じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
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百器徒然袋 鳴釜 志水アキ・京極夏彦

2011-02-26 | コミック
百器徒然袋 鳴釜   薔薇十字探偵の憂鬱   (怪COMIC)
志水 アキ
角川書店(角川グループパブリッシング)


京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズで、私が一番好きなキャラクターの「榎木津礼二郎」の活躍する話のコミックです。
実際の本は、だいぶ前にブックオフに売ってしまったので、今回このコミックでまたまた楽しめました。

榎木津は、東京帝大法科卒のすばらしい頭脳と、ビスクドール(陶器人形)のような、と称されるすばらしい容姿に恵まれ、なおかつ実家は元子爵家で現在は財閥、という人もうらやむ境遇と経歴を持っているのですが、常軌を逸した変人で、周りの人間を下僕か動物かそれ以外という認識しかしていません。
人の記憶を読みとることの出来る不思議な能力を持っていて、薔薇十字探偵社という事務所を経営しています。
もっとも、元子爵で財閥の当主である父親から、財産の生前贈与を受け、その金でビル経営をしたりしているので、生活のために探偵をしているわけではないことから、依頼者に対しても偉そう。
そういえば、榎木津が細々とした依頼者からは報酬をもらっているという記憶があまりないですね。

このコミックの話は、ある女性が住み込みでメイドをしていた家の息子を頭とする馬鹿な不良グループに暴行されて妊娠してしまい、自殺を図ります。
その女性の叔父にあたる依頼者がつてを頼って榎木津の事務所に依頼にやってきます。
歯痛で機嫌の悪かった榎木津は当初事件に関わるのをいやがって、助手の益田(カマオロカなどと呼ばれて気の毒)が犯人グループを割り出します。ところが榎木津はその女性の産んだ赤ん坊のかわいらしさに心を動かされ、旧制高校時代からの知人の中禅寺秋彦を巻き込んで、犯人グループに仕返しを謀ります。
主犯格の、被害者の住み込んでいた家の息子は、偉い代議士の娘と結婚が決まり素行を改めるようになったのですが、榎木津は結婚相手の父の代議士や犯行グループの男たちなども一緒に催眠術などをかけたりして、息子の結婚式の当日にすべの悪事を暴露します。相手の娘がけっこういなせな性格でかっこいいです。

話の筋よりも、やはり榎木津と助手たちとのやりとりや、おろおろするばかりの依頼者の様子が面白いのです。
絵もすごくすてきですし、お好きな方は是非。

百鬼夜行シリーズも何年か前に出た邪魅の雫以来御無沙汰ですし、またそろそろ次を期待したいものです。

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