下記は、当会の一会員の作ったQ&Aです。当会の統一的な見解を示すものではありません。が、参考になりそうなのでアップします。転載自由にて。
Q 北朝鮮や中国から攻撃されるんでないの?
A 北朝鮮が日本を先制して武力攻撃することはありえないでしょう。すれば直ちに北朝鮮政府を武力で崩壊させる正当性ができ、北朝鮮政府は崩壊ですから。
ありえるのは、米国が攻撃して、その反撃として日本の米軍や自衛隊基地そして原発などにミサイルを撃ち込まれることです。全面戦争となった場合の被害は分かりません。2週間で日本と朝鮮半島で2~300万人の死亡だと。
中国の覇権主義は確かに心配です。ですが中国の最大貿易相手国は米国であり、日本も重要な相手国です。あり得ない話です。また自衛隊は、フィリビンやベトナムと異なり、実質有数の軍隊ですから、南沙諸島とは異なります。尖閣諸島では互いの海上保安庁程度にて、国威発揚を続けあい、やがて忘れられていくのが最もよい方策だと思うんです。
Q なぜ、自衛権とか自衛隊とか書き加える程度なのに反対するのですか。
A これ、
1―2015年安保法を前提とした改憲であり、海外派兵を限度なく進めるためのもの。
2―ヘリ空母の戦艦いずもを改造して戦闘機の着艦可能な航空母艦とし、空中給油機、敵基地への先制攻撃をできる武器を持つ、小型核兵器ならば論理的には保持できるとかって今の自民党・安倍政権は言ってるんです。侵略的兵器をますます装備することになっていくってまずいって。
3―あの侵略戦争、無謀に戦争につきまともに反省してない輩ですよね、そんなのは専守防衛から離れていくだけっしょ。
4―ますます米国の植民地軍になっていき、日本が自立できずまずいんでないの。日米地位協定で、米軍関係者が基地の外で罪をおかしても当然には強制捜査できないって酷くないですか。トルコだって自国の米軍基地から他国を攻撃する場合は、承認するかどうかの判断ができるのに日本はできないんです。ああ、米軍基地経由で入ってくると日本の入管は誰が入国したか知らないってすごく怖い話ではないですか。植民地根性過ぎませんか。
Q 安倍9条改憲には海外派兵とか書いてないよ。
A どこの国の憲法にもまず外国派兵が可能なんて書いてないです。第二次世界大戦前のパリ不戦条約(侵略戦争も武力での解決・威嚇もダメという条約)もあり、防衛のためと書いてあるものです。「国を守るため」として外国に派兵するものなんです。
今、安倍9条改憲は、2015年安保法を前提にしていてます、すなわち海外派兵がもちろん可能、それもわざわざ「自衛権の行使を妨げず」とかここで憲法に書き入れるのであって無限定の海外派兵になる、というのが9条改憲なんです。
Q 自衛隊は、そもそも違憲だと思う、でも助かるし必要だから書くべきではないの?
A 災害の時などとてもありがたいですね。ですが災害支援は主たる任務ではなく、緊急支援隊とするなら誰も賛成するでしょう。ですが、そのためならば消防など書いてないのと同様で、憲法に入れる必要もないです。
そして防衛のために何かないと不安ですね。政府は、自衛隊が違憲だという論理を従前はとって来ませんでした。専守防衛のための最小限のもので武力ではないからだと。それも一つの考えです。
しかし、ここで9条に「自衛隊」とか「自衛権」の規定を入れるのは、2015年安保法を前提とし、それ以上のことを自衛隊にさせるということになります。2015年安保法で、歴代の自民党内閣の「集団的自衛権の行使はできない」は180度転換。自民党が推薦した憲法学者、歴代内閣法制局長官、最高裁の元長官さえ「違憲」と断言したのです。違憲の法律を作ってから明文改憲をしようとするは「犯罪者が刑法を改正しろと言っているようなもの」です(首都大学東京の木村草太准教授)。
そして、その限定的だとして海外派兵に道を開いた2015年安保法を超えていくんですから、限度なき海外派兵が当たり前になります。だからまずいんです。
Q 自衛隊を書かないって、非武装でいいっていうの?
A 改憲反対の人の中には、非武装主義の人も、1970年代の自民党の専守防衛論の人など、多くいて、時に大激論しています。
後者の人は自衛隊が専守防衛していくのは当然とし、非武装主義の人も国連軍というのがしっかりできた時のことを言う、いわば理想としての非武装主義のようです。直ちに非武装とか非武装中立とかっていう人は、ホントに少ない感じです。
ですが皆、安倍9条改憲には反対する、という点で一致して行動しています。なにせ海外派兵が限定なく、それも米軍の下っ端として動いていくんですから、自衛隊につき吉田首相が言ったように「100年兵を養うは真実侵略された一日のため」だったはずなんですから。
Q 専守防衛論って、中国のみならず北朝鮮も核ミサイルを持った今日。もう無理ではない?
A もちろん専守防衛論は、核兵器攻撃などどんな攻撃にも耐えられる防衛力を持つということではないです。圧倒的にやられれば降伏は当たり前でしょう、パリを燃させないために?ナチスに降伏したフランスのように。万万が一侵略されたら、国連の集団安全保障が機能するまでなんとか抵抗していく、というものです。
完全に対抗するには、米国やロシア、中国のようになっていくしかないでしょうけれど、それは専守防衛でもなく、費用が掛かり過ぎて日本の国力をむしろ失わせ、昔のソ連のように自壊するばかりです。日本は、すでに1200兆円の国債の4割を日本銀行が持っている(つまりお札日本銀宇券を刷っているだけ)という異常なアベノミクスが進められてきているんです、それこそが危機です。
自衛隊の専守防衛と共に、日米安保を維持していくかは議論が分かれます。ただ軍事同盟とするにしても、昔の日英同盟のように、同盟といっても日本国内に米軍基地を置くのか前提ではないんです。米軍基地を撤去してもらいつつ、同盟を維持していくこともありえます。
ああ、在日米軍は条約上も、日本を守るためとはなってないんです。広い地域に存在感を示す、米軍の世界戦略のためにあるんです。実際遠いイラクまで行ったんですから。ですが、米国は地政学上、日本と同盟を結び続けるメリットがあるんです。もっと強気になりましょうよ。
Q 自衛隊を書き加えるだけならいいんでないの?
A 2015年安保関連法では、8割の国民は、反対や疑問?不安だと言いました。「憲法違反では」と言ってた人はテレビからおろされる一方で、マスメディア首脳は首相と会食をくり返すあり様でした。
防衛大臣は、この法律を審議する際に、米軍機の出撃前後に自衛隊が給油しても兵站(へいたん)としてできる、米軍の核爆弾さえも搬送できると答弁しました。「核兵器は除く」という修正もないまま成立したんです。派兵は「事後承認」でもできます。事前でも国会は特定秘密保護法を使ってろくに審議せず「存立危機事態」として参戦できます。その上での、自衛隊、自衛権を書き加えるって危なさ過ぎましょうと。
Q 米国追随って、しょうがないのではないの?
A アメリカが介入したベトナム戦争には、韓国も加担して人を殺し、韓国兵も5000人近く殺されました。大量破壊兵器があるとのウソで始まったイラク戦争では、英国が加担して人を殺し200人近く殺され、結果がIS(イスラム国)と数百万の難民です。
アフガンで用水路を作って救ってきた中村哲医師は「日本が手を汚してしまったら活動できない」と言います。70年間「殺し殺されなかった」ブランドを生かしてこそ、平和に貢献できるのではないでしょうか。
そして、先制攻撃もあり得る、まして核兵器も使うような言い方をしているトランプ政権ですよ、危なっかし過ぎます。仮に日本が追随するとしても、もう限度を超えているんではないですか。
だからなのか、自民党でも、戦争を知る長老が派兵と今次の改憲に反対しているんです。鶴瓶さんなど多くの有名人も、声を上げています。
Q 緊急事態条項って必要では?
A これ、国会の議決ないまま、内閣が「緊急事態」と宣言して、政令で表現の自由、財産権、居住移転の自由など奪えるものなんです。それも、原発事故での「緊急事態宣言」は解除できないまま原発の再稼働をさせたままの政権が言ってるんです。安倍さんが昔の天皇以上の独裁者になってしまうって思いませんか。昔の「天皇大権」も実は「天皇の名において権力者が好き勝手をする」ものでしたね。
Q 誰のための改憲かな
A 防衛予算はもう年間5兆円を超え、武器輸出三原則ももうありません。経団連は武器輸出を「国家戦略として推進すべき」とし、政府はその代金に「貿易保険」を適用すると。我々の税金が兵器産業に補助されてます。そして、あの危なっかしいオスプレイを17機、通例の倍と言われる1000置く円程で買うと言います。米陸軍は装備していないのに、です。その他にも米軍兵器を高額で買うようです。
Q ひろく、一緒にやれないの?
A 立憲野党は共闘しないとね。1994年6月、自民党は与党に戻るために、社会党の村山党首を総理大臣にする投票までして与党に戻りました。思想も政策も違いますが「共闘」をしました。中国では、直前まで殺し合っていた国民党と共産党が「国共合作」をして日本軍と戦いました。幕末の日本、殺し合っていた長州軍と薩摩軍は「薩長同盟」を結び幕府を倒しました。
何とかしないと、よろしくお願いします。