※この記事は2017年10月19日に投稿した記事の修正版です
本日もご覧いただきまして厚く御礼申し上げます。
毎度おなじみのKボーイでございます
さて先日、KATOから「E231系500番台山手線〈最終編成〉」が発売されました。
私は購入していませんが良い機会です。「最終」とは反対の「最初」の製品について今日はお話したいと思います。
今回の「最終編成」が11両セットで発売されたように、現在の日本製Nゲージ車両はセット販売が主流です。
単品販売というと、実車が1両単位で走るような気動車や客車、貨車が中心で、長大編成を組む都市圏の電車は、増結用車両を除き単品製品はほぼありません
しかし、かつては都市圏の電車でも単品売りがありました。
TOMIXではJR西日本207系や209系京浜東北線、KATOでは205系山手線や201系中央線で単品販売がありましたね。
現在は全てセット売りへと移行しましたが、おそらくNゲージ新製品として、最後に単品で発売された都市圏の電車が、
KATO E231系500番台山手線色の初回品です
2003年7月に発売されたもので主な仕様は
・プロトライプは山手電車区所属の513編成
・スカート原形
・全車三菱製AU726クーラー
・非フライホイール動力で低速ギア仕様
・号車表示非印刷で車椅子表示のみ印刷
になります
確かセット品を併売することなく単品製品のみ
製品構成は、
品番4470 「クハE231 500 山手線色」(クハE231-513)
品番4471 「クハE230 500 山手線色」(クハE230-513)
品番4472 「モハE231 500 山手線色」(M付き モハE231-538)
品番4473 「モハE231 500 山手線色」(Mなし モハE231-537)
品番4474 「モハE230 500 山手線色」(モハE230-538)
品番4475 「サハE231 500 山手線色」(サハE231-513)
品番4476 「サハE230 500 山手線色」(サハE230-525)
の全7種類でした
このような販売形態は特定車種のみ売れ残る可能性が高く、薄利多売の量販店が嫌がるのが道理。また、既にセット売りが主流になりつつある中で、車番の被りを敬遠するユーザーからの意見が多かったようです。
結局、単品販売は1回のみで、2005年に5両基本セットと6両増結セットの販売に移行。そして現在は4両基本+4両増結A+3両増結Bで構成されるベストセレクション商品に落ち着きました
車両の造形は今と変わりませんが、現在のKATO製品に採用されている各種機構が確立する前で、随所に古さを感じる模型になります
具体的にどこが古いのか、詳しく見ていきましょう。(比較用の現行水準製品は品番10-578・579 ・580になります)
(左:現行水準 右:初回品)
見ての通り、お顔の造形は一緒。
しかし、初回品はライトの光源が白熱電球で、ぼんやりと点灯します
しかも、
単品時代は、前面窓ガラスの黒色フィルムと日よけの表現が省略されていました
他方、床板も
運転台仕切りを再現したシースルー構造ではありません
なお、床板を単純に現行品(スナップオン台車用)に交換することは固定用のツメの位置が異なるため不可能です。同時に側面ガラスも現行品に交換する必要になります
動力ユニットも非フライホイール動力です。
奥のモーターの小型化を実現したフライホイール動力と比較すると、床下機器のレリーフが浅いですね
またこの製品は低速ギアを採用していました。
低速ギアはその名の通り、スケールスピード実現のために低速走行性能を上げたもので、KATOでは2003年頃から一部の製品に採用されました。
非常に実感的なのですが、如何せんE231系に採用したのが運の尽き。若い層からは受け入れらず結局短命に終わりました
左:通常ギア 右:低速ギア
ウォームギアにその違いが出ています
初回品の模型的に古さの解説は以上です
そのほか初回品の仕様を述べると、
所属標記は「東ヤテ」が印刷済みです
サハE231の弱冷房車表示も印刷済みです
車椅子マークは印刷済みですが、号車番号の印刷がありません
単品製品で号車番号を印刷済みにすると同じ号車が複数出てしまいます。とはいえ、号車番号が無いと違和感があります。どうやって表現するのでしょうか?
インレタ?
それはTOMIXです
正解は
シールで号車番号を表現する、でした
シールは、クハE230とクハE231に付属しており
両製品のインサートの裏面にはシールの貼り方が書いてありました
でも、シールは厚みがあるし、今ならガレージメーカーのインレタの方が良いと思います
なお、付属のシールには号車番号のほかに
・行先表示
「821G 品川・渋谷方面山手線」
「1531G 新宿・池袋方面」
「1860G 東京・上野方面」
・優先席表示
が収録されています
前面の行先表示は、前面のFRP部分を外して貼ります。
今と同じやり方です
〇主な車両の画像
ここまで、ざっくり単品製品の特徴を書きました
単品のみという販売スタイルもさることながら、2005年前後に始まったNゲージ車両技術の革新直前で、古さは否めないいですね。
現在も定価販売の個人模型店に行くと、中途半端に在庫が残っているのをチラホラ見かけます
今更11両編成を組んで走らせる製品でもありませんが、KATOのNゲージを語る上では興味深い製品だと思います
以上です
しかしながら、せめて、もう少し具体的な売買方法をお書き願います。
しかし 10-578 世代の動力ユニット・動力台車は手に入りませんし、10-890 以降だと台車の色が違います(もっと濃いグレー)
今どきの動力台車からウォームギア・ギアボックス・ギア付き車輪の3点を取り出して移植したら、高速化(標準化)できるんですかね?(パーツ取り付け寸法的に互換性があるのか?)
・・・って、わからないですよね・・・ヒトバシラーするか・・・