が広がりますが、背後(南・東方向)は低い山に囲まれています。少数の軍勢でありながら山頂に多数ののぼりを立てて、島津の援軍が大軍で来たと見せかけ伊東軍を驚かせた島津義弘の智略を、ふと思い出します。

現地には詳しい案内板もあり、宮崎県指定文化財となっています。


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