昨日のブログでも書きましたが、CWパイルを呼ぶときのテクニックについてもう少し詳しく書きたいと思います。
テクニックと言っても、すでに何年もCW運用をされている方には常識と言ってもいい話だと思いますが、最近CWを始められた初心者の方の参考になればと思います。
昨日のブログと重複になりますが、、、
当方が移動運用やコンテストでCQを出す側の時、何局かに同時に呼ばれることが多々あります。
(俗にいう、パイルになった! というやつですね)
ただ、その場合、こちらの周波数にピッタリ合わせて(所謂ゼロイン)呼んで来られる局が複数いると、それらの局の信号が重なって切れ目のない連続音になってしまい、まったく判読できなくなります。
その中で、少し周波数をずらして呼んで来られる局がいると、その局が浮かび上がって聞こえ、その局から順にピックアップしていくことでパイルの山を崩して、なんとか捌くことが出来るようになります。
相手の周波数に合せる(ゼロインする)というのは無線の基本動作であり、最近のリグにはオートCWチューンと言って、ボタン1発でゼロインしてくれる機能があるものもありますが、パイルになっている局を呼ぶ場合、逆にゼロインして呼ぶと、いつまで経ってもパイルを打ち破れないことがあるかもしれません。
そんなときは、ゼロイン周波数より数十Hz、上または下に周波数をズラして呼ぶと応答率が上がるでしょう。
ただし、余り大きく(100Hz以上)ズラすと相手のフィルター外になってしまったり、近接する周波数で交信している他の局にも混信になってしまうので、ほんとにちょっとだけ(50~70Hz位)ズラすのがコツです。
そうすることによって、受信側では他局とトーンが異なって聞こえて目立つのでピックアップされやすくなります。
実例を示します。
7015.0kHzで某移動局がパイルになっていました。
そのときのバンドスコープのキャプチャーです。
ウェーターフォールは上から下に流れています。
①CQ局が、QRZ? を打つと、②パイルアップが始まりました。
皆さん、微妙に周波数をズラして呼んでいるのがわかると思います。
③CQ局が、ある局をピックアップしたようです。
④ピックアップされた局が送信を始めましたが、ゼロイン周波数より70Hz上にズレたところで送信されているのがお分かりかと思います。
なお、下記の⑤のように、あまりズラしてしまうと、相手局が受信帯域を絞っていると、カツカツ音しか聞こえませんので、いつまで経ってもピックアップしてもらえないので注意が必要です。
何事もほどほどがよろしいかと思います。
その他、
・尻尾を目立たせるとピックアップされやすいと思われているのか、2回コールを打たれる局が時々いますが、あれは殆ど意味がありません。
というのは、その局が2回目のコールサインを打っているときには、CQ局はすでに1回目のコールでピックアップする局を決めていて応答体制に入っているからです。
どなたかの2回目のコールが聞こえたからと言って、ピックアップする局をその局に変えることは多分無いです。
その上、ピックアップしたコールに応答したくても、2回目が終わるまで応答できないのでQSOの効率が大変悪くなります。
・コールしている最中に自分のコールを打ちミスをし、慌てて打ち直す局もいますが、それは2回呼びしているのと同じことになります。
打ち間違えたらその場で送信をストップし、次のターンまで待つ方がよろしいかと思います。
最後になりますが、これまでの画像を見てすでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私の場合、固定局のリグでは、常にXIT(Transmission Incremental Tuning)をオンにしてあり、70Hz-UPが設定されています。
こうしておけば、特に考えなくても、相手局にゼロインさえすれば、勝手に70Hz上でコールすることが出来ます。
(ただしSSBをやるときは、忘れずにOFFするよう、ご注意ください。)
以上、CWでパイルになっている局を呼ぶときのプチ・テクニックでした。
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