こんにちは
毎度おなじみ流浪のKボーイです
このところ、東京近郊を走る電車ばかり取り上げていたので、今回は関西の新快速電車のNゲージを取り上げます
現代ではなく1970年代を走り抜けた「ブルーライナー」です。
ということで、
KATOの153系「新快速」低運転台になります
来週、TOMIX製が発売されますが、ここあえてのKATO製。しかも中古ではなくれっきとした新品。新宿区中落合のイトウ模型で拾ってきたものになります。
2002年の製品でそこまで古いように思えませんが、模型自体の構造が古いので取り扱いには苦労します
◎製品概要◎
模型は2002年頃発売で、プロトタイプは、1972年から1981年にかけて宮原電車区に在籍した新快速用153系になります。製品名にある通り、両側先頭車は低運転台です
□商品名:品番10-344「153系「新快速」低運転台 6両セット」
□車種構成
モハ152-70
モハ153-70
モハ152-113(動力車)
モハ153-113
クハ153-11
□付属品
パーツ類は
・信号炎管
・ヘッドマーク用台座
・ヘッドマーク用シール
になります
ヘッドマークは153系共通のシールになります。新快速用ヘッドマークのほか、新快速色との混色が見られた急行「比叡」「鷲羽」も含まれております
□その他仕様
・車体は屋根から分解する構造(床ボディ)
・パンタグラフはPS16Aタイプ
・室内灯は品番11-201対応、現行製品取り付け不可
・台車はピン止めタイプ
『鉄道ピクトリアル』2018年4月の153系電車車歴表によると、セットに含まれている車両は、クハ153-11を除き全て宮原電車区新製配置車になります。クハ153-11はモハ91系のクハ96011として大垣電車区新製配置され、後に宮原電車区に転属しています。そして、6両とも117系が登場した1980年に廃車になっています
概要は以上です
◎模型の細かいところ◎
まずはお顔から見ていきましょう。
古い設計ですが、153系らしさが出ていると思います。
新快速色の場合、貫通扉の渡り板が余計なディテールになるかな。水色と白の塗り分けは若干ぼやけていますが時代相応と言いましょう。もっとも今度発売するTOMIX製がどこまでキレイに仕上げるかは見ものですね
ここで現行水準で作られた165系急行型電車と並べてみましょう。
今の製品にはない野暮ったさが、古い製品の魅力ではないでしょうか?
先頭車を斜め上から見てみましょう。
屋根上のベンチレーターは昔ながらの屋根板と一体成型です。AU13形クーラーはこの時代も別パーツですが、今の製品はメッシュ表現が進化しています。
モハ152形のパンタグラフ周り。集中クーラーは屋根板と一体成型です。パンタグラフはPS16Aタイプになります
ライトは標準装備で、光源はオレンジ色LEDです。ヘッドライトはかなり明るく点灯します。
側面の水色帯はきっちり決まっていると思います
クハ153形先頭部拡大。所属標記の「大ミハ」とATS標記「S A」、エンドマーク標記は印刷されています。
モハの車端部拡大。トイレ窓はすりガラスになっています。客室扉などのHゴムが窓サッシと同じ銀色です。これは当時の113系2000番台や115系1000番台でも見られた昔ながらの仕様。台車はDT21っぽいけど、枕バネが空気式のタイプです。
◎整備の話◎
さて、買ったからには入線整備を行いましょう。
今回はヘッドライトを電球色LEDに交換します。
用意するのは、
品番4015-6G「クハ153 538ヘッドライト」です。2012年に生産された153系湘南色で採用された電球色LEDです
これを元のライトユニットと交換するだけでOKなのですが、分解が大変です。
何しろこの製品、KATOの古い製品に見られるワガママ「床ボディ」
いわゆる屋根から分解するタイプです。
「床ボディ」は車体が補強を兼ねた床板止めと一体になっているのが特徴。屋根板はボディではなくガラスで固定します。今の製品は「屋根ボディ」と呼ばれる構造で、ボディは屋根板止めと一体、床板は側面ガラスで固定と「床ボディ」とは反対の構造です。
なお、動力車の場合は下の画像のように
床板止めを大部分撤去の上、窓ガラスで動力ユニットを保持します。補強を兼ねた床板止めを撤去していることから、当然車体の強度は低くなります。また「屋根ボディ」製品のようにトレーラー仕様の車両に動力ユニットを組み込む、逆に動力車をトレーラー仕様にすることは容易ではありません
さて、「床ボディ」の分解方法ですが、旧室内灯(品番11-201)の説明書きでは、妻面からドライバーを差し込んで屋根板を外す方法が記載されていましたが、現在はその方法はメーカーとして推奨されておらず、KATOカタログでは、
車体の前後を押す、あるいは軽くねじって屋根板のツメの掛かりを甘くして、屋根板の外す方法が記載されています。どちらにせよコツが要ります。雨樋を傷をつけないによう細心の注意が必要です
この分解が難しい「床ボディ」ですが、組立は逆に簡単です。あと、屋根板のツメが弱くなると、ボディとの密着性を確保するのが難しくなるという欠点がありますね
そんな厄介な構造に負けず、ライトを交換すれば、
電球色LEDは素晴らしいですね。もっとも当時、日中はヘッドライトを点灯させずに走っていたからね
「新快速」のヘッドマークは付属のヘッドマークシールを使用します。一方で前面表示はあまり似てないので、
グリーンマックスの113系エコノミーキットに含まれていたシールを使います。最終的に鳳車両製造製のシールにする予定ですがね。
一方で、長年のお店で在庫になっていたこともあって動力ユニットとクハ153-11のライトが不調。これからメンテナンスを行う予定です。もう色々と整備をしたいので、それが終わったらもう少し詳しく書こうかな
◎車両紹介◎
完全に整備が終わっていませんが、いつもの車両紹介です。
・モハ153-70
実車は主抵抗器や主制御器を搭載する中間電動車です
紹介は以上です
◎オマケの当時の時刻表◎
模型ばかりだと面白くないでしょ?
手元に現役当時の『交通公社の時刻表』1974年10月号があるので見てみましょう
当時の内側線を走っていた新快速が外側線の優等列車を追い抜いた。というのは当時を知らない鉄道ファンでも有名な話です。
実際、上りの時刻表を見ると、日中の京都方面の新快速と北陸方面特急「雷鳥」が大阪駅同時刻発で、おおむね新快速が京都駅に先着していました。
例えば上の例では、15時30分に大阪駅同発で、新快速が京都に15時59分、「雷鳥」が16時01分着でした
このパターンは1975年3月10日のダイヤ改正まで続きました。この改正で「雷鳥」が湖西線経由になったと同時に、新快速と同発にならないように大阪発の時刻を若干繰り下げました。
大阪行き「雷鳥」の場合、基本的に新快速のかち合うことのないダイヤでしたが、
京都駅を特急「雷鳥」の1分後に出て、大阪駅に「雷鳥」より1分先着する、そんな新快速もありました。
この場合、1分差ということから考えると、京阪間で熱い並走が見られたのかもしれません。
一方で優等列車が新快速に抜かされず必死になって逃げる例もありました。
それが12時45分発急行「但馬3号」。可哀想に新快速と同発、しかも神戸も止まるので停車駅が一つ多い。
それでも逃げる。とにかく逃げる。頑張って姫路に4分差をつける。
今の新快速が尼崎、芦屋に停車しつつも三ノ宮まで21分ぐらいで行ってしまうことを考えると、当時の大阪―三ノ宮間ノンストップで25分というのは、かなりゆとりがあったと思います。とは言え最高速度も低く鈍重な気動車、おそらくキハ58系ですが、姫路まで逃げ切るのは大変だったのでは?
当時の普通電車のページ。掲載は朝晩のみですが、運転間隔からして、昼間は京都―甲子園口、吹田―西明石間の交互かなと推察できます
この山陽新幹線は岡山まで、岡山以西山陽本線は特急列車が花盛り。紙面にはびっしり列車が埋まっております。
ちょいと駆け足になってしまいましたが、簡単にKATO製153系新快速のお話をしました。古い模型なので今の模型に慣れた方には受け入れがたい部分もあると思いますが、それはそれとして受け入れて遊ぶのが「大人の嗜み」なのかもしれませんね
以上です
関連記事
KATO 117系<新快速>セット→コチラ
とても興味があります。
どんな教示だったのでしょうか?・・?