ラジオ体操は何故効くのか?を考えることで、自身の施術の指針が得られたと思える。
自身では、運動不足あるいは運動の苦手な患者に対して、ラジオ体操と歩くこと(と相手を見て、ぶら下がり運動)をすすめるのが常なのであるが、素直に実行してくれる患者は少数派であり、中には、「何でラジオ体操?」と反発する?患者までいる。
それゆえに、ラジオ体操の意義を毎回の如くに説くことになるだけに、自身でもラジオ体操は何故に効果があるのか?と一度ならず自問自答することとなっている。
自身ではこれまで、ラジオ体操を、全身を満遍なく動かして、その歪を整えてくれる運動、言ってみれば、自己整体あるいは動的ストレッチと捉えていて、かつその様に患者にも説いていた。
しかしながら、先日、患者にラジオ体操の意義を説く中で、何故にラジオ体操はわずか7分間ほどの運動であるのに大きな効果があるのか、を説いていて、「それは、通常の日本人の日常生活の、家事だとか仕事だとかによる身体の歪を整える中身を持つからであり、もっと言えば、日常生活の全てと一緒になって日常生活全体として、全身運動となる中身があるからである。」と説くこととなった。
これは、運動にも、「生命の鎖」(ウイリアムズ)と同じような論理構造がある、つまり、人間の運動というものも、部分部分をいくらしっかりと運動してもダメであり、全体として部分部分がバランスしてはじめて、全体としての運動となるという「生命の鎖」と同じような論理構造があるのであり、ラジオ体操というものは、日常生活の家事や仕事等の運動(これも運動である)の欠けたる部分を補う(繋げる)ことで、全体として運動を完全なもの=全身運動へとしてくれるのだ、ということである。
この様にラジオ体操を捉え返してみると、そこから、自身の手技療法の施術をいかにすべきか、ということも見えてくる、と思える。
端的には、患者患者の運動体の歪を見てとっての、「生命の鎖」の欠けたる鎖を繋げるべくの施術である。ここは改めて、と思う。
リズムに合わせて動かす・意識する事、
対象に合わせる事の効果もある、ようです。