今年に入ってからの移動運用は、その殆どがPOTA公園の駐車場からの運用ですが、その際に使用しているアンテナについて紹介します。
まず、POTAを始める前は 6m超のカーボンロッドアンテナにオートアンテナチューナー(AH-4)という組み合わせで運用していました。
ただこれは、その長さ故、結構目立ちます。
混雑している公園の駐車場でこれを立てて運用するのはかなり勇気がいりますし、一般のお客さんに不安感を与えてしまうと感じました。
また、1日に何カ所かの公園を早回りする場合、アンテナチューナーとそのコントロールケーブルをその都度車外にセットするのは、結構面倒です。
そんなわけで、いまはモノバンドのモービルホイップでやっています。
バンドチェンジの場合は、車外に出てホイップを交換しなくてはいけませんが、やはりしっかり調整されたモノバンドに勝るものなしです。
よく運用するのは、7MHzと10MHzですが、それ以外のバンドに出ることもたまにあるので、3.5MHzから430MHzまでのホイップを車に積んでいます。(^^ゞ
一番よく出る 7MHzは、コメットの HR7 というセンターローディングの全長2.2mほどのアンテナです。
このアンテナでも、 CWであれば、なんの問題もありません。
コンディションが良ければ、手に負えないほどの激しいパイルアップを受けることも良くあります。
というより、公園の駐車場での運用では、これが限界の長さではないでしょうか。
万が一、何等かの事情により、急遽車を移動させなくてはならないことがあっても、このアンテナなら、そのまますぐに車を移動させることも可能であり、駐車場での運用はこれが大事ではないかと思います。
◆アースについて
次にアースですが、基台をルーフキャリアに付けており、ボディアースが取り難いため、第一電波のマグネットアースシート MAT-50を使っています。
発売当初(ウン十年前?)は、正直、こんな小さなシートを貼るだけでアースが取れるのかと半信半疑でしたが、実際使ってみると、これで十分以上のアースが取れ、モビホの性能が100%発揮できていると思います。
ただ、この製品、ちょっと難点があり、使われているケーブルに柔軟性がないため、何度か脱着をしているうちに、付け根の部分で、疲労断線してしまいます。
車に貼りっぱなしであれば問題ないのでしょうが、車の塗装が痛むのを恐れて使わないときは外しているので、柔軟性のある、TV用同軸ケーブル(5C-2V)の網線に交換しました。
◆マグネットアースシートの脱着ワンタッチ化
さらに、付属の丸端子では容易に基台部への脱着ができないため、丸端子をバッテリー用の大型クリップに交換しました。
基台のMコネの根元をクリップで挟んで、マグネットアースシートを、車の屋根の真ん中に付近に貼りつければセット完了です。
なお、写真のものは、3.5MHz にも対応するようにシートを2枚仕様にしたバージョンです。
◆HR7の広帯域化
モボホ(特にローバンド用)は使える帯域がとても狭いので、CWバンドとフォーンバンドの両方をそのままではカバーできません。
エレメントを固定しているセットビスを緩めて、長さを調整し直してモードを切り替えている方もいらっしゃると思いますが、移動先でビスを緩める作業はできればやりたくないですね。
その対策として、キボシ端子の付いたショートケーブルを使って広帯域化(ワンタッチ切替)をしています。
このキボシ端子(メス)が、(特にコメット社の)モビホの先端にちょうどピッタリ嵌まるんです。
ケーブルは、古いカーオーディオの配線を切って活用しています。
まず、高い周波数側でモビホ本体を調整した後、先端にこのショートケーブルを挿して低い周波数で調整します。
#コメットの製品は、ホイップの先端の形状がちょうどキボシ端子が嵌まる径と形状のため、類似の他社製品とどちらにするか迷ったら HRシリーズをお勧めしておきます。
D社の製品でも、一応キボシ端子は嵌まりますが、脱着しにくいです。
POTAでは、FT8とCW の両モードをやられる方も多いと思います。
僅か30KHz程の違いですがモビホでは同調がズレてしまうのでそのままでは、両方運用するのは難しいですが、モビホ単体でFT8の7040KHz付近、ショートケーブルを付けてCWの7010KHz付近に調整すれば、ショートケーブルの脱着で、アンテナチューナー無しでどちらのモードも、最適な同調状態で出られるようになります。
◆ホイップアンテナの2バンド化
応用編として、
下の写真は サガ電子のモーブルホイップ CM-144W7 の 28MHz 帯用コイルですが、先端に 110mm ほどのショートケーブルを付けて 24MHz 帯に調整してあります。
24MHzは、「N1CCチャレンジ」をするときくらいしか、出ることがないので専用のコイルを持っていませんが、このショートケーブルの脱着により、1つのコイルで 24/28 の 2バンドで運用が出来ます。
あと、実際にはやっていませんが、21MHzのモビホの先端に、太目で腰のあるショートケーブルを付ければ 18MHz用として使用できるかもしれません。 どなたか追試をお願いします。
なお、長さの調整は、実際に線をカットしなくても、長めのケーブルを使って、少しずつ折り反し量を変化させ、SWRを追い込んだ後、ビニルテープで巻いておけばOKです。
そのほうが、コロナ放電防止にもなるかと思います。
ちなみに、このショートケーブル方式は、物理的にエレメントをカットし過ぎてしまったモビホのリカバリーにも使えます。
以前、ジャンク市で買ったモビホが異常に短くカットされていましたが、この方式で復活させて現用しています。
◆アンテナの設営時間は40秒
さて、このアンテナの設営時間ですが、公園の駐車場に車を停めて、リアハッチを開けて、モビホとマグネットシートアースを取り出し、基台コネクタにクリップを挟んで、シートをルーフに貼りつけ、モビホをMコネにねじ込んでセットする。
ここまでで、実測40秒です。
あとは、リグの電源を入れて空き周波数を見つけて、MyACTで公園番号とJCC/JCG番号を確認し、POTAサイトにスポットすれば運用開始できるので、のんびりやっても車を停めてから、2分後には CQ POTA 出来ます。
◆交信実績
このシステムで、24年1月から6月の半年間で、のべ 500 公園に移動し、CWモードだけでのべ10,000局以上と 交信しています。
設営の簡単さもあり、1日(24時間)で 20公園の早回りも、2回達成しています。
以上、私がPOTAで使用しているアンテナシステムのご紹介でした。