試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形モハ3555[3556F] 3次車 朱帯色 (動力ユニット整備:FS-389動力台車化,床下機器移設施工) ※TOMYTEC製

2017-07-08 21:41:20 | 京成線:3500形
遅延。

TOMYTEC製京成3500形3556F朱帯色の上野寄M1車であるモハ3555が入場した。
モハ3555は動力ユニット搭載車化するためTOMYTEC製TM-06R動力ユニットが割り当てられる。
TOMYTEC製TM-06R動力ユニットは京成1000形,3500形計4編成で起用しており順調に作業は進むと思っていた。


京成3500形モハ3555 3次車 朱帯色(3556F)。
※パンタグラフ撤去済。

3556Fは3592F現行色後期仕様(3592F-1)に続く上野寄M1車が動力車の編成となる。
TOMYTEC製3500形では3592F現行色晩年仕様(3592F-2)だけが動力車位置が異なる状態になる。
3592F-1との差別化は編成単位で管理している都合上殆ど効果が得られなかった。
3556F出場後にモハ3591とモハ3590で床板を振替える方向でいる。


入工中のモハ3555。

TOMYTEC製TM-06R動力ユニットは思ったより早く送られてきた。
仮にグリーンマックス製PT-43S形パンタグラフと同着が判っていればモハ3555が先行していただろう。
モハ3555の第一次整備をパンタグラフ撤去で打ち切ったのはモハ3554(3556F)と同じ理由だった。
TOMYTEC製3500形は動力車も含めて輪心の黒色化を施している。
モハ3591(3592F-1)用TM-06R動力台車の黒色化は短時間で終了した。
当然モハ3555もこれに倣ったがそう上手く事は進まなかった。


輪心黒色化を終えたTM-06R動力台車(上野寄)。

TM-06R動力台車の輪心色挿しは非動力台車用車輪と同じくマッキーを用いる。
動力台車の車輪はスパイラルギアカバーを外さないと回転させられない構造である。
輪心黒色化は3592F現行色から採用し3592F-1で要領を掴めたつもりだった。
しかし届いたTM-06R動力ユニットは外観こそ変わらないがスパイラルギアカバーが固く嵌っていた。
プラスチックドライバーを差し込める隙間も見当たらず先に進めなくなってしまった。
先に集電板に被らない箇所を黒色化した。
このままでは車輪が斑模様になるためどうにかしたい。
仕方無く精密マイナスドライバーを持ち出しスパイラルギアを強引にこじ開けている。
スパイラルギアカバーの嵌合は上野寄,成田寄共通で短時間で終える予定が端から狂ってしまった。


カプラーステーを切除したTM-06R動力台車(上野寄)。

TM-06R動力台車は今回から新たに細工を施す予定を組んでいた。
連結時に目立つカプラーステーを廃したい。
これを切除するため動力台車の分解を行おうとした。
ロアフレームさえ外れてくれれば構造が判る。
しかしこちらも固い嵌合の前に挫折した。
カプラーステーの切除はロアフレーム嵌合爪の強度低下を招く危険性がある。
そこで少しずつクラフトナイフで張り出しを削っていった。
大凡残り1mmに達したところで切除しても嵌合爪を破損させないと判明した。
残りはニッパーで切断しシンプルな形状に至っている。
この結果を受け成田寄動力台車は初めからニッパーで切り落とした。
切断面はやや白濁が見えたためマッキーで塗り潰し誤魔化した。


完成したFS-389動力台車(成田寄)。

ここまで来れば3556F朱帯色付属品のFS-389動力台車枠を嵌め込むだけである。
目前と思われたFS-389動力台車化はまたもや嵌合の固さに行く手を阻まれた。
原因が動力台車取付孔か動力台車枠取付脚のどちらにあるかは不明である。
ただ動力台車枠が押し込めなかったのは事実だった。
どうにか半分程度まで差し込んだ時点で動力台車枠が動かなくなってしまった。
こうなると力業に頼るしかない。
動力ユニットを木製ボードの上へ置き垂直方向から体重を掛けた。
この作業を4回繰り返しようやくFS-389動力台車化に辿り着いた。
これだけ手間を要したTOMYTEC製動力台車枠取付は初である。
過去の製品はゴム系接着剤で補強を要するほど嵌合が緩かった。
利点は今後脱落の心配が無くなった程度だろう。
もう少し取付け易いと助かるが当たり外れの問題かもしれない。


アダプターを撓ませ取付けたTNカプラーSP。

どうにかFS-389動力台車化を終えTNカプラーSPの装着に移行した。
使用したアダプターはMで先に台枠へ組み込んでいる。
しかしTNカプラーSPの取付孔がボスに届かなかった。
黒色の密着自動式TNカプラーSPは所要数しか確保しておらず破損させられない。
そこで一旦アダプターを取り外した。
アダプターの撓みを利用してTNカプラーSPを組み付けている。
撓ませたアダプターはTNカプラーSPを取り付けても変形しなかったらしい。
何事も無かったかのように台枠へ装着出来た。


床下機器を撤去した非動力車用床板。

床下機器取付に入る頃には大幅に時間が経過していた。
この時点で同日中の車体整備は諦めている。
モハ3555に装着されていた非動力車用台枠から床下機器部品を取り外した。
TOMYTEC製動力ユニットへの床下機器部品取付は流し込み接着剤での固定を標準化していた。
今回使用したTM-06R動力ユニットでは嵌合精度が高く移設した床下機器部品は全くぐらつかない。
そのため流し込み接着剤使用は見送っている。
なお3592F-1,3592F-2では余剰となるFS-389非動力台車の整備を行いM2車に転用した。
時間を浪費した影響で非動力台車の整備を取り止めこのまま保管品とする。


ウエイトを黒色化したTM-06R動力ユニット。

そして最後の工程であるウエイト黒色化に突入した。
ウエイトはマッキーで塗り潰すだけで被膜が弱い。
そのため作業中に剥がれる確率が高く最後の作業に廻した。
多少の塗り斑は車内に組み込まれると目立たなくなる。
ウエイトの角部だけは二重塗りとしそれ以外は金属面が隠れる程度に留めた。


印象の異なる3500形M1車用動力ユニット (モハ3591用:3592F-1,モハ3555用)。

各部の嵌合に苦しめられたがモハ3555用動力ユニットが完成した。
プロトタイプ都合で床下機器類は黒色となる。
台車色はサックスブルーでその色温度差が対照的に見える。
床下機器類,台車色がグレーだった3592F現行色とは雰囲気が大きく変わった。
その代わりモハ3555竣工時に台枠へ埋没しないかが心配される。


端部がスマートになったFS-389動力台車 (モハ3555用,モハ3591用:3592F-1)。

FS-389動力台車はカプラーステー切除により余計な張り出しが無くなった。
非動力台車のカプラーマウントを撤去しているため動力台車の見附が気になっていた。
強度も特に不都合無いと思われTOMYTEC動力ユニットの標準化項目に追加する予定である。
と同時に竣工済のTOMYTEC製動力ユニット搭載車への追加施工も行いたい。

LOT都合かもしれないがTM-06R動力ユニットの整備は思うように作業が進まなかった。
自分の準備不足から躓いた3556Fの第二次整備は未だ半分に届いていない。
早期出場は放棄し確実に仕上げる方向へ梶を切る。