鍼灸如何に学ぶべきか~科学的鍼灸論の構築のために~

鍼灸の理論と術にかかわる初歩的・基本的な問題を中心に科学的=論理的に唯物論を把持して説(解)いて行きたい、と思います。

「鍼灸・東洋医学の学びの総括(ブログ版・1)」〜自身の鍼灸・東洋医学に関わる疑問あるいは鍼灸界の現状について〜

2019-01-03 16:15:02 | 鍼灸学校の学びの総括あるいは鍼灸・東洋医学とは何か
 時の経つのは早いもので、自身が鍼灸学校へ入学して鍼灸・東洋医学を学び始めてから4年近くの年月が経とうとしている。自身の鍼灸・東洋医学の学びはその当初よりわからないこと疑問だらけであり、かつそれを学校の先生や周囲に質問してみても、ほとんどの場合、満足な答えが得られることは無かった。
 これは今にして思えば、自身ですら何を知りたいのか、知らねばならないのかが明確ではなかったから、ということもそのことの大きな原因であったと思えるのではあるが、当時は、そのことすらが分かってはいなかったので、かといって分からないから自身のもやもやした疑問をそのままにして済ます事もできず、であったので、わけの分からないままの質問を何度も何度も繰り返して、先生方や周囲を困惑させてしまう事も、度々であった。

 当時の自身の疑問、質問を思いつくままに上げてみると以下のようなものであった。

 1、東洋医学とは何か?それは西洋医学とはどう違うのか?どう同じなのか?

 2、東洋医学と東洋医療とは同じものなのか?違うものなのか?

 3、東洋医学が観念論(的)である、というのはどういうことなのか?

 4、科学的な鍼灸論とはどういうものなのか?

 5、鍼灸と科学とは相容れない、というのは本当なのか?本当だとすればそれは何故なのか?

 6、脈診とは何か?それは何を診ているのか?

 7、経絡とは何か?経穴とは何か?

 8、五蔵とは何か?

 9、経絡と臓腑とのつながりは本当なのか?それはどのように証明されるのか?

 10、鍼灸の補瀉とは何か?

 これらの問いについては、その都度に先生方や周囲の鍼灸師氏に質問し、また自身なりの答えを出して本ブログでこれまでも説いてみてはいるが、その時々の自身の能力を超える事も度々で宿題としているものも随分とあったので、この「鍼灸・東洋医学の学びの総括(ブログ版)」では、現時点での自身の実力から、出来る限り説いてみたいと思う。

 このように述べると、それらの問いに対してはもうすでに答えは出されている。お前が不勉強だから知らないだけである。との声があるかもしれない。
 確かに、現在の鍼灸・東洋医学の世界においても、自身の疑問に対しての答えは与えられている、とは思う。しかしながら、それらの答えは観念論的なものであったり、あるいは単に事実を述べるだけの(タダモノロン的な)ものでしかなく、自身の求めるもの(自身を納得させてくれるもの)では無いとの思いがある。
 では自身が求める答えはどのようなものであるのかといえば端的には、「現在までの鍼灸・東洋医学の世界で、観念論的に、あるいは唯物論(タダモノロン)的に説かれている、解いたとされている問題とその答は、本当には、つまり唯物論的=科学的=論理的には、どういうことなのか?」ということになる。

 以下そのように説いていきたいが、まずその前提として、何故に唯物論的=科学的=論理的ということになるのか、それ以前に、そもそも唯物論的=科学的=論理的ということは如何なることなのか?ということをアバウトにでも説いておきたい。
 何故ならば、鍼灸・東洋医学の世界においては、それらは言葉としては使われることはあっても、その中身は少しも理解されていない、にも関わらずそれらをわかったつもりになっての発言が日常的になされてしまっている、からである。

 例えば、「鍼灸と科学とは相容れない」とはよく言われることであるが、その発言を聞くたびに、「そもそもが科学とは何か、理論とは何かということを本当に分かって言っておられるのだろうか?」と、いつもいつも疑問に思わされるのであるから・・・・・・。
 どうしてそのような断言的な物言いをするのかといえば、科学(あるいは理論)とはアバウトには事物の一般性(一般的な性質)を問うて問題にするものであるから、「鍼灸と科学とは相容れない」と。鍼灸というものを一般的に規定してしまうということは自己矛盾である。ということすら分かっていないということなのであるから、といえば読者の皆さんには分かっていただけるであろうか?

 ともかく、鍼灸・東洋医学の世界(の人びと)は、科学とか、理論とか、論理とか・・・・・・要するに学問的な概念というものについての一般教養を、恐いくらいに欠落させている、という現実がある。厳しくいえば、常識レベルでしかそれらを捉えていない、例えば、科学といえば数値化とか、せいぜいが統計とかをイメージしてしまうレベルである、でしか無い。
 それゆえに、ここはまずは少しの回り道をして科学とは何か、とか論理とは何かといった学問的な概念について、(自身の実力からは)一般教養レベルでではあるが、まずは説いてから、本題に入っていきたいと思う。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。