![]() | 神々の山嶺(いただき) (1) (集英社文庫―コミック版 (た66-1))夢枕 獏,谷口 ジロー集英社このアイテムの詳細を見る |
ひさびさに本の整理をしていたら出てきました。
ハードカバーでも読んだのですが,コミック版の方が印象に残りました。
全5巻で読み応えがあります。山の絵がリアルでスゴイです。
あらすじですが……
山岳写真家の深町はカトマンズの怪しい登山用具店で古いコダックのカメラを偶然手に入れます。
それがマロリーの持っていたカメラではないかと思いついて,そのカメラを持ち込んだ人間を探すうちに,「ピカール・サン」と呼ばれる日本人と顔を合わせます。
別れ際に深町はピカール・サンが一時期有名であった登山家の羽生ではないかと思い当たります。深町は,日本に帰ってからも羽生について調べます。
羽生はその破滅的な登山スタイルと歯に衣きせぬ言動が災いして,トップクライマーでありながら経済的にも対人的にも恵まれない環境にあり,ライバルであった長谷というクライマーに負けたくないと過酷な登山を続けますがうまくいきません。それどころか自分を慕う山岳会の後輩を,共に登った山行きで事故で亡くしてしまいます。
その後長谷に負けじと単独行をしたグランドジョラスでも滑落してしまいますが,滑落後自力でテントまで登っていったことが驚きと賞賛を集め,後のエベレスト登山隊に長谷と共に選抜されますが,運悪くアタック隊員に選ばれず,その後姿を消してしまいます。
結局ピカール・サンは羽生だとわかるのですが,この後は,このコミックを読んで頂ければと思います。
読む価値はあると思います。
この本の羽生のモデルは実在の登山家森田勝さんで,長谷のモデルは長谷川恒男さんなんだろうなあとすぐわかります。残念ながらお二人とももう山で亡くなってしまいましたが。
マロリーについての話も随時挿入されています。
マロリーの遺体発見については,以前こちらで私が書いたレビューでも紹介しました。
登山は究極の非日常だと思います。
非日常を日常とする人は,普通では味わえない精神の高揚を感じられるのでしょうが,リスクは命ということになるのでしょうね。
非日常って,ちょっと見の感じ,甘美な誘惑を感じてしまいますが,一般人が参加する登山は,信頼できる登山専門会社主催のハイキング程度にしておいた方がよろしい感じです。
![にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ](http://book.blogmura.com/bookmemo/img/bookmemo88_31.gif)