嗚呼~!しらき

眠らない街、東京日記

一期一会

2005年01月03日 23時30分01秒 | Weblog
私はよく変わった人に話かけられる。

今年もそんな出来事で幕があけた。

元日、私は友人の家で過ごした後、夜はおとなしく家に帰ることにした。

いつもは駅に自転車を止め、それに乗って帰るのだが、その日は雪がひどく、歩いて帰っていた。

途中、コンビニに寄って店をでると、
男がいきなり声をかけてきた。

「寒いですね~」

キャッチの声には振り向きもしない私だが、近所付き合いの会話で、よく交わされるこの言葉に、私は返事をしてしまったのだ。

「そうですね。」

するとその男はこう言った。

「肉まん半分たべます?」

なんだこの男は。いきなりフレンドリーだぞ!

動揺する私を気にせず男は話を続けた。

「一緒に話をしてるのに、僕だけ食べてるのも悪いな~と思って。」

「お腹いっぱいだから大丈夫ですよ。」

私は丁寧に断った。

もうこの会話で私は解放されたと思った。

しかし、その考えは甘かった。

「今日は飲み会だったんですか?」

なんでお前にいわなきゃいけないのか!心で叫んだがグッとこらえて答えた。

「ええ、まあ。」

その後もいろいろしてくる質問に適当に答えていたら、聞いてもいないのに自分の話をしだした。

その話の内容で、
彼は26歳で俳優を目指していること、

昨日は一人でどらえもんスペシャルを見て感動して泣いたこと、

これから友人の家でお雑煮を食べること、

無職で生活していることを知った。

私は無職と知り、非常に気になった。


「どうやって生活しているんですか?」


つい質問をしてしまった。


「いや~、サバイバルな生活をしていますよ。
今日ここに来るのも、警察にお金を借りて来たんですよ。
まあ、そのお金で肉まんを買っちゃったんですけど、半分食べます?」


またひつこく進められた。


「何をやってるんですか!ほんとに・・・。」

つい本音がでたが、彼は気にせずこう言った。

「実はね、こうやって普通に話をしてますけど僕、逆方向なんですよ。」


何をやってんだ、この男は・・・。


そろそろ会話をきりあげようと私は口を開いた。


「それにしても、今日はお雑煮が食べれるからよかったですね。楽しんできてくださいよ!」


しかしその男には私が可哀想にみえたらしい。


「今、新年会シーズンでたくさん飲み会がありますから、そのとき誘いますよ!ねっ!一緒に飲みに行きましょうよ!友達がたくさんいた方が楽しいですって!!」


「ええ、そうですね。」


警察にお金を借りてる男に可哀想に思われる私って。


複雑な想いを胸に私はひとり家へと向かったのであった。


ニコニコ笑い汁

2005年01月03日 14時10分51秒 | Weblog
昨年の話にさかのぼるが、自分のネタがスカパーで放送された。

『ニコニコ笑い汁』という番組で、まだテレビとかにでていない個性的な芸人を紹介している。

ありがたい事に、私も出してもらえたのだ。


「やっとテレビで流してもらえる!」

私は興奮で胸が高鳴った。

だが、それも束の間の喜びでしかなかった。

私はスカパーに加入してないので、見ることも、録画して親にみせてあげることもできないのだ。

私はがっかりして肩を落としていた。

ところがそんな私に、番組の方が丁寧に録画して家に送ってくれたのだ。


「うわぁ!!これでダビングして親に送ることができるぞ!」

早速、私は先輩に、宣伝用も含め、三本分のダビングを頼んだ。

先輩がビデオを渡すときに

「ダビングしたビデオをどこに送るのか?」

と聞かれた。

「親とNHKとかに送ろうと思います。」

私は答えた。

「NHK・・・。じゃあ、ちゃんとビデオを確認した方がいいな。」

「えっ?まさか・・・。」

その言葉に嫌なものを感じた。

なにかあるな。

急いで家に帰ってビデオを確認した。

ビデオを見た私は言葉を失った。

いきなり男同士の絡みのシーンに始まり、ことの終わりまでが私のネタの合間に流されているのだ。

いや、見方を変えるとホモビデオに私の画像が邪魔してるみたいになってる。

唯一の救いは、親に送るビデオは無事だということだ。

男同士の絡みの祭典を見ながら私は思った。


このビデオは「ニコニコ笑えない汁」だ!


放送できないビデオに変わったことは言うまでもない。