12月熊本県議会が閉会しました。19日・最終日には、本会議で、2012年度決算についての反対討論、知事提出議案、請願についての討論、ブラック企業規制法整備意見書の提出者説明、介護・消費税意見書についての討論と4回登壇し発言しました。詳しくはホームページをご覧ください。jcp-k.com
県議会経済環境常任委員会を傍聴。蒲島知事が本会議で「水俣病認定業務返上も辞さずの構えで、国に責任ある対応を求める」といった決意表明をした後の当該常任委員会。報道陣も多数。
ところが、環境生活部長の説明・答弁は、従来の環境省よりの姿勢とほとんど変わらないもの。委員からの適格な質問、追及もなし。
知事の「決意表明」は「空砲」か?
質疑では、指定管理者の選定の在り方について、質しました。
以下のとおりです。
知事提出議案第28号、指定管理者の指定について伺います。
天草ビジターセンターの指定管理者として、三勢・人づくりくまもとネットが示されていますが、両者が指定管理者となっている「あしきた青年の家」では、昨年8月4日、食中毒事故をおこし、県教委から指導を受けています。ところが、今年の4月27日にまた食中毒事故をおこし、指導を受けています。さらに、今年の9月20日、天草青年の家で、アレルギー食材を誤って提供するという事故を引き起こしています。幸い大事には至らず、この事故は、公表はされておりませんが、短期間に3回の重大な事故をおこした共同体が、指定管理者として選定されているわけです。
環境生活部長に伺います。
こうした状況は知っていて、なおかつ指定しているのか、知らなかったのか、いかがでしょうか。
答弁は「知らなかった」ということでした。
質疑の時間は答弁を含めて10分間ですが、蒲島知事に。「瀬戸石ダム撤去」について聞きました。
答弁は、「今は、答える段階ではない」という趣旨のものでした。
質疑は以下のとおりです
日本共産党の松岡徹です。知事が、議案説明要旨、「最近の県政の動向」中で「川辺川ダム問題への対応」「球磨川の治水」に触れておられることに関連して質疑を行います。
国交省九州地方整備局、熊本県などが共同して、昨年7月の九州北部豪雨の検証を行っています。その会合の中で、川辺川ダム住民討論集会で、国土交通省側の論者として参加した小松利光九州大学大名誉教授が講和を行い、「河川横断構造物の危険性」として、「地球温暖化によると思われる災害外力の増大下では,現存する取水ダム、橋梁、堰、頭首工などの河川横断構造物が洪水に対して更に水位を上昇させる等、非常に危険な状態を招くことが近年の洪水災害から明らかになってきた。従ってこれらの河川横断構造物のチェック、改善、撤去などが急務となっている.また土砂だけでなく流木の影響も合わせて考慮した河川計画・管理が不可欠となってきている」「電力会社管理の河川構造物や橋の点検・見直しが急務である」と指摘しています。
この指摘は、瀬戸石ダムにも明白に当てはまるものであり、球磨川の治水安全度を高めるうえで、瀬戸石ダム撤去を正面から検討するダことが求められています。
2008年8月、潮谷前知事が、新聞の「県政回顧―潮谷前知事語る。荒瀬ダム」という中で、「水利権更新を前にした水面下の交渉で許認可権を持つ国交省からは、更新を認める事実上の条件として、浸水防止のための堆砂除去や護岸補修、ダム湖内の堆砂の下流及び海域への補給などが示されました。県にとって技術的にも費用的にも高い要求で、『すべての条件を満たすのは無理』との判断にいたりました」「(荒瀬ダムの)撤去は私の決定ですが、撤去に向けて検討するよう指示したことはありません。企業局があらゆる試算の結果として言い出したことです」と述べています。
先日、市民団体がこの発言の根拠となる文書などについて、公開質問を行った際、国交省、熊本県ともに。「そういうものは知らない」との回答だったそうですが、これは事実を偽るものです。
私は国会議員を通じて、国交省が、「ダム検査規定」第4条にもとづいて、今年の5月27日の定期検査で、瀬戸石ダムを「総合判定A」としている文書を入手しました。
「総合判定A」は、「ダムおよび当該河川の安全管理上重要な問題があり、早急な対応を必要とする」というものです。
現在撤去工事が進められている荒瀬ダムも、「総合判定A」でした。
荒瀬ダムの水利権更新の時、国交省は判定Aにもとづき、熊本県知事に対して、「堆砂対策」「水質対策」「洪水被害対策」「護岸補修」について対応するよう求めています。
熊本県は、この指摘の沿って、ダム湖内の堆砂の除去、道路側壁の補修、洪水被害補償、赤潮対策、泥土の除去、下流への土砂補給、河川環境の向上策、塵芥の除去などを検討し、発電機やダムゲートなどの主要設備の取り換え、メンテナンス等を合わせ、約73億円超の費用を試算しています。
これらをふまえて、荒瀬ダムの存廃を検討した結果、存続は、「技術的にも費用的にも困難」ということで、潮谷知事の「荒瀬ダム撤去表明にいたっています。
瀬戸石ダムは、堆積ヘドロ・土砂、護岸の痛み、アオコ、赤潮の発生、悪臭、洪水時の水害、振動、騒音、水害等々、長年住民に苦難を強いてきました。
荒瀬ダムが抱えた課題と同じです。
ダム存続の「技術的、費用的困難」、球磨川の治水、環境の回復、住民の苦難の除去等を考えるならば、瀬戸石ダムも荒瀬ダム同様撤去となるのが妥当ではないかと考えます。
なお撤去費用は、事業
者である電源開発と河川管理者である国交省の負担とすべきです。根拠は、河川法75条、76条です。
河川法第36条にもとづき、知事の意見が求められることになります。国交省に確認したところ、「瀬戸石ダムの水利権更新の可否は、『知事の意見次第』ということでした。
知事のお考えはいかががでしょうか。
12t11日・水曜(午後2時15分ぐらい)、県議会本会議で質疑をします。往復10分間ですが、瀬戸石ダム問題、指定管理者問題です。いずれも「隠されてきた事実」を明らかにします。傍聴、インターネット視聴などよろしくお願いします。