自車両での講習会参加と、レンタル車両での講習会参加、どちらがお得なんでしょう?という話題を耳にします。 僕も講習会/スクールへの参加は、まずは警視庁主催の講習会から始まりました。
わかりやすいコストから考えてみます。一日の受講料は保険料の 200 円(だったかな…)。たしかに安いです。自分の車両で練習しますので、ガソリン代とタイヤ代、オイルなどの消耗部品は自分もち、ということになります。僕は主に750ccのバイクで熱心に砧の指導センターに通っていましたが、750はそれなりの重量車でしたので、タイヤの消耗は早かったです。2ヶ月に1回は前後、交換していました。 タイヤ同様に、オイルも同じような頻度で交換していました。概算してみます。
・タイヤ前後+工賃 : 約 50,000 円 (2ヶ月に一回)
・オイル(モチュール) : 約 8,000 円 (2ヶ月に一回)
・ブレーキパッド : 約 10,000 円 (前後、3ヶ月に1回)
・チェーン+スプロケット : 約 20,000 円 (年に1回)
典型的な消耗部品については、こんなところかな。他にもブレーキフルードや冷却水の交換もありますが、決して交換頻度は高くありませんのでここでは概算に入れていません。(ただし、リアブレーキがベイパーロックした場合は速やかな交換が必要です。)
これらをひと月あたりに換算すると約 36,000 円。あの当時は月に6回くらいは練習してましたから、実は1回あたり、6,000 円以上かけて練習していたんですね。 (実はいま初めて計算してみた次第です(笑)あのころから何年もたっているのに(笑)。)
一方、レンタル車両で行うスクールは HMS が代表的なものですが、こちらでの練習は一回あたり約 12,000 円(会場によって差はあります)。だいたい昼食と送迎バスなど込みでこの料金となります。料金だけで見ると、こちらのほうが高いのですが、インストラクターの方々は教えるプロフェッショナルですからそのコストや教えていただく貴重な内容への投資もふくまれます。
練習する参加者の側の意識もさまざま。ときに真っ二つに分かれます。
「自分のバイクをコカすのは嫌。だからレンタルバイク」
「自分が日ごろ乗っているバイクで練習してこその練習」
「車両のコンディションがばらばらになりがちなレンタル車では練習になりにくい」
「さまざまなバイクに乗りなれることで、幅広い適応力を身につけられる」
などなど。 「レンタル車両で行う練習」「自分の車両で行う練習」、これはもう優劣をつけるものではなく、それぞれの特性を踏まえて、参加する人のニーズと意欲にあわせて選択していくとよいものだと思います。
自分に合った講習がどれであるか、最近はインターネットの普及もあり、豊富な情報が得られるようになりました。ばなさんも早くからその活動には尽力されていましたし、彼の「バイクに乗ろう」に勇気付けられて講習会への参加を決意した、という方も多数いらっしゃいます。
そういうライダーがこれからも増え続ければいいな、と思います。 どちらのタイプの講習会/スクールに参加するにせよ、最初はどんな練習をやるのか、果たして自分はついていけるのか、しり込みする気持ちを抑えに抑えての参加になるものだと思います。
「決してそんなことはないんだよ。いざ走り出してみればすごく面白いんだよ」
一度体験してみれば、心からそう思うに違いないこの楽しみをたくさんのライダーに味わって欲しいな、と思います。
奇しくも今年はたいへんな暖冬。春の訪れも早そうです。それにあわせて、スクールの練習の楽しみと、その意義に触れるライダーがたくさん登場する日の訪れも早いような気がします。
---
(追記) 2/10 00:08 現在、ひろちゃん、NEON さん、m@TL×Mさんから、、弊記事の本文に追加したいくらいの素晴らしいコメントをいただきました。
弊ブログは、こんな素晴らしいコメントを頂くライダーのみなさんに支えられてこそ、の存在である、と痛感します。お三方、ありがとうございます。みなさん、ぜひ、コメントにも目を通していただき、練習への意欲とうまくなりたい昂ぶる気持ちを携え、講習に参加なさってみてください!
私も熱心に砧に通っている最中です。
もっともご存知の通り、腕はヘッポコライダーですけど。
自分は、HMSの素晴らしさを分かった上で、やはり自分の愛車で練習するに、一票を投じたいと思います。
どんな車両のてもと言うのは、一理ありますし良く理解も出来ます。
その反面、外れ車両に当たると・・・(汗)尻で着地する羽目に。
と言うわけで、自分の乗る車両に責任を持つというのも、安全運転の一環なのかな?
と考えています。
ばなさんの件は本当に残念でした。
車仲間から、バイクにも広がった繫がりですが、彼の意思を継ぐべく自分で出来ることをこれからも真摯に実行するまでですね。
オートバイは、倒れることが当たり前の乗り物ですし、気を抜けば危険極まりない乗り物です。
それを分かった上で、安全に乗ろうとする人間を応援できる立場に早くなろうと思います。
楽しさと安全の重要性を少しでも理解してもらい、悲しい事故を防ぐ意味でも。
さて本題ですが、どこを練習のメインステージにするかは、その人の考え方とフトコロ具合しだいですから、ご自分で判断すればいいことだと思いますね。
ただ気をつけなければならないのは、身につけた技術が「限定された特定の条件化でのみ通用するもの」になってしまっていないか、ということではないでしょうか。(これを『技術の分化』と呼ぶそうです)
晴天下でレンタル車両のHMSでは素晴らしい走りをするのに、雨の日や自車両での講習会、旅先の公道なんかでは体が萎縮してしまい、ヘンに走りがギクシャクしてしてしまうようなライダーをたまに見かけます。(逆に警察系講習会常連がHMSのレンタル車両では、借りてきたネコ状態になってることもしばしば・・・)
どこでどんな練習をするにせよ、身につけた技術を今置かれている状況にすみやかに技術を応用できること、日々刻々と変化する環境のなかで常に余裕を持ち安全マージンを確保した走りを組み立てることが、ライダーの目指すべきところではないかと思います。(これを『分化』に対して『技術の汎化』というそうです)
ほんとうに「上手いな!」と思わせるライダーとは、高いレベルで汎化された技術をもつ人なのだと思います。
もちろん自分がめざす所も、そこにあります。
さて、スクールで乗るバイクですねー。究極的には、やっぱり自分でバイクを持って、その面倒を見ることやセッッティングも含めてバイク文化だと思うんです。
でも、乗り初めは、とてもでないですが、そこまでできませんし、レンタルはありがたいですねー。ただ、免許とりたての頃は250ccでも、ずいぶん大きくて怖かったです。キッズでは、QR50とか70とかが用意されていて、うらやましく思ったものでした。そういえば、SRTTの以前の多摩の、初心者の日は、超初心者とか、すんごいリターンの場合、XR70のがあって、そういうのはすばらしいと思いました。あと、250や400が平気になっても、色んなポジションですね、特に脚の。やっぱり市販車のノーマルでは、身長170とか175cmぐらいの男性に合わせて作られているのではないでしょうか?合っていないのに、脚が大切とか、ステップワークとか言われても、本当の本当は、その人に合ったポジションので練習していった方が、ライテクの基本が身につきやすい気がします。
それと、色々なコンディションのでライテクの幅を広げる、というのも、こういうケースの練習をするから、こういうふうにバイクをセッティングして、というのが本当ではないでしょうか。その人に今一番必要な練習と、バイクのコンディションが不一致ですと、ちょっときついかな、と思います。偶然に当たったバイクのコンディションを見抜き、それに合わせて対応でき、それが練習になるのは、かなり上な級者ですよねー。
とはいっても、色々な車種を所有するなんてとてもできませんし、レンタルもありがたいです。わたしの場合、自分で持って公道で乗るには、大きくて(車体も排気量も)無理だけど、そのバイクの感触が大好きで、クローズドのところで、そのバイクの感触を味わいに行くために、ちょっと遠いけど楽しみにうかがっている所もあります。
あとは、レンタルバイクで限界はあるけれど(コンディションとかポジションとか)、イントラさんのアドバイスがすばらしければその魅力で行きますねー。
だけど、TRは絶対自車両(というかその人に合ったバイク)で行うべきだと思います。
(色んな考えがあって当然ですけど、レンタルだからコカしても・・・と言うのは、自分の場合はできないです。乗ってる間は、自分のバイクのようにかわいがりたいし、レンタルのスクールでは、レッスン後のバイクの手入れの時間が短いのが寂しいんです。)
コメントが素晴らし過ぎて書きこみをどうしようかと・・・
まだまだ超ヒヨッコ受講生としては
レンタル車両がいいです。
バイクはこけるもの
確かにその通りなのですが・・・
自車両をこかしてしまうことを思うと
つい尻込みしてしまい
どうしても控えめになってしまいます
HMSでは、レンタルだから・・・と言うこともあり
自分の力+αでトレーニングできるような気がします
昨年秋、スポライに参加しました
教習所で自車両でのトレーニングでした。
HMS浜名湖とは違い路面の悪さなど気になることが多く
今1歩思い切ったトレーニングができませんでした。
気後れして頂かなくて大丈夫ですよ。みなさん、日ごろ、大変真剣にいろいろな講習会/スクールでバイクの練習を楽しんでいるみなさんです。
自車両での練習も、レンタル車両での練習も、それぞれ一長一短はありますね。これはもう、一人ひとりの置かれた状況と好みで決定すればよいと思いますが、最終的には NEON さんのいう「汎化」された技術を目指したいですね。
イントラさんはまさにそのスキルが柔軟で、非常に高い、ということです。
継続は力なり。続けていれば、かならず上達していきますから!
で、何度か HMS 初級を CB750 で走り、初級レイアウトなら苦労せずに走りきれるようになった頃に自車両で警察系講習会に参加したところ、思ったように走れずに愕然とした覚えがあります。まさに技術の「汎化」に至っていなかった次第です。
今は 桶川HMS x CBR600RR を主軸にしつつ、ときどき車両や会場を変えてみたり、自車両での参加となる警察系の講習会や KAZE グッドライダーズスクール、トミライ、SRTT多摩などに参加しています。車両・コースが変わることで、自分の技術が向上しているのか単に慣れただけかが分かりますし、また人によって指導・助言の方法も異なるため、あるところでは腑に落ちなかった内容が、別のことでスッと解決なんてこともあります。
自車両とレンタル車両どちらが良いかは、何とも言えません。ただ、できればホームコースを決めて自分を定点観測した上で、それ以外の世界にも定期的に足を運ぶと良いのかなと思います。
個人的には今年は低速系講習会だけでなく、サーキットとかダートトラックもかじってみたいと夢想中です。
issei さんが書かれた内容とこれまでの道のりは、まさしく練習が好きで、いろいろ悩み迷いながらも少しずつ技量が上がり、余裕や柔軟さも増えつつある過程にあるライダーの典型だと思います。僕が「師匠」と仰ぐ浜名湖のイントラさんはこの過程を
「ライディングの引き出しを増やす」
と表現なさいました。
さまざまなシチュエーションで、さまざまな車両、季節、天気などの異なる条件で、キモチよく楽しく操るためには、乗り手側の幅広い対応力を強化していくことが必要ですね。これが「汎化」につながると思います。
そしてその汎化は、講習会だけにとどまらず、サーキット、トライアル、モトクロス、はたまたロングツーリングや日ごろの街中走行やメンテナンスへもつながっていくと感じています。
乗れば乗るだけうまくなり、新しい世界が見えてくる、ということなんですね!悩みながら、頑張りながら、おおいに楽しみましょう!