筆談ホステス(上) (光文社エンタメコミックス)斉藤 里恵光文社このアイテムの詳細を見る |
今年初めての更新です。
今年もよろしくお願い致します。
この方,有名ですよね。
テレビでも取り上げられていましたし。
この方の著作をコミック化したものを本屋で見かけ,つい買ってしまいました。
著者は,教師をしている忙しい母親の目を離したすきに,子供用のバス(部屋で赤ちゃんを入浴させるような?)で溺れたことをきっかけに,耳が不自由になったそうです。
両親は,聴覚が無いというハンデに沿った教育ではなく,一般の子供と同じ教育を受けさせようと普通の学校に行かせますが,斉藤さん自身にとっては色々お大変だったようです。結局高校は聴覚の不自由な子の専門の学級に行くのですが,その担当教師からいじめを受けるばかりか「お前の耳は神様に取られた」などと悪意に満ちた言葉を受けます。本当にこんな教師がいたのかと信じられません。
障害を心配する両親とは対立しながらも,町の衣料品店でアルバイトをしたことから接客に惹かれた斉藤さんは,筆談をしながら水商売の道に入ります。
美人で,性格が良かったので,あっという間にナンバーワンになります。
そこにかつての高校の差別教師がやってきて,なんだかんだ言われたりするのですが,さらっと受け流して濃い水割りを飲ませて,撃退します。
そんな機転もある斉藤さんは,その後銀座に進出して成功します。
体に障害があった場合,それを受け入れて自分にあったやり方で頑張っていく人や,障害を受け入れられずに籠もったりする人や,健常者と張り合って負けないと言う決意がありすぎる人や,色々な人が居ると思うのですが,斉藤さんや,ピアニストの辻井さんみたいに,障害を受け入れてなお自分のペースを保って成功する人はわずかなんだろうなあ,と思います。
特に,斉藤さんは辻井さんと違って家族の全面的なバックアップがなかったであろうことを考えると,その努力と共に精神的によほど強い人なんだなあと,感銘を受けます。
これからも頑張って欲しいと思います。