333ノテッペンカラトビウツレ

 奇跡は 誰にでも 一度おきる だが おきたことには 誰も気がつかない

江戸時代の『流れ者図鑑』

2008-09-18 03:06:18 | SP(Standard Program)

●何はともあれ、帰宅しました。大抵の場合、旅行の後半は「もういいだろ?そろそろ東京が恋しいよ」となるんですが、今回は逆に「もう1~2日延泊しても良いのでは」という考えすら頭をよぎりました。無論、休暇中とは言え、予定アリまくりなので無理なのですが。というわけで福岡、近いうちに映画祭抜きで行きたいと思います。

●ミュージシャンの伝記などを読むとライブ・ツアーというのは本当に過酷で、長く続けていると人間の精神に相当なダメージを与えるものだということがわかります。実は旅行中に福岡に仕事で来ている東京在住の知人と会ったのですが、その人は1か月もの間、東京を離れて福岡で暮らしながら働いているそうです。1箇所に留まっているだけまだ良い方で、これが1か月の間に日本縦断なんてなると相当に過酷です。その昔、知人で全国の小学校を回る演劇団に所属していた人がいましたが、その生活はまさに“ロード”そのもの。快適な環境だったら良いのでしょうけど、大抵の演劇者なんて金がないわけですからね。大変な生活です。

●個人によって“流れ者属性”には差があるのでしょう。毎日、自宅に帰らないと精神がダメになってしまう人もいれば、ずっと流れ流れて毎夜、寝床が違う生活が平気な人もいます。もちろん、それは極端な話で、人によって程度の差があるでしょう。1週間ぐらいまでだったら自宅じゃなくても平気だけど、7日を過ぎると家が恋しくなるとかね。あくまで例ですが。

●当然ながら今ほど交通手段が発達していない時代はこんなことを考える人もいなかったでしょう。それこそ、電車も自動車もない時代に旅に出る人は本当の流れ者か旅人で、多くの日本人は自分の生まれた地から出ることなく生活して歳をとって死んでのいったでしょう。土産を抱えて飛行機に乗ってミシェル・ルグランの演奏を聴きながらウトウトしていたら1時間強で福岡から東京についてしまう2008年。もし、これが江戸時代だったら何日かかるのかとモノレールに乗りながら、ぼんやりと考えました。少し前に「休みを使って徒歩で東海道五十三次を旅してみよう」なんて話を知人としたことがありますが…その苦労を考えだけで「話だけで終了」というムードが漂いました。

●交通機関の発達した現代は、流れ者にとって良き時代なのでしょうか?そんなことを考えつつ、当分はまたこの狭くて人がわんさかいる東京23区で暮らしていこうと思います。また明日。