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じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

百器徒然袋 瓶長 志水アキ・京極夏彦

2011-11-08 | コミック
百器徒然袋 瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤 (怪COMIC)
志水アキ 京極夏彦
角川書店(角川グループパブリッシング)


今年の初めに、鳴釜という第一作が出ましたが、これはその第二作です。今日買ってしまいました。
私個人としては、こちらの話の方が好きです。

薔薇十字探偵の榎木津礼二郎の破天荒ぶりは相変わらずですが、この作では、私が一番面白いと思っているキャラクターである今川雅澄が登場します。ちょっと今川さんについて説明しますと、本編の「鉄鼠の檻」で最初に登場するのですが、榎木津の軍隊時代の部下で、金沢の螺鈿作家の家に生まれ修行したものの才能がないと自分で見切りをつけ、骨董屋「待古庵」を開業します。なかなか頭の回転が速いのに、造作の大きなしつこい顔のせいで愚鈍に見えてしまうと言う特徴から、榎木津には「ぐぶぐぶ魔神」とか「気持ちの悪い顔」とか、骨董屋の屋号をもじって「マチコサン」などと呼ばれてバカにされています。

そんな今川に、榎木津が元子爵で財閥の総帥である父(これがまた超変人)から、ペットの亀と「砧青磁」の瓶を探すよう依頼します(既にこの段階で奇天烈)。前の鳴釜で出てきた主人公(結局名前が明らかにされていない)がまたまた関わることになり、壺屋敷と呼ばれる屋敷に砧青磁があるのではないかと言う話で見に行きます。その屋敷は敷地と家の中すべてが壺と瓶で覆い尽くされていて、ど~にもならない状態になっています。
話はなぜそんな壺だらけになったのか、とか、その壺屋敷の壺や敷地をどうにかして食い物にしようとする骨董屋やヤクザなどがからんで、しっちゃかめっちゃかな話になっていきます。

探偵の美しさと変人さが、もう既に芸術の域に達していると思います。
今川のまじめで普通な性格と容貌の怪異さとのギャップも面白いです。原作も面白いのですが、コミックってのがまた良いですね。
お仕事で疲れたときにぜひ。

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