Dairy Gorin

レッスンスタジオGorinの日常を紹介します。

今日のレッスン・・・・大学生編

2007-10-23 08:16:23 | 神保
去年の今頃からレッスンにお見えになられる大学生の男の子。

彼は日本のある特定のポップスバンドが大好きです。

初心者の彼は始め サークルに入ったから・・・と言う理由でレッスンに通われていました。

その頃はそのバンド以外はあまり音楽には興味ない感じでした。

その特定のバンド以外のLIVEに行ったり他のバンドのCDを買って聞いたり・・・という事にはほとんど興味なしでした。

そんな彼のレッスンは基本練習から始めていきました。

今年に入り春頃からでしょうか、、、曲を練習し始めました。

もちろん彼のお気に入りのバンドの曲です。

最初の1曲なので時間をかけてゆっくりやりました。

そうそう・・・・彼は上半身が左利きで下半身が右利きです。

だからセッティングは右利き用のセッティングでオープンハンドで叩いています。

普通にリズム叩いている時は何も問題ないのですが・・・・フレーズを回す時の手順が大変です。

彼の好きなバンドのドラマーは右利きです。

曲中に出てくるフレーズはほとんどドラムセットの右方向から左方向に流れます。

右利きのドラマーにとってはそれが自然な流れです。

右から左に流しやすいように組まれた右利き用のセッティングは彼にとって大変でした。

本物のようなフレーズにしようとしたら普通の手順では対応できないのです。

でも・・彼とも話をしたのですが「それを不利、不便と考えずに逆に人と違った手順、フレーズができると思って練習しよう」と。。。。

普通初心者が始めにやる曲はいわゆる基本どうりの手順でしかやりません。

通常右からスタートのフレーズを左から・・なんてことは最初のうちはまずしません。
(上級者は別ですが)

でも彼の場合基本的な動きはこの際無視です。

曲のアレンジに合うようにフレーズとそれに見合う手順を作っていきました。

それをやりながらのレッスンですので進みは遅いです。

半年近く経ちましたが今では学園祭に向けバンド練習一生懸命しています。

曲は3曲も仕上がりました。

で・・問題のフレーズの手順はと言うと。

完璧です。

平気で右左左右(右利きの人にとっては 左右右左と思ってください) といった手順でフレーズ回して平気な顔で演奏しています。

しかもそんなに遅いテンポではありません。

普通なら左右左右(右利きの人は右左右左)で叩くようなフレーズをです。

彼にとってはそれがやりやすい とか やりにくい とかは関係なく「そういうものだ」と一生懸命練習してきたのでしょう。

もしこれが既成の手順を徹底的にやってからこの手順にいったら「やりにくい」と感じてしまっていたでしょう。

この手順はある程度エクササイズが進んでから練習するような手順です。

私自身勉強になりました。

既成のものをぶち破る考え方も必要だと・・

始めは音楽にちょっと醒めた所のあった彼は今では別人のようです。

いろいろなバンドも聞くようになりました。

先日は学園祭前の最後のレッスンでした。

「本番のつもりで叩いてみて。」

なんと彼はこの短い期間に暗譜してきました。

かなり気合い入ってます。

それならばと・・・・スタジオの電気を消して真っ暗に・・・

こうするとスタジオの空気が変わります。

暗闇の中での彼の演奏は完璧でした。。。。。。