晴朗無上

日々の出来事など

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2008-11-05 17:13:22 | Weblog
「至福の味」(ミュリエル・バルベリ著)

 寿命は、あと48時間。
 そんなとき、何を考えるだろう。

 この本の主人公、「世界で最も著名な美食家であり、また批評家」は、
 子どもの頃に食べた、懐かしい味を探し出すのだ。
 すごいな、美食家!

 お話は、この美食家にまつわる人々(ペットの猫までが!)が
 彼について、あれこれとそれまでの思い出を語るのだ。
 ・・・まあ、でるわでるわ、やな奴だったらしい、この美食家。

 そして、死ぬ少し前に、何が食べたかったのか、思い出す。
 ・・・どこのスーパーでも売っているという「シューケット」というお菓子。

 ちょっと、皮肉な結末だけど、案外、そんなものかも知れない。
 
 ぜんぜん関係ないけど、わたしのおじいさんは亡くなる前に
 「キャラメルが食べたい」と言って、おばあちゃんが買いに行ってる間に
 息を引き取ったそうだ。
 お酒が大好きだったらしいのに、なんでキャラメル?ってかんじだ。
 やはり、懐かしい味だったのだろうか?

 この本の著者については、なんの予備知識もなかったのだけど、
 なんとなく読んでいて、きっと男性作家と思っていた。
 ところが、まだ30代の女性だった。
 小説という、つくりものの世界に、どんどん引き込まれた。