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じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

面積迷路 学研

2013-02-25 | 雑本
最近、kindleでの読書が多くなって、あまり紙の本も買わないのですが、名古屋でふと買ったのがこの本。

面積迷路 (学研ムック)
学研マーケティング


いやあ、なかなか面白いです。
むか~しのお受験時代、四谷大塚なんかに通っていた頃を思い出しますねえ。
面積や指定された部分の辺の長さなどを出す図形問題ばかりが集められています。

こんな感じです。




うまく割り切れないような場合は、計算をしないで、比を使って答えを出したりします。
この問題はあまり難しくないけれど、難しい問題もあります。
骨董品になりつつある頭を少し活性化させるのに良いかと思いますし、何よりこれを寝るときにしていると、けっこうすぐ眠くなるので睡眠導入に使っています。

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営業零課接待班 安藤祐介

2012-06-29 | 雑本
月末は仕事が忙しく、けっこう疲労困憊です。
こんなに働かされても給料は安く、これで生活しろと言われたら、所謂ワーキングプアでしょうね。

でもまあ、働く動機が社会性を失いたくないことと(のんびり過ごしたらバカになってしまいそうな焦燥感があります)、遊ぶ金ほしさなわけなので、これもまあ良いのかもしれませんが、このままの待遇でずっと働けと言われたら、とても長くは続かないかな、と言う気もします(まあ私の場合、まだ入って一年半経ちませんので、まだまだ様子見という感じですが)。
もっとも、待遇をもっと改善してもらうには、何もしないでいて、ただ会社から「あなたはすばらしい。いつまでも働いて欲しい。給料も上げますよ」なんていう、あり得ない話を待っていてはだめですから、少し沢山出しても働いてもらいたい、と会社に思ってもらうために努力しなくてはなりません。

それにはどうしたらよいか。私なりに考えることは以下の通り。
1.時給分は、一生懸命、陰日向無く一心不乱に働くこと
2.所属部署のチームワークを乱すことはしない
3.資格武装する

2は特に大事だと思います。
どんなに仕事が出来る人でも、マイペースすぎる人間が一人いると悪影響は計り知れないと思いますね。赤潮で海がが全滅するような感じです。
こういう人は、本当のことをこれが本当のことだよと言ってしまう場合が多いと思うのですが、これもダメな場合があると思います。

私はパートなわけですが、定期預金の獲得などの名目ノルマについても、設定されて色々言われます。
正直、この給料でそんな義務はない、と思っているのですが、そこで「私はパートなので関係ないし、こんなお給料でノルマなんて冗談じゃありません」なんていうそぶりは絶対に見せない、というのがチームワークを乱さないということです。偽善と言えば偽善ですが、多くの人間が一緒に働くためには必要なことでしょう。
会社側もそんなことは百も承知で言っているのだと思いますから、文句は一切言わず、だけど、自分を犠牲にしてまでノルマの達成に協力する義務はないというスタンスは固持して、一生懸命仕事するということで良いと思っています。

なんてまじめな事を考えてしまったのは、この本を読んだからです。

営業零課接待班 (講談社文庫)
安藤祐介
講談社


これ、なかなか面白かったです。
会社からリストラされて退職届を書いた人間ばかりが集まって、新しい営業の形を作ろうという試みで営業零課をというのが作られます。
新規の会社に飛び込みアポをして、人間関係の構築をしようと色々な接待の形を考え出していこうとする中で、ダメ社員達が頑張って自分の方法を確立して行く姿が、イージーな文体で書かれています。

しかし、働くと言うことは、生きがいでもあり、喜びでもあり、苦しみでもあり、面白いものですなぁ。

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銀行員のキミョーな世界 津田倫男

2012-03-18 | 雑本
3月になると、何かと人事異動の噂などあったり、夫の転勤の書類などを書けと言われたり、資格試験の勉強などあったりして、なんかこう落ち着かない毎日です。
やたらに宴会ばっかり多いし、よい子ちゃん(!?)の私はなんとなくおつきあいしてしまったりする。
で、あまり読書できていませんが、ちょっと面白かったのがこの本。

銀行員のキミョーな世界 - なぜ行内事情を押しつけるのか? (中公新書ラクレ)
津田倫男
中央公論新社


自分が銀行の仕事(ちょっと特殊なんだけど)をするようになるまで、この本に書いてあるようなことを良く思いました。
内容は……1.銀行員は偉そうにしている、2.客の利益より行内の事情を優先する、3.エリート意識が強い、4.謝罪をしない……な~んて感じ。まあ今はこのご時世だし、そうでもなくなっているのかもしれないけど、ちょっと前まではそういう感じでしたよね。

で、自分がいま、銀行業務のはしくれをしていて思うのは、2の「客の利益より行内事情」、っての、これは本当にその通りだなということ。
なんで、そういうことになるのか……今も私には理解不能なのですが、本には、銀行員の仕事は原則加減乗除の世界であまり難しくないため、行員相互の差がつきにくく、ミスをしないことを査定の大きな柱にするようになっているのではないか、とあり、銀行側もお客様に謝りたくないのでミスを産みたくなくて、非効率的なシステムなどが導入されてお客様には不便をおかけする、という理由が載っていました。
行員相互の差をつけるには、ミスさせた方が良いのに、なんて思わないでもないけど、お客様にしたらたまんないですね。
私自身がしたミスでお客様の通帳に「取り消し」なんて記載がされてしまったことがあるんですが、これはやはり、いやですね。自分の査定なんてどうでも良いんだけど、お客様の通帳を汚したような気がして、とても辛かった。

だけど、けっこうミスはあります。しかも考えられないようなミスが。
私は出金と入金を間違えたこともあります。本当にバカですよね。でも、誰でもあるらしいので、やはり人間ってのはダメですね。

だけどまあ、銀行と言っても、所詮は預かった人のお金で商売をする(人のふんどしで相撲を取る)業種なわけで、本に書いてるように、なんで偉そうにしたり、無駄なエリート意識を持つのか私にはやはりわかりませんね。たぶん融資にしても、間接金融だから銀行で責任取る以上客は選ばせてもらうよ、ってことなんだろうし、それはある意味その通りだと思うけど、自分のお金貸すわけじゃないしねえ、ダメならダメで言い方もあると思う。むやみにお客様に上から目線で言うのもねえ、反感もたれるだけでしょう。バカですね。

社会人力は、勉強の出来不出来や出身大学で決まるわけではないのだああとつくづく思いますね。
私も気をつけて精進したいものです。

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千思万考 黒鉄ヒロシ

2011-09-15 | 雑本
千思万考
黒鉄ヒロシ
幻冬舎


織田信長から始まって宮本武蔵で終わる、歴史上の人物の挿絵と著者のコメントの載ったきれいな本です。
黒鉄ヒロシさんといえば、新撰組の本など有名ですが、この本も面白いです。

中でも共感したのが、高杉晋作のくだり。
高杉晋作は結核で亡くなったのですが、その辞世の句が「面白き こともなき世を 面白く」というもので、未完なのですが(作り終わる前に力尽きてしまったという話)、これに同居していた尼さんが「すみなすものは心なりけり」と続けて完成させたと言われています。
これを著者は「モトニ(尼さんの名前)は余計なことをしてくれた」と言っています。私もまったく同感!!
なんか、下の句のおかげで超凡庸な感じの歌になってしまいました。
著者は上の句だけで良い!と言っていて、私もそう思うのですが、私がモトニだったら……と考えると、超凡庸のそしりを免れないと思いますが、「面白き こともなき世を 面白く」に「駆けも抜けたり 松と我が杉」なんて続けたいかな。
ほ~んと、私は吉田松陰が好きなんですねえ。へへ

その吉田松陰のくだりでは「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ 大和魂」
こりゃ、本当に吉田松陰らしい、ですね。身の破滅がわかっていながら、どうしようもない。身の破滅と思想の貫徹を秤にかけて、迷いもなく思想の貫徹を選ぶあたりが、まさしく。潔いとも言えますが、今の世にいたら、一つ間違えば、アルカイダですね。
だけど吉田松陰とアルカイダの違うところは、関係ない一般市民への巻き添えは絶対しないことじゃないかと思っています。

福沢諭吉のくだりもあります。
「天は人の上に人を作らず」
この時代では、斬新な思想だったと思いますが、維新後閥によって国の支配がなされていたことや、女性などがまだまだ低い地位に甘んじていたことなどを考えると、福沢諭吉の考える平等は分母を限定したものの中だけにすぎないのかな、とも思えます。
なんかよくわからない人のような気もしますが、一つだけ、幼稚園の頃父が買ってきた絵本みたいなこの人の伝記を読んで、子供心に本当に感動したことを覚えています。福翁自伝にも記載のある「いなり様のご神体をみる」というくだりです。
子供の頃の福沢諭吉が、実家近くのいなり様のご神体を見たら石ころだったので、それを捨て別の石を持ってきておいておいたことろ、大人がその石を拝んでいておかしかった、といった記載があります。なんとバチあたりな、と思う方もいらっしゃるでしょうが、これこそが子供の頃から私もやってみたいと思っていたこと!!だったのです。
私は少し変わっているらしいので、似た感性の人を知ると嬉しいものですね。ロクなものじゃないけど。

こんな感じですが、きれいな本ですので、ぜひ。


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普通のダンナがなぜ見つからない? 西口敦

2011-05-15 | 雑本
普通のダンナがなぜ見つからない?
西口敦
文藝春秋


本屋に積んであったので、ちらっと立ち読みしました。
ここのところ、どこかでバイキンを拾ったらしくて軽い気管支炎になり、微熱と頭痛で仕事もチョンボが多く、死んでおりました。
少し良くなって、ひさびさに少し大きな町に出て、ユルそうな本だなあと思って……ついついチラ見。

著者の方は、東大から長銀などを経て、長銀の破綻などに伴い独立されたベンチャー系の方のようで、近時結婚コンサルタント業にも進出し、講演なども多いとのことです。

中身は、常日頃私が思っていたことが書いてあって、やっぱりそうなのね、などと思ったりしました。
曰く、
1.アラサーの時代に自分の信念を曲げずに頑固でいると、おそらく結婚は出来ないだろう。
2.ごく普通の条件でも沢山重なると対象の異性は飛躍的に少なくなる。
3.自分が相手に沢山条件を出せる立場かどうかを、一度冷静に考えてみた方が良い。
などなど。

本によると、女性の多くは男性に「清潔感」とか、女友達に受けの良さそうなルックスなどを求めるらしいですね。
気持ちはわかるけど、どうなんだろう。
私は大学で夫に初めて会ったのですが、最初見たとき、「この人の着ているシャツはいったいどこで売っているのだろう」と思うようなシャツを着ていました(今でも当時の共通の友人と会うとその話で笑えます)。そして、通学のバッグにはカビが生えていて、とても驚きました。
だけど、話は面白いし、頭は良かった(今も頭は良いです)。性格も私と反対でおっとりしている。顔も嫌いではない。
だとすれば、なんとしてもつきあってほしいなあと思いました。
だって、シャツは私がそのうち違うシャツを着せてしまえばよいし、カビの生えたかばんは廃棄させてしまえば良いじゃないか、と。
カビバッグや変なシャツに固執する人なら、その時点でやめればいいし、なんて思いましたね。
最初から間口は狭くしない方が、良いかもしれない。

と言うわけで、配偶者がいればそれなりに楽しいですので、独身の皆さんが「これだ!」と思うような人に会えるように願ってやみません。
この本読んで考えてみるのも良いかなと思います。


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先生,どうやってヤセたんですか? 山田春木

2010-07-20 | 雑本
先生、どうやってヤセたんですか? (WAC BUNKO)
山田 春木
ワック

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私は,20代前半に胃潰瘍をして以来,40代前半までそれほど太っていませんでした。
30代の頃はむしろやせすぎていたと思います。
ところがここ5年ほどで,年齢的にもやむを得ないとはいえ,だいぶ太くなってしまいました。
ゴルフのトレーニングや筋トレをしているので,「良い体格」です。
もう年だし多少太くてもかまわないのですが,太くなってイヤだなと思うことは,細かった頃と比べて暑く感じること。特に夏の厳しさは堪えます。

太る原因は何かと考えると,ご飯自体はそれほど食べませんので,私の場合やはり間食だと思います。
基礎代謝は年齢の割に高くて1350ほどあります。
なので,摂取カロリーを1500くらいにすれば,運動しているのでやせるだろうと考えたのですが,なかなかやせません。摂取カロリーを1500に,というのは,とても大変。
外食はNGになりますよね。ファミレスなんかでお昼ご飯食べると1食で1000くらいいっちゃうメニューばかりですし……

そんなこんなでこの本を手に取りました。
この本の著者はお医者さんで,103キロから20キロほどやせて,リバウンドもないということです。
内容は単純で,やせたければ摂取カロリーを減らさなければならないというもの。

そのために邪魔な常識を挙げているのですが,なかなか説得的です。
例として,酒だけ飲むと良くないという常識。
酒とつまみを食べれば,ご飯を2杯食べるようなものだからオーバーカロリーになると言うことは,ああやっぱりねえ,と思います。
あと,1日に30品目食べなさいという常識。
こんなに食べたらオーバーカロリーになるということです。
あと,摂取カロリーを減らすには,1日単位ではなくて1週間単位で考えると,楽に減らせるというような記載もあります。外食はNGといっても,付き合いもあるし,1食1000カロリー食べなきゃなんない宴会もあるでしょうから,これは助かります。前々からとか,翌日節制すれば帳尻が合うというわけですし。

面白かったのは,人の目を気にすると,太るという例として,ケーキ屋さんでケーキを1つ買えるか,という話がありました。ある糖尿病の人の話。
この人,ケーキ屋さんに悪いような気がして,1つ下さいと言えなくて3つ買ってしまい,ダイエットに協力してくれる家族にケーキを食べることを知られたくなくて,内緒で全て食べてしまうということです。これでは駄目ですよね。

身につまされます。この本を読んで,私も少し筋力を落とさないように,以下のように頑張ってみています。
自分のためにお菓子売り場には行かず,ケーキは買わない。
替わりにコンビニで0カロリーゼリー(けっこうおいしい)を買っておく。
甘いものが欲しくなったら,甘い飲み物を飲む。
食べたくないときは無理に食べない。
料理は余分に作らない。足りないくらいで丁度良い。

更年期が収まればやせてくるとは思いますが,とにかく汗かくのも暑いのもイヤなんですよねえ。
やせたい方はご参考に読まれてみては。

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客室乗務員の内緒話 伊集院憲弘

2008-12-02 | 雑本
客室乗務員の内緒話 (新潮文庫)
伊集院 憲弘
新潮社

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仕事の都合やら旅行に行ったやら、体調が悪かったやらでだいぶ更新をさぼってしまいました。またぼちぼち書きますのでよろしくお願いします。

この本、飛行機の中で読む本として買いました。
内容は、乗客ネタです。

気圧が低い(早く酔う)のにがんがん飲み過ぎて粗相をする客や、いつまでたっても携帯の電源を切らない客などの困った話や、やたらにエアラインに詳しいオタクの客、客室乗務員のアナウンスや態度にいちいち腹を立てるクレーマー客など、大変な職業なのだなと改めて思わせられます。

日本のエアラインの乗務員さんは、優しいですよね。
成田発のアメリカのエアラインで、離陸滑走間際になっても携帯でしゃべっている馬鹿な女がいたので、「あなたの絶対に必要かどうかもわからない会話のおかげでこの機が墜落したらどう責任を取ってくれるのか」と文句を言おうと思ったとたん、屈強の中年女性客室乗務員がどどっとやってきて、猛烈な勢いで英語でまくし立て(機を下りろといったようなことを言っていた)、その女の携帯を取り上げて電源を切りました。

内心「あっぱれ!」と拍手をしたのですが、日本のエアラインだったら、もっと優しく言うでしょうね。そして客はいつまでもわがままを言う。内弁慶の日本人気質かも知れませんが。
当のバカ女は、英語も分からなさそうだし(だから平気?)、ぜんぜん反省もしていないようでした。こういう輩はどこに行ってもいるよね~、なんて思う現状は少々悲しいですが。

客室乗務員の客への要望で、「読み終わった新聞は元の通りにたたんで欲しい」とか「毛布もたたんでほしい」というのがありました。
私は一応女性ですから、使った毛布や夫の読んだ新聞はそれなりにたたんだりしますが、乗務員の皆さんが、次のフライトまでの間に新聞と毛布のたたみをすると、お弁当を食べる時間も無くなってしまう、との記載を見て、もっときっちり、もらったときの状態にたたんでおこうと思いました。

沢山の人間が一定時間を共有するものですから、人の迷惑にならないように心がけたいですね。

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やっぱりイギリス人はおかしい 高尾慶子

2008-10-20 | 雑本
やっぱり、イギリス人はおかしい (文春文庫 た 49-9)
高尾 慶子
文藝春秋

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こういう、外国とのギャップ本は結構好きです。
といっても、この著者の本は初めて読みます。

著者はイギリスで20年余暮らす女性。
イギリス人と結婚し、一度帰国したが離婚後再度イギリスへ。
仕事で数年滞在とか、家族そろって滞在なんて言うレベルではなく、一人でイギリスで生き抜いている本物の在英日本人だ。
イギリスのことも日本のことも過激に批判しているが、どう見ても著者はイギリスが合っているようだ。本書の中では会社派遣などのしがらみのない在英日本人の多くが日本に帰国しないわけにも触れられている。一言で言うと日本は「息苦しい社会」だからだ、と言っているように読める。
これは、人にもよるのだろうが、私には非常に納得できる。
私もアメリカにいたとき、帰国日が近づいて、親に「もうじき帰ってくるのね」なんて言われたとたん、「このままどこかにとんずらしてしまいたい」と真剣に考えたのを思い出す。

おおむね勤勉でおとなしい国民性であるから、「世間体」とか「常識」とか「出る杭は打たれる」なんて言われて、回りに合わせて生きていくことがそういやではない人が日本人には多いのだろうが、絶対イヤだと考える日本人だっているはずなのだ。
そういう人間にとっては、日本は閉塞感に満ちていて非常に生きて行きにくい。
わたしもそうした人種の一人だろう。

とはいえ、英国暮らしも良いことばかりでもなさそうだ。
あらゆる手続が日本にくらべて煩雑だと言うことである。それは外国一般に言えることで、日本ほど親切で手続が早い国はそうないのではないか。

また、プライドの高そうなイメージのある英国だが、自分のためならなりふり構わないと言う側面も上げられている。本の中にイギリスのローヴァー社が危機に陥ったときに、ホンダが技術提携を申し出て窮地を救ったことがあったが、後日ドイツのBMWから声をかけられて、すぐにホンダを裏切ってBMWと提携することにしたものの、結局6年後に提携解除されたということのくだりが載っているが、とても面白い。

「イギリス人妻(ローヴァー社)が、有名で華やかなドイツ人(BMW)に惹かれて、日本人の夫(ホンダ)と別れてドイツ人と再婚した。
ところが、優しく何かあっても見て見ぬふりをしてくれた日本人夫と異なり、ドイツ人の夫は口うるさくがみがみ命令する。また、妻の身なりや支出にも目を光らせていたが、小言を言っても一向にダメな妻に三行半を突きつけ6年後に離婚した。妻は離婚しないでと言ったが、ドイツ人夫は、『もう少しマシな女と思っていたので日本人からひったくったが、時代遅れのダメ女だ。さあ出て行け。』と言われてしまった。」
というたとえになっているのだが、本当に人間でもありそうで面白い。

しかし、外国で一人で暮らすと言うことは、言葉や人間関係の問題ももちろんだし、いざというときの逃げ場がないので、とても大変だろうと思う。普段から友人造りを心がけないと、いざというとき誰も助けてくれないということになりかねない。
ただ、なんというか、うまくいえないが、日本人特有の本音と建て前というか、裏表というものがたぶんイギリスには無いのであろうから、その辺はやはり羨ましいと思う(アメリカでは、ほとんど感じなかった)。
若いうちに少しでも外国に出て、日本が少し特殊であることを外から見るということは有意義だと思います。

外国での実生活に興味のある方はぜひ。

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銀河英雄伝説 田中芳樹

2008-10-02 | 雑本
銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)
田中 芳樹
東京創元社

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これ、全10巻で、読み応えバッチリですが、私の大好きな本です。
アニメにもコミックにもなりましたので、そちらでご覧になった方もうらっしゃるでしょうか。
私は実は本でもアニメでもコミックでも出ているものは全てみました。

話自体は良くある話で、専制国家であった銀河帝国から逃亡した何万人かの人々が自由惑星同盟を造り、覇権を争って闘うと言う話です。
専制国家ができるくだりはヒトラーを、銀河帝国が出来た後はハプスブルグ家やロマノフ家といったところをモデルに、自由惑星同盟はアメリカをモデルに書いたのかなという感じです。登場人物の名前も実在人物から拝借でしょうか。

長年膠着状態にあった両者の雌雄が決する大きなきっかけとなったのが、銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムと自由惑星同盟のヤン・ウェンリーの登場です。彼らがこの本の主人公になります。
ラインハルトは、母亡き後に母代わりをしてくれた美貌の最愛の姉を、皇帝の側室にするため突然連れて行かれてしまい、自身が皇帝に成り代わるほどの権力を手にして、姉を取り戻そうと決意します。ラインハルトの姉に思いを寄せていた隣家に住むラインハルトの親友のキルヒアイスも、ラインハルトと運命を共にすることを誓います。その後ラインハルトは、自身の能力によって頭角を現し、若くして元帥になります。

ヤン・ウェンリーは、幼少時に孤児になり、生きるために軍人の道を選びます。本人の思惑とは別に、戦略家として天才的な才能を発揮して、こちらも若くして艦隊司令官となり、ラインハルトと宿命のライバルとして闘うことになります。

その後ラインハルトは、自分の気持ちの行き違いからキルヒアイスを死なせてしまい、気持ちを閉ざして更に戦いに没頭していきます。そんなおりに皇帝が死去し、跡目争いをしている間に地場を固めて、皇帝の残党を一掃してラインハルトが皇帝に即位します。
皇帝になって姉を取り戻した後も、キルヒアイスのいない空虚感を埋めるように戦い続け、ヤン・ウェンリーの戦死後、最後に自身も病没して話が終わります。

本ではラインハルトは絶世の美男子として描かれています。
実際に美男子振りを実感するには、コミック版をご覧になると良いでしょう(道原かつみ作)。
宇宙モノがお好きな方はぜひ。
スターウォーズをお好きな方は多分この本も好きだと思います。

明日から日曜までは旅行に行くためお休みします。

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狂った裁判官 井上薫

2008-09-29 | 雑本
狂った裁判官 (幻冬舎新書 い 2-1)
井上 薫
幻冬舎

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再任を拒否された元裁判官の書いた裁判所の暴露本のような感じの本です。
裁判官の日常生活や人間のタイプ、和解解決するために当事者に脅しをかける、勤務評定を良くするためにサービス業化しているといった記載があって、それはそれなりにもっともなのですが、最後にこの著者が受けたプレッシャーについての文句が述べられています。
この著者はその文句を言いたいが為にこの本を書いたのだなぁ、と思えます。

この著者が受けた弾圧の最たるものは、判決の理由の記載が少なすぎるのでこれを改めなさい、というものだったそうです。著者はこれに従わず、裁判官としての再任(10年に一回再任される)拒否となったそうです。
判決には、主文(刑事だったら「被告人を懲役○年に処する」、民事だったら「被告は原告に金○円を支払え」なんてものです)、事実(当事者の述べた事実)、理由の3つを記載しなくてはならないのですが、この著者はこのうちの理由の記載が少ないという指摘を受けたということになります。

理由が短いというのは、この本にも記載がありますが、著者のポリシーによるところが多いように思います。
著者は「原告の請求を認めるにはA,B2つの事実が必要となるところ、Aを欠くことが分かった場合、Bについての認定をするまでもなく請求は認められないことになるので、理由にはAを欠くことのみを書けば良いはずで、Bについての認定を書いてはいけない。このいけないことをする裁判官は、人事評定で良い評価を受けたいが為に間違ったことをしている」といったことを述べています。

例として、小泉元首相の靖国神社参拝についての損害賠償事件を上げています。
この事件で福岡地裁は、「参拝は憲法違反だけど原告に損害はない」として請求を棄却しています。著者はこの点、参拝が憲法違反になってもならなくても原告に損害はないので棄却すべきものだから、憲法問題に触れるのは間違いだとしています。

こういった閣僚による靖国参拝に関する損害賠償事件は、原告にすれば純然たる憲法問題について訴訟を起こしても訴えの利益が無く却下されてしまいますので、憲法問題についての判決を得る手法としては、一般民事の名を借りて訴えるしかなく、憲法判断が欲しいが為に提起しているものと思われます。
裁判官として、その原告の意を汲んで理由中で判断しても、私は別にいけないこととは言えないと思うのですが。
やはり憲法問題についても判断した上で請求を棄却するのと、「憲法判断なんてするまでもなくアンタの請求は、要件を満たしていないからダメ」と言われるのとでは、同じ結論にしてもインパクトが違います。
この福岡地裁の裁判官は、ある程度の配慮を原告に対してしただけで、自分の出世や人事評定を気にして、というのはあまりにうがった見方のように感じられます。

色んな考え方の人がいるのだな、と思えました。

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