6月13日の集まりで話された抄録を紹介します。
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「安保体制と新ガイドラインで日本はどう変わるのか?」
柳澤氏は、25ページものレジュメをもとに話されました。その一部を紹介します。
自民党政府に40年間尽くしたが、今回の法案は読めば読むほど、まずいと思う。1997年の日米ガイドラインやイラクのサマワへの自衛隊派遣の仕事をしてきた、その誇りをもとにそう考えます。
今回は、あの時できない、しなかったことが次々とできる、それもまさに対米一体化「歴史的転換」です。新安保法制は、平時から計画・政策を一体化させる。地球規模へと量的拡大、自己保存から任務遂行のためという武器使用、平時からの米艦防護もする、と。
安倍首相は、
米艦を守る→強固な同盟を示す→抑止力が高まる→戦争にならない
として、抑止力が飛躍的に大きくなると言いますが、
米艦を守る→日本が敵対国になる→攻撃を誘発する→戦争になる
という流れもあるわけで、もっとも悪い状況・リスクを考えず説明もせずに済ませていい訳がない。
自衛隊員は、「日本の平和と独立を守る」「日本国憲法を遵守」「事に臨んでは危険を顧みず」と宣誓して入隊します。ところが専守防衛ではなく、アメリカと一体化して活動すると。現場は1発撃てば1万発撃ってくるかもしれないものです。サマワの時、あるいはと覚悟をしたが撃たずに済んだ、小泉首相には「死ななかった」ことより「1発も撃たずに済んだことの重さ」を伝えるよう求め、記事になりました。
過去、集団的自衛権が使えていたら、ベトナム戦争でもイラク戦争でも、自衛隊は直接かかわっていたでしょう。周辺問題の尖閣にしても、歴史と地政学的条件につき相手方の視点をもとらえないと、間違ってしまいます。理解せずに煽って何のメリットがあるのか。
法律ができたら終わりではありません。強行採決は政権の「終わりの始まり」。法律制定には国民投票がなくとも来年の国政選挙があります。実質的に憲法を改正されたことが焦点。70年間の重さ、銃を使わない・殺さないという「日本ブランド」を大切にすべき、と思っています。
(抄録責任-滝本太郎)